週末は上海からアメリカ人友人Aが我が家に泊まりにきていました。
金曜日に家に到着するなり、うちのテーブルに置いてあったThe Economistに食いつき離れないA。 土日も友人たちと食事し談笑する時間以外は、本屋に入り浸るか、うちで古いThe Economistを延々読み続けるA。 よっぽど欧米活字メディアに飢えていたようです。
3週間くらい前から中国でFacebookがブロックされているなあ、というのは気づいていましたが、Twitter、YouTube、Flickr、etc. 私たちの生活の一部となっているほとんどのウェブサービスは以前からブロックされているとのこと。
Guardian : China blocks Twitter, Flickr and Hotmail ahead of Tiananmen anniversary
TechCrunch : ウルムチの暴動の後、中国政府はTwitter、Facebookをブロック中
イラン選挙後の争乱で次々に現地の様子がTwitterやYouTubeに投稿され一瞬にして世界に伝わったことに比べ、ウルムチ暴動の際は現地の生の声というのはほとんど伝わってこなかったことからもメディア規制の効果がわかります。
中国では、Aいわく、International Herald Tribuneなど欧米メディアのウェブ版は中国に関連しないニュースは自由に読めるものの、中国関連(特にウルムチ暴動など)のニュースはトップページのヘッドラインは読めるのにクリックできないようになっているそうです(クリックできないので記事が読めない)。 キーワードでブロックをかけているのでしょうか?
中国での欧米活字メディアはというと、定期購読しようとしても家に届くことはない、ただしそれはおそらく検閲で没収されているのではなく途中で盗まれてしまうためだと思う(路上で売るために)、とのことで購読をあきらめているのだそうです。
一方、中国語の国内メディアは当然のこと厳しい規制と統制下に置かれており、国民意識に多大な影響を及ぼします。
私が政府によるメディア規制が国民の意識形成に与える影響をまじめに考えるようになったのはシンガポールに来てから。 というのもシンガポールも非常に言論統制が厳しい国家だからです。
米国の人権組織「フリーダムハウス」が毎年「世界各国の報道の自由度調査報告」を発表していますが、その2008年度版では、シンガポールはイラクやガボンと並んで153位(195ヵ国中)。
Freedom of the Press 2008 - Table of Global Press Freedom Rankings
1人あたりGDPがアジア一なのに、報道の自由度がイラクと並んでいる国っていったい・・・
中国はもちろんもっと厳しく、ソマリア・ルワンダ・パレスチナと並んで181位。
日本はオーストラリア・オーストリアなどと並び35位。 ランキング上位はフィンランドなど北欧諸国が名を連ね、最下位の195位は北朝鮮です。
シンガポールでは、新規活字メディアの発行許可を得るのは非常に困難で(私の友人はトライして断念している)、既存メディアは監視下に置かれています。 こういう国で生まれ育ったシンガポール人と話していると、やはり規制されたメディアが市民に与えている影響をそこはかとなく感じることがあります。
ブログなどオンラインメディアにも目を光らせており、政府に批判的なブロガーが逮捕された、ブログ閉鎖させられた、などの話はよく聞くので、私もブログには書きませんが(「麻生辞めろ」とかブログに書ける日本のような国ばかりではないのです・・・)。
食べるものが人の体をつくるように、情報が人の思考をつくるということをまざまざと見せつけるメディア規制。 入れる情報はくれぐれも慎重に選ぼうと思うのでした(ちょっと古いですが『私の情報ソース』もどうぞ)。
