MBA・教育 Archive
米国大学院学生会のお知らせ
今日は私の友人が立ち上げた団体、『米国大学院学生会』のお知らせです。
『米国大学院学生会』とは、
アメリカに学ぶ日本人留学生有志が、その後に続かんとする日本の後輩たちを応援するために立ち上げた団体
で、
日本で一般的な語学留学、交換留学や企業派遣ではなく、アメリカ人と同じ一般の学生として入学し、長期間腰をすえて研究や勉強に励み、そして学位の取得を目指す「学位留学」
を対象としているそう。
私は『就活中の学生へ - 1』というエントリーで就職活動中の大学3年生へのアドバイスとして「大学院留学目指したら?」と勧めるくらい学位留学はお勧めしています(私自身はアメリカ留学ではなかったのでアメリカじゃなくてもいいと思うけど、『グローバル学生争奪戦』のランキングでわかるように高等教育はやはりアメリカ強し、『誰でもアメリカ人になれるアメリカ』ですから)。
また、海外就職についての相談もよく個別にメールで受け取るのですが、これもよっぽど即海外就職できるスキルや経験がない限り留学をお勧めします(最近シンガポールで就職したいって人が多いです、「イギリスで」っていうメールは全然来ない、笑。 アジアへの時代の風を感じるなー・・・)
- Comments: 0
- TrackBacks: 0
グローバル学生争奪戦
『国の価値観と個人の価値観』に書いたように、子どもの教育のことも考えてイギリスにやってきた私たちですが、もちろん大学以上の高等教育のことも視野に入れています。
先週のThe Economistでは世界中の大学が(特に新興国の)トップ層の学生を奪い合う現状の中、「イギリスの大学、今まではまあまあうまくやってきたけど、これからも大丈夫?」と今後の大競争に向けて注意を喚起するもので非常に面白かったのでご紹介。
The Economist : Foreign university students - Will they still come?
右の表が2009年の世界の大学ランキング(上海交通大学が毎年発表するもの、ランキングのフル・バージョンはこちら)。 以前も『教育における重要な変化』に書きましたが、トップ20の顔ぶれはほとんどアメリカとイギリス。
以下、記事の中で面白かったポイント。
- Comments: 9
- TrackBacks: 0
日英バイリンガルへの道 - 2
昨日の続き、私の息子のように、家庭では日英の二言語、外は圧倒的に英語、という環境で生まれ育つ場合どのようにしてバイリンガル教育をするのか、というトピック。
周りに聞いたり、mixiの『海外で育児!』コミュニティーで調べたりしました(mixiのコミュニティーはかなり調べものに使えます、特に周りに日本人がいない環境で子育てをしている人にとってはネットは重要な情報源 & コミュニティー)。
まず、うちの場合がそうなので、母親 = 日本人、父親 = 英語ネイティブ、外の世界 = 英語、と仮定。
2. WHO(誰と?)に一貫性を持たせることがとても重要で、
- 母親と話すときは日本語、子どもが英語で話しかけてきても「お母さんとは日本語だけね」と伝え日本語で話させる(ネイティブ並みに英語が話せても、一言語に統一し、1対1のときは日本語しか話さないのが原則。 ミックスすると子供が混乱し、言語発達がより遅れる)
- 英語で話しかけられて日本語で答えてはいけない。 子どもは意思の疎通が目的なのでそれで目的を達してしまい、日本語が理解はできても話せなくなる。
- 単語レベルでも文章レベルでも日本語と英語のミックスはいけない。 子どもがミックスしたときや英語で話しかけてきたときは「英語ではplaneね、じゃあ日本語では何と言うの?」と明確に区別させる。
- 「てにをは」は抜かずになるべく正確できれいな日本語を話す。
-
on
- July 8, 2010 8:34 AM
- 4. 教養・知識 | 5. 趣味・プライベート | MBA・教育 | 家庭・育児 | 英語・外国語
- Comments: 6
- TrackBacks: 0
日英バイリンガルへの道 - 1
私は息子に日本語で話しかけているのですが、その様子を見た人(イギリス人)から必ず「あら、この子、バイリンガルになるの? いいわね〜」と言われます。 私の今までの周囲の調査・観察によるとそう簡単になれるものではなく、道は険しいんですけどね・・・
ある言語を自由に操るスキルの習得は当然のことながら環境によるところが大きいので、検討のためバイリンガルに育つ環境要因を5W1Hで場合分けをしてみます。
1. WHAT(何を?)
何の言語をどこのレベルまで操るようになることを目標とするのか?
< 我が家 >日本で話されている日本語と英語を第一言語とする国で話されている英語。 私が「バイリンガル」と言う場合、二カ国語ともに母語並みに自由に操れること、すなわち話し言葉が通じるだけでなくその言語で勉強・仕事ができるレベルを指していますが、そのレベル到達を目標とするかは本人の様子を見ながら検討します。
子どもは英語環境で育つので日本語は完璧を求めない(祖父母と話ができるレベルでよし、漢字など読み書きは求めない)という家庭も多く見受けられます。
2. WHO(誰と?)
誰とコミュニケーションすることによってその言語をマスターするのか。
< 我が家 >母親(私) = 日本語、父親(夫) = 英語、周囲の環境 = 英語
3. WHEN(いつ?)
言語習得過程でいつその言語に触れるのか? その環境は変わるのか?
