前にちょこっと書いてますが(こちらとこちら)、私、マイケル・ムーア監督は結構好きです。
「隣のおじさん」的な出で立ち(*1)でアメリカ社会の本質を鋭く突いていてアメリカへの愛を感じるし、トピックへのアプローチの仕方が上手くてタイムリーで編集もユーモアが利いている。 多少論理の飛躍とメッセージの偏りが激しいけど、それはアナリスト的な見方で、良質のドキュメンタリー x プロパガンダ x エンターメント映画と見ればかなり楽しめます。
*1・・・私はあの肥満体と服装に気にかけないのも、一般アメリカ人に親近感を抱かせる演出かと前から思っているんだけど、勘ぐりすぎだろうか?
私は去年の9月、リーマンとAIG崩壊のニュースをおろおろと見ながら(→『米金融、未曾有の危機』)、「マイケル・ムーアの絶好の題材がキタ!」と思ったので、ちょうど1年後に"Capitalism : A Love Story"(邦題:『キャピタリズム - マネーは踊る』)としてビシリ!とまとめあげて公開した彼を尊敬します(日本では来年1月に全国公開)。 情勢が流動的なのでストーリー・ラインを考えながら(とはいえ、時系列なのでストーリーはそれほどない)、題材を集め編集していく作業は相当のプロジェクト・マネジメント力を要求されることは想像に難くなく(→と酒井譲さんも同じ感想)、ああ、ドキュメンタリー映画の監督って大変だけど楽しそう♪
さて、映画そのものは一方的に資本主義を批判していて、相当偏っている感は否めません。 が、「アメリカの人口の1%が95%の富を握っている」のはれっきとした事実。
サブプライム・ローンで返済できなくなり自宅を差し押さえられ強制退去させられる住民、大企業が従業員に生命保険をかけ死亡の際にその受取人となる(従業員家族には一銭も入らない)保険がある現実("Dead Peasant Insurance"と呼ばれる)、強制解雇された工場労働者による生まれて初めての座り込みストライキ、薄給のためフードスタンプに頼るほど生活苦に陥る民間航空のパイロット・・・
あまりの実態に衝撃を受け、あきれ、後世に残すべき映像も多く、息をつかせずに楽しめる2時間半でした。
昨年来、行き過ぎた資本主義の見直しが叫ばれていますが、その割にはバンカーに対する高報酬などは復活しています。 「100年に1度の危機」が是正できないとすれば、いったい何ができるのか?と思う今日この頃。
こちら、映画の予告編(日本語版が見つからなかったので英語版)。 日本の皆さんはまだ先ですが、ぜひ観て感想教えてください!
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- November 11, 2009 9:43 AM
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