久しぶりに育児本以外の本を読みました(笑)、『EXIT 売却』。 著者から献本御礼。
「勝間和代渾身のMBA小説」という帯がついているそうですが、頂いたのは勝間さんではありません、著者の奈部真さん。 最近、量産されているいわゆるカツマー本ではなく、企業再生やM&Aディールの現場が丁寧に描写されたビジネス系エンタメ本として楽しめるので、先入観を除いてどうぞ〜
面白かったポイントは・・・
1. 弱冠29歳の主人公 小柳亜希子は世界的PE(プライベート・エクイティ)ファンドにヘッドハントされ、そのファンド下で経営再建中のPHS事業者に経営企画部長として成長戦略を率いることを命題に送り込まれるのですが、さまざまな事業ハンディを背負ったPHS事業で取りうる戦略をすべて吟味し、絞り込み、実行に落とし込んでいくプロセスを鮮やかに描いた第2章がとにかく面白い。
数年前にWillcomが通信業界の禁じ手、通話定額プランを始め、英Vodafoneから買収したソフトバンクがホワイトプランでWillcomの音声通話ユーザーを狙い撃ちにしたバトルを覚えている人には、舞台裏を目の前で明かされているようでグイグイ引き込まれます。 著者の奈部真さんがさすが元マッキンゼー、その後もIT企業の事業戦略にいた方なので、ビジネス小説の中でもかなりのリアリティを持って読めます。
2. 著者の小柳亜希子のプロフィール設定のつくりこみが楽しい。 フランスのINSEADでMBA(←ははは、私と同じ)取得後、戦略コンサルのMCS(もちろんモデルはマッキンゼー)、データベース会社のSAT(モデルはSAPだろうなー)を経て、PEファンドにヘッドハントされ、PHS事業者の経営企画部長に就任。 29歳にして年収2,000万円、恵比寿に住んでいて車はBMW、離婚経験あり、とてんこ盛りなプロフィール。 「こんな人いるのか?」って感じですが、独身女性で年収2,000万円とまではいかなくても1,500万円くらいならいるところにはいるんですよねー。
ワインに対するこだわりや出産した親友に対する微妙な心理などキャラクターのつくりこみが笑えます。 本来の狙いとしては、憧れを掻き立てるように設定されているのかもしれませんが・・・
3. 後半に著者が急遽シンガポールに飛ぶ場面(何をしに行くかは本著をどうぞ)、シンガポールの背景描写が懐かしかったです。 このあたりは私のブログも参考にされたとかされなかったとか?(笑)
「シンガポール」で検索して私のブログへたどり着く人も多く、(少し前まではNIESの一角のマイナーな東南アジア国だったのに)最近特に日本でもシンガポール政府の国家戦略が注目され、プレゼンスがあがってきているようなのですが、どうなんでしょう?
その他、コンサルやPEの業界用語も頻繁に登場するので、業界の様子を垣間見たい人も楽しめるかもしれません。
夏の旅行のお伴にぜひどうぞ!
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- July 25, 2010 9:40 AM
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