< 我が家 >生後すぐから、おそらくずっと家庭 = 日本語と英語、外 = 英語の環境は変わらないでしょう、まだわからないけど。
- Comments: 3
- TrackBacks: 1
すごいベビーおもちゃ
最近、育児以外の話題に乏しいのでワールドカップの話題でも!と思ったのですが、残念ながら我が家にはテレビがない・・・(シンガポールのアパートはTV付き、今のフラットには付いていなかったのだが出産など出費が多すぎていまだ買えず)
それならイギリスらしくパブでゲーム観戦!と意気込んでいたのに、週末見たい試合(イングランド - USA戦、ドイツ - オーストラリア戦)は南ア時間20:30開始(イギリス時間19:30)。 乳児を連れて夜のパブ観戦は断念しました。 くすん・・・
よって引き続き育児話です。
妊娠中から薄々感づいていたけれど、育児グッズって一大産業ですねー
愛する我が子のために財布の紐が緩んでしまう親心、ジジ・ババ心につけこむをキャッチするグッズが、あれもこれもと襲ってきます。 幸いイギリスはチャリティーショップやバザーなど子ども用品のセカンドハンド市場が充実しているし、友達のお下がりもあるので、あまり新品は買わずに済んでいますが、それにしてもすさまじい・・・
今日はロンドンのゼロ歳児の定番おもちゃのご紹介。
出産前は子ども部屋のインテリアに夢を膨らませていた私。 『パリの子供部屋』、『ロンドンの子ども部屋』
、『ストックホルムの子ども部屋』
あたりはそんな夢が詰まったインテリア本で海外でもアート系本屋のインテリアコーナーに置いてあったりします。 子ども部屋といえど妥協せずシックかつキュートにまとめよう、プラスチックおもちゃは不可・木と布のおもちゃOK、など現実感のないランダムな空想を抱いていたのですが、産まれてからはそんな空想は見事に現実の前に叩きのめされました。
-
on
- June 11, 2010 8:57 PM
- 4. 教養・知識 | 5. 趣味・プライベート | MBA・教育 | 家庭・育児
- Comments: 4
- TrackBacks: 0
12年後の教育オプションを買う
昨日書いたように、ロンドンに来て以来、グンと夫が高校・大学の同級生(夫はメルボルン生まれ・育ち)と集まる機会が増えたのですが、その1人、18ヵ月の女の子を持つRから忠告されました。
メルボルンに帰る可能性が少しでもあるなら、今から子供の私立セカンダリー・スクールに申し込んでおいた方がいいよ。 ボクはもうW(メルボルンの名門私立校)に申し込んだ。
セカンダリー・スクールとは、Year 7 - 9、12 - 14歳です(日本的には中学校?)。 12年後に子供を入学させたい学校への入学申し込みを生まれてすぐやっておけ、というアドバイス。 オーストラリアは「プライマリー・スクール(Year 1 - 6)はともかく、セカンダリー・スクールは良い教育を受けさせたければ私立しかない」という夫談で(本人も大学以外、ずっと私立)、日本のように受験ではなく、申請受付順(+兄弟が通学していたら優遇とか)らしいので、人気のある学校はこういう事態になるのですね・・・(以前は妊娠がわかったら申請する人がいたらしいが、現在は生前の受付は禁止されたらしい)
私たち、12年後、どこに住もうかなんて全然決めてないんですが・・・ 12年後の人生計画なんてたてたことないし・・・
いきなり12年後に息子を行かせたい学校を考えろ(すなわち、住む都市・地域も決めろ)、と言われて困惑する私たち。 しかも、この「プライマリー・スクールはともかくセカンダリーは私立じゃないと・・・」という状況はロンドンでも同様のよう。
- Comments: 9
- TrackBacks: 0
統計を参考に個人のキャリアを決めてはいけない
昨日の続きですが、ちょっと横に逸れて、「統計を参考に個人のキャリアを決めてはいけない」「すべての価値を金銭価値に換算できない」というお話。
1. よく就職・転職情報誌に出てくる生涯賃金ランキング、年収高額企業ランキングといった類の統計を参考に自分の進路を決めてはいけない。
これらのランキングは「現存する企業が現業態を保ったまま、現賃金体系を維持したなら」というあり得ない仮定に基づいた数字です。 企業の平均寿命が30年を切り人間の労働寿命より短くなっている世の中で(引退という概念すらなくなるかもしれない→『「老後」がなくなる日』)、今から就職して生涯賃金ランキングの数字通り受け取る人が果たしているのでしょうか?
年収高額企業ランキングの上位企業はひょっとして労働生産性に見合わない高年収の従業員、高額年金を約束したOBばかりを抱え、高コスト体質のために破綻したJALのような会社かもしれない。
この不況で希望就職先も「安定志向」が強まっているらしいですが(→就職希望企業人気ランキング)、「安定しているがスキルが身につかない」企業に就職して、その後の仕事人生、つぶれないこと・給料が減らないことをひたすら祈って暮らすのでしょうか?
この手のランキングは「ふーん」と眺めるか、むしろ「人のいない裏道をいこう」くらいに使うべきで、個人のキャリア選択に当てはめるのはほとんど意味ないです。
-
on
- February 5, 2010 9:13 AM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 企業・会社員
- Comments: 6
- TrackBacks: 0
MBA女性の10年後 - 王道対策編
先週の『MBA女性の10年後』は紛れもない現実ですが、
このままキャリアを求めてがんばって行くことの不安とある意味先が見えてしまったような(がんばっても仕方ないのではないか)そんな思いにかられてしまいました。
というMaikoさんのコメントにあるように、20代女性の希望を打ち砕いてしまったかもしれないので、巷ではこの現状にソリューションっぽいものも議論されていることを紹介。
明るい話の前に、前エントリーに補足して現実の例を。
先週ランチしたINSEAD友達Y(→こちらに登場)。 米系名門投資銀行(ロンドンオフィス)のヘッドハントを受けNYからロンドンに引っ越してきたばかり、2歳半と1歳の2児をフルタイム・ナニーを駆使して育てながらウォールストリートのエクイティセールスという激務ポジションで生き残ってきた、私の友達の中では最もバリバリと音がするほどのキャリアウーマン。
彼女が言っていたひと言。
前職のファーム(同業同職種)では、パートナー(共同経営者)まで残った女性はたったの3人。 うち1人はレズビアン、1人は未婚、1人は旦那さんが専業主夫。 そのどれも私には当てはまらない。 先行き暗いわよね・・・
暗い現実はこのくらいにして、The Economistの同じ号からWomenomicsという記事(長いので、以下私の意訳)。
第一世代のキャリア女性は男性と同じ基準で評価されることを主張した。 "The sisters"として特別な扱いを受けるのではなく、誰よりも働き、頭が良くなることで人の先を行くことにこだわった(例:マーガレット・サッチャー元英首相、ヒラリー・クリントン米国務長官)。
ところが、最近のフェミニストの間では、男性のルールに従ってゲームをプレイしている限り女性は決して自らのポテンシャルを花咲かせることはできないと主張している。 「ガラスの天井」を破るだけでは十分ではなく、ビル自体に埋め込まれている「性差のアスベスト」を調査すること、つまり企業社会の構造やプロセスそのものに内在している性差別を根絶することが必要であると。
-
on
- January 18, 2010 7:34 AM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育
- Comments: 7
- TrackBacks: 0
MBA女性の10年後
ロンドンでの大きな楽しみがINSEAD友達とのキャッチアップ。 特に女友達はほとんどロンドンに集中しているので、積もり積もった話に花を咲かせるのが本当に楽しみ(昨日はそのうち1人目とランチしてきました)。
INSEADを卒業して5年半、20代後半だった私たちも30代前半~中盤に差し掛かり、結婚・出産と経る中でさまざまな選択をしなければならない難しい年代に差し掛かってきました。
新年号のThe Economistは"Women in the workforce"と題してとってもタイムリーな記事だったのでご紹介(The Economist : Female power)。
シカゴ大学ビジネススクールでは、MBAの10年後、子供がいる女性の卒業生のうち今も働いているのは半分だそう。 INSEADも状況は似ていて、11年前に卒業した友達に聞くと女性卒業生の半分は専業主婦だそうです(私は5年前卒業なので、まだ専業主婦は数えるほどしかいませんが、そろそろ出てきそうな雰囲気)。
記事では、思いっきりうなづける理由が説明されていました(拙訳)。
ひとつ明らかな問題は女性の大きくなる野心が満たされていないことだ。 彼女たちは出世の階段を昇るよう奨励されているにも関わらず、ミドル層は男性に占領され、トップ層は手が届かないものであることを思い知らされる。 フォーチュン500企業のトップのうち女性は2%だけ、FTSE100指数の企業のうち女性トップなのは5社だけ、アメリカで取締役に占める女性の割合は13%である。 戦略コンサルや銀行のトップ層は男性で占められており、アメリカとイギリスではフルタイム女性の平均年収はフルタイム男性の80%である。
-
on
- January 15, 2010 6:42 PM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 企業・会社員
- Comments: 13
- TrackBacks: 0
留学するなら大学? 大学院?
