ボルネオに行く直前、嬉しいサプライズがありました。
前世界銀行副総裁の西水美恵子さんのことを書いた『教育における重要な変化』に、ご本人からお礼のメールが届いたのです。
雲の上のようなキャリアの方でも、名前をアラートにかけて、パーソナライズなメールまで出されるのですねー、としばし感動。
で、本当に考えさせることが多い西水さんの過去の寄稿アーカイブを引き続き読んでいるのですが、その中で涙が出てしまったものを紹介。
『おねしょの教え』というタイトル、一部抜粋。
優秀な部下の成績が下がり、目に見えて元気がなくなっていくのに気付いた。
理由を聞くと、小学生の息子。 「成績が下がり、海外出張で留守する度に寝小便。 心配で仕事が手につかない」と嘆く。 仕事と家庭が両立せず、いっそ世銀を辞めようかと迷っていた。 母性本能か勘か、何がそう言わせたのかは知らないが、ふと思いついて「出張に連れていってみたら」と勧めた。 やる気があるなら旅費も出すと約束した。
忘れかけた頃、その小学生から出張報告書が届いた。 「お母さんが飛行機で飛び立った後のことが分って嬉しい。 お母さんはインドの貧しい人たちを助けている。 僕みたいな子が学校へ行けるように立派な仕事をしている。 お母さんを誇りに思う。 僕もお母さんのようになりたいから、一生懸命勉強します。」 幼い文字を辿りながら、溢れる涙が止まらなかった。 もちろん、おねしょはぴたりと止まり、成績は親子揃ってうなぎ登り。 部下に明るい笑顔が戻った。この「家庭の幸せと職場の幸せは分れない」という思考は欧米企業の方がより強く浸透していると思います、なぜなら家庭の幸せをおろそかにする企業は人が辞めてしまうから。
(中略)
以来、人事の全てに職員のみを対象とする思考を捨てた。 家庭を対象に入れ、人間としての幸せを考えるようになった。 職場でも家庭でも同じ人間。 どちらが不幸せならもう一方に響く。 働き甲斐と生き甲斐が繋がって初めて、人間の「生産性」が大きく変わる。
私が以前いた総合商社という業種は非常に出張・転勤(単身赴任含む)が多く、結果として家庭の危機を招く社員が多いところでした。 夫が現在働く戦略コンサルという業界も出張が多いところです。 以下、両者での海外出張・海外転勤の条件を比較しました。
(注:この両者が日本とイギリスの会社の条件を代表しているとは思いませんが、私が詳しい条件がわかるのがこの両者なので、便宜上、「日・英」とします。)
1. 海外出張への家族帯同
日:出張への帯同は禁止。
英:家族を出張へ連れていってもよい(ただし家族の交通費は自己負担。 ホテル代は一緒の部屋に泊まれば浮く)。
2. 海外転勤
日:海外転勤を含む人事異動は基本的に「業務命令」であり逆らえない。 実際に山崎豊子の『沈まぬ太陽』の主人公 恩地元さながらの人事を間近に見たことがある。
英:海外転勤は希望制(希望者がいない場合はインセンティブが出る)。 家族手当など手厚い手当はなくなる傾向にある(→『グローバル標準Expatモデル』)。
3. 週末やバカンスと出張が重なった場合
日:さすがに長期バカンスを直前キャンセルしたことはなかった気がするが(毎回死守)、出張のための休日の予定キャンセルは日常茶飯事。 やりすぎると友達をなくす(時には家族も)。
英:長期バカンスは何をおいても尊重される。 例えば、1月にインドに行ったとき、どうしても1日早く帰ってこなければならなかったが、帰りの飛行機はビジネスクラス2人分が会社負担であった(経由便エコノミーの予定が直行便ビジネスクラスになったので、むしろラッキーだった)。 先週のボルネオ旅行では出発日(出発は夜)にジャカルタ日帰り出張が入りそうになり、ジャカルタからボルネオに直行(費用は会社負担)などオプションを検討したが、スケジュールの合うフライトが見つからず、ジャカルタ出張は同僚に代行してもらった。
その他、例をあげると限りがありませんが、とにかくFamily reasonは最優先されます。
今週このビデオ(↓)を見て、「ああ、この社長、当たり前のことを言ってるだけなのになあ」と思ったところだったので、なおさら『おねしょの教え』が響きました。
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- September 4, 2009 8:27 PM
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