ロンドンでの大きな楽しみがINSEAD友達とのキャッチアップ。 特に女友達はほとんどロンドンに集中しているので、積もり積もった話に花を咲かせるのが本当に楽しみ(昨日はそのうち1人目とランチしてきました)。
INSEADを卒業して5年半、20代後半だった私たちも30代前半~中盤に差し掛かり、結婚・出産と経る中でさまざまな選択をしなければならない難しい年代に差し掛かってきました。
新年号のThe Economistは"Women in the workforce"と題してとってもタイムリーな記事だったのでご紹介(The Economist : Female power)。
シカゴ大学ビジネススクールでは、MBAの10年後、子供がいる女性の卒業生のうち今も働いているのは半分だそう。 INSEADも状況は似ていて、11年前に卒業した友達に聞くと女性卒業生の半分は専業主婦だそうです(私は5年前卒業なので、まだ専業主婦は数えるほどしかいませんが、そろそろ出てきそうな雰囲気)。
記事では、思いっきりうなづける理由が説明されていました(拙訳)。
ひとつ明らかな問題は女性の大きくなる野心が満たされていないことだ。 彼女たちは出世の階段を昇るよう奨励されているにも関わらず、ミドル層は男性に占領され、トップ層は手が届かないものであることを思い知らされる。 フォーチュン500企業のトップのうち女性は2%だけ、FTSE100指数の企業のうち女性トップなのは5社だけ、アメリカで取締役に占める女性の割合は13%である。 戦略コンサルや銀行のトップ層は男性で占められており、アメリカとイギリスではフルタイム女性の平均年収はフルタイム男性の80%である。
その背景に偏見があることは間違いない。 ただ、女性のフラストレーションの根本にはもっと根深いものがある。 多くの女性が子育てとキャリアどちらかの選択を余儀なくされる。 アメリカの企業社会で子供のいない女性はほぼ男性と同程度に稼ぐ。 しかしパートナーのいるワーキングマザーの稼ぎはそれより少なく、シングルマザーの稼ぎは大幅に少ない。 子育てによる犠牲は出世コースに乗った女性にとりわけ大きくのしかかる。 伝統的に「女性らしい」仕事(例えば、教師)は、経験に伴った給料の伸びが緩やかであること、労働時間が比較的短いこと、から子育てと相性がいい。 しかし、成功している企業は給料の伸びが急であり、長時間労働を余儀なくされる。 将来のリーダー候補には異なったポジションで数カ国での勤務経験を積むことが期待される。 プロフェッショナルサービスファームはup-or-out(昇進か退社かの二択)の社内システムにより、もっとも献身的な社員を高待遇のパートナーシップ制で報いる。 つまり、男女の収入ギャップの理由は偏見の真逆、女性が男性と全く同じ基準で判定されているからである。この「女性が働けなくなる理由は"偏見"ではなく、その逆で"男性と全く同じ献身を求められるから"」にはまさに同感。
なお、上記の引用箇所の補足をすると、アメリカ・イギリス・北欧諸国といった女性の社会進出が進んでいる国の話です(右グラフは男性と女性の就業率の差)。 日本やイタリアといった女性の社会進出が遅れている国は、まだまだ偏見があることは言わずもがな。
話は戻って、MBAを取得した女性の半分が10年後は専業主婦になっている現状の大きな理由は、「夫の国境を越えた転勤(転職)」でしょう。 最近の企業は社内異動・外部からの採用に関わらず、必要な人材は世界中から求める傾向にあり、個人も魅力的なポジションを国に関わらず求めることが普通になっています。
その場合、どうしても(出産・子育てでギャップが不可避な)女性が男性についていくために仕事を辞めるケースが多くなります。 新天地が(今までと同じように)女性が仕事につきやすい国であれば働けるのですが、世界にはそうでない国も多く・・・
また、企業が世界中から探し出すような魅力的なポジションに就こう(& 昇進しよう)とすると、頻繁な海外出張・長時間労働が必要となることが多く、子供がいる場合どうしてもどちらか一方(もちろんほとんどの場合女性)が家事・育児に時間を割かざるをえなくなります。
夫がジュニアからミドル・シニアポジションへと順調に出世コースを昇ると共に、以前は同じような職についていた妻の方の悩みは深くなっていくのでした。
< 追記 1/27>
The Economistの記事の日本語訳がJB Pressに載っていました。
JB Press : 女性と仕事:大いなる前進
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on
- January 15, 2010 6:42 PM
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