最近話をした2人の友人の話。 年は10歳違うし、年収もケタが違うのですが、私には2人がダブって見えました。
- 中国人Y(♀、36歳)
INSEAD卒業後は、英系投資銀行(香港オフィス)へキャリアチェンジ。 INSEAD同級生のスペイン人J(戦略コンサル、NYオフィス)と香港 - NYの遠距離恋愛開始。
勤務先の投資銀行を説得し5ヵ月後にNYオフィスに転勤成功、1年後にJと結婚。
NYアッパーウェストにある高級アパートに住み、2人の子供を育てながら(フルタイムナニー付)、今なおウォールストリートの(数少なくなった)投資銀行でキャリアの階段を駆け上る。
今年5月の卒業5周年同窓会(→『5年目の同窓会』)には2人の子供をナニーに預け、Jと出席。 私たちのロンドン引っ越し計画に「いいなー、私もロンドン住みたいなー」と言っていた・・・かと思うと、ある米系名門投資銀行(ロンドンオフィス)のヘッドハントを受け、家族と共に1月からロンドン暮らしだと言うメールがつい先日届いた。
-
on
- December 21, 2009 1:32 PM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 企業・会社員
- Comments: 9
- TrackBacks: 1
"泣かせる"夢を持つ人、持たない人
しばらく前からINSEAD受験生のインタビュアー(面接官)を引き受けています。
知らない方のためにMBAの受験プロセスを説明すると、テスト(TOEFL, GMAT)結果と書類(学歴・職歴など、受験エッセイ、推薦状)を基に学校が審査するのが第一次審査。 通過者はインタビュアーによる面接の第二次審査を経て、書類審査の結果もふまえ最終合否が決まります。 INSEADでは面接はすべて(受験生の住む国に住んでいる)卒業生が行います(学校によって異なる)。 よって、私が面接するのはシンガポールに住む受験生。
何人か面接していて、あることに気づきました。 この国には、a. "泣かせる"夢を持つ人、b. "泣かせる"夢を持たない人、の2種類の受験生がいるぞ・・・
a. "泣かせる"夢を持つ人
最も良い例が『チャイナ・ドリーム』の彼女。 詳しくはエントリーを読んで欲しいのですが、(高等教育を受ける人が珍しい)中国の農村からシンガポール大学の奨学金を得て出てきて、親への仕送りと自分の生活費のためにアルバイトをしながら大学を卒業。 初めは給料の低い仕事だったが、苦労して夜間の大学院に通い修士を取得。 INSEADでMBAを取ることでさらなる高みを目指して、最終的には中国の発展に貢献したい、という彼女です。
シンガポールにはアジア中から人が集まっています。 建設労働者・メイドなど単純労働者だけではなく、弁護士・会計士・企業のホワイトカラーにも「努力して勉強してやってきました」というマレーシア人・インドネシア人・インド人・中国人・・・etc.がたくさんいます。 そういう人は故郷に親兄弟も親戚もいて「将来は故郷の役に立ちたい」と"泣かせる"夢を持つ人が多い。 シンガポールに来るに至った顛末もとにかく内容だけで"聞かせる"。
-
on
- September 11, 2009 10:24 AM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 企業・会社員
- Comments: 2
- TrackBacks: 0
教育における重要な変化
少し前にブログネタ切れと書いたら、CREAさんが非常に興味深いインタビューを送ってくださいました。 今年出版された『国をつくるという仕事』で知った人も多いのでは? 元世界銀行南アジア担当副総裁の西水美恵子さんのインタビュー。
ソフィアバンク:Audio Archives 西水美恵子
西水さんは都立高校時代に奨学金でアメリカへ留学して以来、ずっと日本を外から見てきた、ということでインタビューの内容は本当に深く考えさせられるものでした。
経済学者としてプリンストン大学で教えていたのに畑違いの世界銀行へ転身した過程を語った「(1)貧困と戦う世界銀行との出会い」もお薦めですが、「これは聞いておくべき」と思ったのが「(2)今、日本は、何を改革すべきか」の教育に関する箇所(以下、インタビュー該当箇所のサマリー)。
私は教育格差のない時代に義務教育を受けた。 貧しい家庭の子どもでも勉強すればいい学校に行って良い教育が受けられた。 私の行った都立西高はその時代のトップレベルの先生がいた。
その根本が崩れ始め教育格差がつき始めたのが20年ほど前。
世界銀行で取りたい人が見つからなくなった。 海外で仕事や大学に行っている日本人であれば世界銀行で取りたい人材がいるが、日本から直接では欲しい人が見つからないようになった。
- Comments: 21
- TrackBacks: 0
アジア人はなぜ数学ができるのか
もはや世界的にアジア系の子どもの理数系学力が高いことはコンセンサスになっていると思います。
参考までに、2007年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2007)の数学(14歳)のランキング。
1. 台湾
2. 韓国
3. シンガポール
4. 香港
5. 日本
国際学習到達度調査(PISA2006)の数学的リテラシー(15歳)のランキング。
1. 台湾
2. フィンランド
3. 香港
4. 韓国
5. オランダ
- 以前書いた『移民の子どもの教育』にも中国人移民の子どもは移住先の国を問わず理数系の成績がよいことを示す結果が出ている
- 渡辺千賀さんブログの『カッコウの巣の小学校』によるとカリフォルニア州で一番学力が高い学校の生徒は90%がアジア人である
など、他にも例は枚挙に暇がありません。
- Comments: 6
- TrackBacks: 0
チャイナ・ドリーム
彼女との待ち合わせ時間の30分前、待ち合わせ場所のスタバの奥の静かな席に座り、事前に送付されたアプリケーション(受験申請書類)に目を通していました。
その日はINSEAD受験生のインタビュー(面接)を行う日。
私は中国北部の農村に生まれた。 村では子供は高校に行かず、親の農作業を手伝うのが普通だった。 私の両親は教育に理解があり、私を高校まで行かせてくれたが、大学に行かせる家計の余裕はなかった。
高校卒業後、私は地元の専門学校に通い始めたが、大学進学をあきらめきれず、シンガポール政府の奨学金に申請したら合格通知がきた。 必死で英語の勉強をした私は1年後、シンガポール国立大学に入学した。
学費は奨学金で賄えたが生活費は自分で稼がなければならなかった。 昼は大学に行き、夜はバイトをして自分の生活費と親への仕送りにした。 私の仕送りのおかげで弟は大学に入ることができた。
大学卒業後(コンピューター・サイエンス専攻)は大学院(修士課程)に進もうと思っていたが、ちょうど起こったアジア通貨危機の影響でその年に大学院奨学金を受けられる成績水準が引き上げられた。 生活のためバイトをしなければならなかった私は、奨学金の申請資格である成績にわずかに足らなかった。
大学卒業後はシンガポールの企業でエンジニアとして働き始めた。 夜間の大学院に通うため、必死でお金を貯め、オペレーション・マネジメントの修士号を取得した。 学位を活かして、純粋なエンジニアからマネジメントとエンジニアの中間のポジションへ転職した。
シンガポールの企業で7年間働き、奨学金の義務を果たした今、INSEADでMBAを取り、コンサルタントへのキャリア・チェンジをはかりたい。
読んでるうちにじわーっと涙が出てきた私。
おいおい、人の受験エッセイ読んで泣いてどうする・・・
- Comments: 13
- TrackBacks: 0
5年目の同窓会
先ほどフランスから帰ってきました。
初夏のフランスはベストシーズンで周りにつられてさんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びていて気がついたらすっかり焼けてしまいました。 赤道直下のシンガポールではこんなことしないんですが・・・ 太陽のありがたみが違うんだな、質まで違う気がする。
今回は出発前のこちらやこちらに書いたようにINSEAD卒業5周年の同窓会+プロヴァンス地方ドライブ旅行。
まずは同窓会の話を。
HBS(ハーバードビジネススクール)で伝統である学期最後の授業で教授が生徒に送るメッセージを集めた『ハーバードからの贈り物』という本にあった、
自分の実績と収入を、自分自身の目標や成功の基準ではなく、同級生の実績や収入と比較することになるのだ。
から「同窓会には行くな」という教授からのメッセージに考えさせられた話を『MBAの同窓会』というエントリーに書きました。
そのことを再び書いたエントリー『友人の昇進』に、渡辺千賀さんからStanford MBAでは
意外に「そんなにはうまくいってないひと」「ふつうなひと」の方が出席しがちな気がします。 とっても成功している人(個人資産二桁million $以上って感じかな?)はまず来ません。
とコメントをもらったので、同窓会で繰り広げられる人間模様にますます注目していました。
結果は、、、
「他人と比べる」ような雰囲気は皆無でした。
全くなし、誰も仕事の話なんてしていない、ゼロ。
-
on
- June 1, 2009 9:47 PM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育
- Comments: 7
- TrackBacks: 0
カルトのような文化
先週のThe Economistにアメリカの靴とアパレルのe-コマース会社Zappos.comの記事が載っていました。
The Economist : Keeper of the flame
CEOいわく「たまたま靴を売っているサービス会社」ということで類いまれなカスタマーサービスが評判なんだそう。 このサービスを支えるスタッフの指針となっているのが、Zapposの企業文化。 "Culture Book"という本を従業員全員が読みこなしていて、"deliver WOW through service(サービスを通じてWOWを伝えよう)"とか"create fun and a little weirdness(楽しさとちょっと変を作り出そう)"とか書いてあるんだそう。
採用面接も「一番好きなスーパーヒーローは誰? そしてなぜ?」とか「1から10の間で自分のラッキーさは何点?」とか、まあユニーク。
ちょっとMBAの授業で読んだ"cult-like culture(カルトのような文化)"というケースを思い出しました。 ある意味カルトと言えるほど強い企業文化で企業と従業員とを束ねている会社を扱ったもので、ディズニーが例として挙げられていました(日本だとユニクロやリクルートが強い企業文化を持つとして知られていますかね?)。
そして、強い文化を持つのは企業だけではありません、学校もしかり。
世界中いろいろあるのでしょうが、私の行ったINSEAD(MBAプログラム)は在校生・卒業生の愛校精神が(他の人から見るとおそらく)気味悪いくらいに強く、うちは夫婦ともに卒業生なので、相当ウザイと思われていると思います。
(ここから少々、宣伝入ります)
- Comments: 2
- TrackBacks: 1
海外就職における「日本の力」
最近めっきり更新が減って寂しい梅田望夫さんのブログですが、『「自分の力と時代の力」講演録』というエントリーにあった「時代の力」と「自分の力」の捉え方が私が今までひしひしと感じてきたことと非常に近いので経験を重ね合わせながらご紹介します。
とてもいい講演録なので、ぜひ全文読んでください、なのですが、以下関係部分だけ要約です。
梅田さんがシリコンバレーに移住した1994年は3つの「時代の力」が渦巻いていて、「時代の力」に押されるようにやってきた。
1つめは世界経済の状況。
2つめは「日本の力」(80年代後半はジャパン・マネーが席巻し、日本という国や日本企業の力をバックに、大きな仕事をして人脈を作ったりすることができた)。
3つめは「技術や産業の力」(ITは昔に比べ成熟し、時代の力は弱まっている)。
昔に比べ、これからシリコンバレーに移住しようとしている日本人を取り巻く「時代の力」は総じて弱まっている。
3つの「時代の力」が弱まっているという話は納得ですが、1.は全世界的に当てはまるし、3.はIT産業に特化した話なので、日本人が海外で就職したいときに、2.「日本の力」がどう変化してきているかについて私が実際感じてきたことを。
日本で生まれ育った日本人の海外就職(アシスタント職ではなく、メインストリームを対象)にはいろいろなパターン・タイミングがあります。
1. 大学から海外でそのまま現地就職(続いてMaster, PhDなど取得した場合もここに含む)
2. 日本で就職し数年経った後に大学院留学し、現地(または他の国で)就職
3. 日本企業から海外駐在し現地で転職
4. 日本で働いた後、自力で海外に渡り就職
その他にもありますが、私が一番詳しいのは2.のケースでMBA取得直後にそのまま海外で職を見つけるケース(私自身は2.ではなく4.)。
-
on
- April 9, 2009 12:22 PM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 企業・会社員
- Comments: 2
- TrackBacks: 0
究極のキャリアドリフト
Happenstanceというブログ経由で川井 拓良 さんという方のインタビュー記事を読みました。
この人のキャリアを読んで絶句・・・すごすぎます・・・
日本の中学卒業 --> NZのマオリ族の高校入学 --> 南ア共和国の高校卒 --> モスクワ国立大学入学 --> モンゴル国立大学入学 --> 英国リーズ大学卒 --> 英国オックスフォードロースクール卒(奨学金) --> ベルギー・ルーベン大学院卒(奨学金) --> 国際弁護士
モンゴルあたりまでの経緯が抱腹絶倒なので、ぜひインタビュー記事を読んでください。
それにしても、失業率100%のマオリ族の村の高校でマオリ語で授業とか、モスクワから日本に鉄道で帰る道中で途中下車したウランバートルの空にひとめぼれって・・・
シンガポールは幼少から競争社会であり3歳で3つの塾通いは当たり前、インドでも中国でも幼少期からの競争は激しくなるばかり。
一方、私自身は小学校で一番好きな科目が体育。 夏は水泳部、秋から春はバスケットボール部、大会前だけ陸上部と3部兼部していて、まともに勉強したのは中学3年の高校受験が初めてというクチだったので、子どもは外で遊ぶべし、と思っており、川井さんのインタビューは素晴らしく希望を与えてくれるものでした。
そして、この方のキャリアは最近よく聞く「キャリア・ドリフト」というやつではないでしょうか?
-
on
- February 23, 2009 9:38 AM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 企業・会社員
- Comments: 6
- TrackBacks: 0
Samsungに見る黒船の効果と限界
そろそろ時効かな、ということで書きますが、以下の内容は非常に個人的な体験のヒアリングに基づくので、あくまで一つの例による所感ということで。
私がINSEADを卒業した2004年、韓国Samsungが熱心にキャンパスにリクルーティング(採用活動)に来ていました。 通常、キャンパスにまで来てMBAのリクルーティングを行うのは、戦略コンサルと投資銀行が主。 「インダストリー」と呼ばれるいわゆる「実業」は、L'Oreal、Johnson & JohnsonのようなFMCG(*1)業界が多かったので、Samsungのようなエレクトロニクス企業(しかもアジア企業)は異色中の異色でした。
*1 FMCG・・・Fast moving consumer goods、変化の早い日用消費材のこと。
私たちの代では、10人にオファーを出し、そのうち2人が就職しました。 ベルギー人男性Fとイタリア人女性G。 彼らの職務はソウル本社のGlobal Strategy Groupでのストラテジスト。
このSamsungの人事戦略は去年の日経エレクトロニクスに特集されていたようです。
以下、『独創的な人材の確保がグローバルな競争力の源泉に--韓国Samsung編(最終回)』より
韓国ソウル市の江南駅の近くに建てられた,韓国Samsungグループの超高層ビル群─。このビル群の一角に「未来戦略グループ(Global Strategy Group)」という極めて優秀な人たちで構成される組織がある。メンバーのほとんどが「S(Super)」クラスと呼ばれる外国人である。
世界のMBAトップ10に入る大学の出身者や博士号を持つ人ばかりで,誰もが知る世界屈指の大企業で5年以上の実績を持つ人たちだ。
- Comments: 8
- TrackBacks: 0
会計ブートキャンプ
ついに始まりました! 会計ブートキャンプ!
今日から日経ビジネスオンラインで始まった特集のことです(バナーをクリック↓)。

去年からNBonlineで会計コラムを書いていらした著者の杉田さんは、私が杉田さんのブログを見つけて押し掛けコメントしたのが馴れ初めです(このブログのリンクにも貼ってあるんだけどわかるかな?)。 サンフランシスコの会計事務所で上司・同僚・部下のアメリカ人をバッタ・バッタと斬るさまを楽しくブログで読んでいたのですが、年末、東京に凱旋帰国されました。
私は前職で企業投資の最前線にいたし、MBAで会計(Accounting)は必修科目だったし・・・なのに、いまいち会計(Accounting)には苦手意識があったのです。
ところが、最近いろんなところで「英語・会計・ITが必須」と言われているように、苦手なままだと本当に目の前の仕事で苦労するんですね(私のように企業投資が仕事なのに財務分析苦手です、ではちょっとお話にならない・・・)
-
on
- January 5, 2009 10:15 AM
- 3. マネー・ファイナンス | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 投資・資産運用
- Comments: 0
- TrackBacks: 0
300人待ちの幼稚園
東京でも幼稚園や保育園の順番待ちが長い(待機児童人数が多い)らしいですが、シンガポールはもっと激しいようです。 私の友人夫婦2組の話。
A家:夫婦ともシンガポール人。 夫:歯医者、妻:家族企業の2世経営者。 子供は3歳5カ月と1歳5カ月の2人。
B家:夫:フランス人バンカー、妻:元バンカー、現在専業主婦。 1歳の子供+来春2人目予定。
2組ともフルタイム(住み込み)のメイドを雇っています(シンガポールのメイド事情はこちら→『6家庭に1軒がメイドを雇う社会』)。 子供が2 - 3歳までは住み込みのメイドに任せ、2 - 3歳になったらPre-school(その名の通り小学校の前に通う幼稚園/保育園)に通わせるとのこと。
この順番待ちがすごい。
A家の場合、7月に生まれた子供を(2歳半から通わせるために)その年の9月にPre-schoolに申し込んだところ、すでに100人待ち。
B家の場合、12月に生まれた子供を(同じく2歳半から通わせるために)次の年の5月に申し込んだところ、300人待ち。
300人待ちってどのくらいの人がダブルブッキング(っていうのかな?)しているのかよくわかりませんが、待って入れるものなんでしょうか?
-
on
- November 28, 2008 3:10 PM
- 4. 教養・知識 | 5. 趣味・プライベート | MBA・教育 | 家庭・育児
- Comments: 6
- TrackBacks: 0
外資系戦略コンサル vs. 投資銀行
週末なので、閑話休題。 くだらないけど、面白い"Damn, It Feels Good to be a Banker"。
かなり偏った人(業界人及びMBAホルダー)にしか面白くないかも。
ウォール街で働く若手コンサルタント(McKinsey, BCG, Bain, Accenture)と若手インベストメントバンカー(Goldman Sachs, Morgan Stanley, Merrill Lynch, Blackstone, Lazard)が路上でラップのリズムにのせて罵倒し合うビデオで、同名の本『Damn, It Feels Good to Be a Banker』の宣伝だとか。
歌がラップでスピードが速いので歌詞ものせておきます(→コチラ)。
業界の人ならわかる専門用語(jargon)満載(five forces、3Cなど)で、くすりと笑えるのでは?
-
on
- November 22, 2008 3:47 PM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育
- Comments: 3
- TrackBacks: 0
INSEAD誘致失敗で失ったもの
まだまだ週末あったイベントのお話。
昨日と一昨日書いたDr.Liuとのディスカッションは30人くらいの少人数イベントだったのですが、それに先立ちINSEAD卒業生200人以上が25ヵ国からシンガポールキャンパスに集結した"Meeting in Asia 2008"というイベントが行われました。 内容はINSEADの誇る2人の統計学の教授が「昨今の金融危機で露呈されたように、人間は自らの力を過信し実際以上に現実をコントロールできると思いがちである。 この"コントロールできるという幻想"がさまざまな局面で「幻想」に過ぎないことを示し(例:5年後のダウ・ジョーンズ予想)、コントロール不能な現実が多くあることを自覚することによって、自分の人生を取り戻そう」というもの。
活発な質疑応答など非常に楽しかったのですが、以前このエントリーのコメントでEDGEさんに推薦頂いた『まぐれ』という本にエッセンスがまとめられているので、興味のある方はぜひ一読を(私も読んでいる真っ最中でした)。
わずか半日のイベントに200人以上の卒業生が集まったイベントを見ながら「INSEADもいよいよ 本格的にアジアのビジネススクールになってきたなー」という思いを強くしました。 この状況で一番得をしたのはシンガポール政府ではなかろうか?
INSEADは政府・大学・企業から独立した教育機関としてフランスのパリ郊外フォンテーヌブローに1969年設立され(グロービスがINSEADをモデルとしていることは代表の堀さんのブログで触れられている)、途中まで英語とフランス語の2ヵ国語で授業を行っていたため「フランスのビジネススクール」の域を出なかったのですが、授業を英語だけで受けられるようになってからは世界ランキングトップに顔を出すようになりました。
その特徴は学生のバックグラウンドの国際性であることは以前書いたのですが、2000年にシンガポールにキャンパスを開設してからはますますその傾向は強まり、現在は75ヵ国から学生が集まり一番多いアメリカ人が10%(私がいた時は一番多いイギリス人とフランス人が12%ずつであった)、実に学生の75%がフランスとシンガポール両方のキャンパスを経験するそう。

- Comments: 0
- TrackBacks: 1
サンクコスト
昨日に引き続きMBAで学んだことの話。
私がINSEADで学んだ最も重要な概念のひとつが'sunk cost'。
大事な考え方なのに、いまいちうまい日本語が見つからないなー、と思っていたら、そのままカタカナにした本が出ました、『サンクコスト時間術』。
本田さんのレバレッジシリーズが出たときも思ったのですが、やっぱりうまく日本語にならない概念はカタカナになってしまうんですね。
企業経営では以下のような場面で使います。
ある企業が新規にチップを開発・設計する期間を2年間、費用を5億円と見積もり、開発をスタートしたとします。
開発期間半年、費用を1.5億円かけた時点で、営業サイドから「市場は当初想定していたよりも早いスピードで動いており、競合他社が半年以内に同様の機能を持ち価格競争力のあるチップを出してくるので、我が社が市場に出す頃にはすでに勝負は決まってしまっている」という声があがったとします。
この時点ではA.チップ開発を中止する、B.チップ開発を継続する、という選択肢が考えられます。
本来であれば将来の価値を最大化する(もしくは将来の損失を最小化する)ことを決断の基準とすべきであるのに「今開発中止するとすでに投資した1.5億円をドブを捨てることになる。それよりも開発を継続して商品が売れるような戦略を考えるべきだ」と考えてしまうのを'sunk cost'にとらわれた考え方と言います。
- Comments: 0
- TrackBacks: 0
It's all about OB...
私がINSEADにMBA留学をして得たもののNo.1は一生ものの友人と卒業生ネットワークだということは以前のブログで書きましたが(→コチラやコチラ)、「学校で学んだことはどうなんだ?」と聞かれると「OB(= Organisational behaviour、組織行動学)が重要だということ」でしょうか。 学校で「OBを学んだ」のではありません、「OBが重要だという事実に気づいた」のです。
組織行動学と訳されるOBの授業が私はINSEADに入った頃、大がつくほど嫌いでした。 「組織の中の処世術」としか思えず、「あえてMBAで習うことかー?」と思っていました。
INSEADはハーバードと同じくケース・スタディが多いので、30ページもあるケース(とあるイタリアの会社で、Fabrizio、Maurizio、Antonio・・・と同じような名前の重役10人くらいが出てきて、マーケティング部長Marioはセールス部長のStefanoと仲が悪く、でもStefanoは社長のFabrizioの高校時代の後輩で、会社の業績が悪化しているのに組織が紛糾寸前でどうしましょう?みたいなの)を読んだ後、クラスでああだ、こうだ、と議論するのです。
「そんなの時と場合によるんじゃないのー?」としらけきっていた私。
また、ある日のOBの授業では、事前に渡された指示書に従ってチーム内で、企業A 3名と企業B 3名に分かれて代理店販売契約だか何かの契約交渉をするロールプレイングを実施。
企業A担当の指示書には「自信に満ち溢れた態度をとり、すべての質問に対し独断で回答し、言葉は断定口調、質問は詰問口調・・・」みたいなことが書いてあり、企業B担当の指示書には「声は小さく、質問されたら質問にはすぐ答えずまず自分たちでひそひそ集まって相談し、その上で"社に持ち帰って検討する"と回答・・・」などと書いてありました。
そのロールプレイングをチーム内で実施した後、クラス内でAだった人はどう感じたか、Bだった人はどう感じたか、を議論。 授業の最後で教授が「Aはアメリカ人がよく取る行動、Bは日本人がよく取る行動」と種明かし。
この授業は「文化によって行動パターンも組織論理も異なるので、文化背景を理解しよう」というのがポイントだったらしいのですが、授業の最中、種明かしの前にだんだん筋書きが読めた私は激怒。 授業の後で教授に対して「教えようとしている意図はわかるが、文化的ステレオタイプ(しかもかなりネガティブな)をあえて助長するような教材を選ぶのはどうかと思う」と抗議しました。 「まあ、ちょっとステレオタイプだけどねー」とさらっとかわされたけど。
そんなわけで、数十あるMBAのクラスの中でOBの成績は最低でした(抗議は関係ないと思う、クラスの議論に参加しなかったのが理由)。
-
on
- October 27, 2008 11:00 AM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 企業・会社員
- Comments: 3
- TrackBacks: 0
ソフト・パリと魅惑のインド
昨日とがらっと異なり、ローテクなベンチャーのお話。
『果たしてヤジ馬なのか歴史の証人なのか』や『すべては一杯のコーヒーから』に書いたように、INSEAD同級生の中には起業し始めた友達も多いのですが、ハイテクではなくローテク・ベンチャーの方がむしろ多い。
(ここから先は18歳以下の読者はご遠慮ください、笑。)
最近聞いた中で一番面白かったのが、フランス人女性が立ち上げたSoft Paris(←ロゴをクリックするとwebsiteに飛びますが、人のいるところでブログを読んでいる方は注意しましょう)。 いわゆる「オトナのおもちゃ」(女性向けオンリー)をマルチレベル・マーケティングで販売するビジネスです。
マルチレベル・マーケティングとは販売組織がピラミッド構造をしており、上位販売員が下位販売員を勧誘しトレーニングするシステム(日本では一般的に「マルチ商法」と呼ばれ悪徳商法の一部と勘違いされがち)。
Wikipedia : 連鎖販売取引
簡単に説明すると、Soft Parisの商品に興味のある女性グループを誰かの家に集めてホームパーティーを開き、そこで販売員が商品の紹介をする、といういわゆるホームパーティー商法です。
2年前に始めたのが、すでに販売員が200名になり、フランスで(自社を含め)3社いる中で現在業界(?)2位。 トップとの差を縮めつつあるそうです(そもそも、そんな市場調査、どこで得るのかしらん?)
すごいところにマーケット・ニーズ見つけるなー・・・彼女、INSEADの前職は弁護士だったんですけどね・・・
「抑圧された主婦層が多いマーケット」が狙い目で、日本で展開したい人がいればぜひ提携したいので連絡ください、とのことでした。 ご興味ある方はぜひContactページからご連絡ください。
-
on
- October 25, 2008 7:02 PM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | ベンチャー・起業家
- Comments: 0
- TrackBacks: 0
Factory for unhappy people - 不幸な人の製造工場
『ハーバード留学記』の著者でライフネット生命保険副社長の岩瀬さんのブログ、及びThe Economostの書評を読んで以来、ずっと読みたかった『Ahead of the Curve: Two Years at Harvard Business School』
を読み終わりました(2つの書評 ↓)。
生命保険 立ち上げ日誌:本当の『ハーバード留学記』(ついに発売!)
The Economist:Factory for unhappy people
著者は元Daily Telegraph(英)のジャーナリストでHBS(に限らずビジネススクール)には珍しく「いわゆるビジネス」の経験を持たないため、(ある意味)正常な精神とイギリス人らしい皮肉、的確な筆力で、25歳そこらの若者が「世界中のすべての問題をキミたちが解決できる、世界を変えるのはキミたちだ」と吹き込まれ、米国資本主義の担い手として巣立っていく様子と、HBS-wayに戸惑いその意味を問う自分の姿を描いています。
私も「メーカー→INSEAD MBA→総合商社」、というMBA前も後もコンサルでも投資銀行でもなくMBAでは「マイナー」なキャリアなため、著者がHBSで直面した戸惑い、疑問、感動、心境の変化が、まるで4-5年前のINSEADにいた頃の私を見ているようで読みながら随分入り込んでしまいました。
かなりランダムですが、読後の感想です。
-
on
- October 2, 2008 5:08 PM
- 2. ビジネス・キャリア | 4. 教養・知識 | MBA・教育 | 企業・会社員
- Comments: 3
- TrackBacks: 0
移民の子どもの教育


今週のThe Economistは表紙を見た途端、吹き出してしまいました。
ポールソン米財務長官が"I WANT YOUR MONEY"と読者を指しているこの合成写真、もちろん第一次世界大戦の米軍募集ポスターをパロったものです。
なんか顔まで似ている気がするんですが・・・
今週のThe Economistはまだ読んでいないので、先々週のThe Economistから面白かった記事を。
-
on
- September 27, 2008 5:37 PM
- 4. 教養・知識 | 5. 趣味・プライベート | MBA・教育 | 海外に住む
- Comments: 1
- TrackBacks: 0
景気とMBA
先々週のThe Economistに「MBA志願者が増えている」という記事がありました(↓)。
MBAs and the economy: Ports in a storm
見事にMBAのアプリケーション数(青線)とOECD国のGDP(赤線)が逆の相関関係を描いています。
MBAの最大のコストは留学中の学費+生活費もさることながら、その期間を学業に捧げることによってロスする給与が大きいのですが(この"Opportunity Cost"の概念については『MBAはビジネスの共通言語』参照)、「不況で給与アップも期待できない、雇用がなくなるリスクさえある(もしくはすでになくなった)。それなら、この機会にMBAで自分の付加価値を上げておいて、景気回復期に市場に戻ってこよう」というロジックが働くのだとか。
私がMBAを取ろうと思ったとき、景気のことは全く考えなかったので、「ほー、なるほどなー」と。
- Comments: 0
- TrackBacks: 0
借金してでも投資するオーストラリア人
複数の方からMBAの学費調達方法について質問を受けたので、ひとつの可能性としてご紹介します。
私と夫は2人とも(欧米から見ると)世界の果てにある孤島(孤大陸)の大企業の(一般的には)安定していると思われている職をサクッと捨てて自費でMBA留学したという共通点があり、基本的なメンタリティーは似ていると思うのですが、「私にはそれは思いつかなかったなー」と思ったことがひとつ。
私たちがINSEADに行った2003-2004年で、学費 + 生活費で1年間に1,000万円かかりました(アメリカの2年制だと2,000万円)。
* 「そんなにかける価値があるものなのか?」という議論がありますが、ここでは学費の調達法の話なので議論しないこととします。
* 今は学費の値上がりとユーロ高でもっとかかります。
その調達法は、というと全く正反対です。
- Comments: 1
- TrackBacks: 0
MBAはビジネスの共通言語
最近、2人の著名ビジネス本著者がMBAについて同じ趣旨のことを言っているのを読みました。
1人目はもはや時の人となった勝間和代さん。 『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』の中で次のような趣旨のことをおっしゃっています。
ビジネス思考力をつけるには最低限の知識をつけたうえで、新しいフレームワークを頭の中で積み上げること。
最低限のフレームワークを手っ取り早く手に入れる方法として、欧米のビジネスの現場で重宝されてきたのがMBA。
MBAは知識を得るところというよりは、思考法を訓練するところ。
コンサルティング会社にはMBAを持っていない人のための研修があり研修日程はわずか3週間。 思考法の訓練はOJTで行うので知識だけであれば3週間で十分。
逆に言うと、必ずしもMBAに通わなくても、OJTのなかで、ビジネス思考力の習得は可能'
もう1人は『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』
ブログ My Life Between Silicon Valley and Japanのウェブブック 「生きるための水が湧くような思考」、「精緻なMBAカリキュラム」"自家製"の勧めの中で、
今は、知の言語化がおそろしいスピードで進み、書籍ばかりでなくネット上にさまざまな叡智が無償で溢れかえり(しかも検索でき)、専門家の存在も発見でき、勉強の成果をブログなどで自由に発表できる時代
なので自家製のMBAカリキュラムを作れる、
と提案されています。
- Comments: 0
- TrackBacks: 0
"ハーバード流"夫婦円満の術
1年半ほど前、仕事で企業買収交渉を行っていました。
お相手は以前に興した会社をシンガポール、マレーシア、香港の3市場に上場させた経験を持つ百戦錬磨の華僑ビジネスマン(年齢的には私の父より上)、対する私は買収交渉は初めて、スケジュールの都合により一人で交渉の席につくことになりました。
そんな思い出しただけでも胃が痛くなるような交渉日の前日、何度も何度も読み返したのが『ハーバード流交渉術』(原作は『Getting to Yes』
というMBAの"Negotiation Analysisのクラスの教科書でもあった名著中の名著です)。
買収交渉そのものはこの本のおかげもあってかうまくいき、手帳に抜き書きした本のエッセンスを今でもたまに読み返します。 このハーバード流交渉術、ビジネス上に留まらない人間関係の極意について多くの示唆が得られます。
結婚してから夫婦ぐるみでの付き合いが増え、夫婦関係の悩みについて相談されることも多くなりました。 夫婦は「究極の人間関係」。 喧嘩のほとんどはコミュニケーション不足、コミュニケーションのまずさによるところが多く、このハーバード流交渉術を知っていたら大分改善されるんじゃないの?というケースが多いので、少しご紹介します。
-
on
- July 24, 2008 9:14 PM
- 4. 教養・知識 | 5. 趣味・プライベート | MBA・教育 | 家庭・育児
- Comments: 1
- TrackBacks: 0
世界一国際色豊かなMBA
ご質問があったので、私が2003-2004年に留学したフランスのINSEADというビジネススクールについてご紹介します。
私は受験校の検討に当たって以下の理由によりヨーロッパのビジネススクールしか検討しませんでした。
1. 学生時代からヨーロッパに憧れを抱いてよく旅行していたこと
2. 当時、仕事(某大手総合電機メーカーの海外市場開拓)でトロントに住みながら北米市場をカバーしていたのですが、仕事で会うアメリカ人の横柄さに辟易していたこと(アメリカ人の名誉のために。この偏見はINSEADで出会った素晴らしいアメリカ人の友人によって後日翻されることになります)
3. アメリカ至上主義ではない世界がやってくると思ったため、ヨーロッパのビジネススクールの方がより国際色豊かであったため
特に上記3.はINSEADが最も誇りとする特徴です。
INSEADはフランス(パリ郊外)とシンガポールにキャンパスを持ち授業はすべて英語で行われます。特定の国出身の学生の比率が15%を超えないように制限が設けられており、これが学生の多様性を生み出しています。
私がいた頃は、イギリス人、フランス人、アメリカ人の順で多かったのですが(それぞれ10-15%)、今はインド人(海外在住インド人含む)が一番多いようです(国別ではなく地域別ですが現在のINSEAD学生の出身地域構成は次のようになっています)。
-
on
- July 10, 2008 8:13 PM
- 4. 教養・知識 | 7. 心・精神 | MBA・教育 | 人脈・ネットワーキング
- Comments: 1
- TrackBacks: 0
MBAの同窓会
毎年5月末にフランスのFontainebleauというパリ郊外の町でINSEAD(フランスのビジネススクール)の卒業5年目、10年目の同窓会が開かれます。
先月末には、私の1期上の人たちが5年目の同窓会に出席していました。
これはどういう意味か?というと、来年はいよいよ私たちの番(5年目の同窓会)だ、という意味です。
偶然ですが、『ハーバードからの贈り物』という本にHarvard Business Schoolの同窓会にまつわるエピソードがありました。 この本は(HBSの伝統である)学期最後の授業で教授が生徒に送るメッセージを集めたものです。
長くなるので、下の"続きを読む"をクリックして引用をご覧ください。
これに似たことはMBA同窓会に限らず、至るところで行われていると思います。
久しぶりに会う入社同期の出世度合いを計るとき、大学の同窓会で近況報告し合うとき・・・
「他人がうらやましがるキャリア」ではなく、「自分が生きたいキャリア」が大事、と何度も心に誓うのですが、度重なる他人の目、無言・無形のプレッシャー、プライド、に流されそうになるのです。
この本を読んで以来、来年の5年目の同窓会、出席しようかどうか今から悩んでいます。
- Comments: 5
- TrackBacks: 0
- Search
- Links
-
- Feeds
- Tag Cloud
-
- Expat
- INSEAD
- MBA
- mixi
- MONOCLE
- Quality of Life
- SNS
- TED
- The Economist
- Toastmasters
- YouTube
- アイデンティティー
- アジア
- アメリカ
- アメリカ大統領選
- イギリス
- イギリス人
- イタリア
- イノベーションのジレンマ
- インド
- オバマ
- オフ会
- オーガニック
- オーストラリア
- キャリア
- クラウド
- クリスマス
- グルメ
- グローバル
- コミュニケーション
- コンサルタント
- サウジアラビア
- シリコンバレー
- シンガポール
- スピーチ
- テクノロジー
- ネットワーキング
- ハーバード
- バカンス
- フラット化する世界
- フランス
- フリーランス
- ブラック・スワン
- ブログ
- ブログ消滅
- ベンチャー
- ボルネオ
- マイケル・ムーア
- ママ友
- マラソン
- メディア
- ユーモア
- ヨーロッパ
- ランキング
- レバレッジ
- ロンドン
- ワークライフバランス
- 世界級
- 中国
- 中国人
- 中国語
- 人種
- 健康
- 写真
- 出張
- 出産
- 勝間和代
- 医療
- 友人
- 国際競争力
- 地方問題
- 地球環境問題
- 多文化
- 大前研一
- 夫婦
- 妊娠
- 学歴
- 学習法
- 家庭
- 家族
- 少子化
- 岩瀬大輔
- 政治
- 教育
- 料理
- 旅
- 日本
- 日本人
- 日本企業
- 日本語
- 日本語が亡びるとき
- 映画
- 本
- 本田直之
- 梅田望夫
- 民族
- 永住権
- 海外就職
- 海外投資
- 海外移住
- 渡辺千賀
- 留学
- 異文化
- 社会保障
- 福祉
- 移民
- 税金
- 結婚
- 統計
- 育児
- 英語
- 華僑
- 資産運用
- 起業家
- 金融危機
- 雇用
- 駐在
- Ads
-
