『ブラック・スワンとレバノン』で書いたとおり、『ブラック・スワン』を読み終わったので感想です。 久しぶりにビシビシと読み応えのある本でした。
ブラック・スワンとは以下のような特徴を持つ事象のこと。
一つは予測できないこと。
二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。
そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすること。
例として、1987年のブラック・マンデー、1998年のロシア金融危機を緒とした米LTCMの破綻、2001年の9・11、そして2007年から始まったサブプライム問題を契機とした世界金融危機など(本書はサブプライム問題顕在化の数ヶ月前に発売されている)。
ブラック・スワンが起こる世界を説明する比喩が秀逸。
月並みの世界・・・ベル型カーブに従って分布し、特定の事象が単独で全体の大きな部分を占めることはない。 アウトライヤーは無視できるほどインパクトの小さいもの。
例:身長、体重、カロリー摂取。 100人の中にひとりだけすごく太った人がいても平均体重などの統計には微々たる影響。
果ての世界・・・データ1つが全体に圧倒的な影響を及ぼす。
例:財産、本の売上、社会的事件、都市の人口。 100人の中にビル・ゲイツのような大金持ちがいれば、あとの99人はいてもいなくても統計的には同じ。
そして、世界に衝撃を与え、予測不可能なリスクを与えるブラック・スワンは「果ての国」で起きる。
私が真剣に捉えたのは、グローバリゼーションが進み世界が相互依存する現代、ブラック・スワンが今までより高頻度で起こるようになり、かつ悪いブラック・スワンが起きた際のインパクトがより甚大になっているという点(でもブラック・スワンは9・11や今回の金融危機のように「予測できない」ことが特徴なのであるから予測しようとしても意味がないのだが)。
たしかに「100年に1度の危機」なんて言うけれど、誰がじゃあ次の100年間起きないって保証できるのか?とはずっと思ってました。
「果ての国」化しつつあるこれからを生きるために、私も人生見直してみました。
1. 家計の資産形成
私は2005年初頭から株式投資をしていますが、結婚を機に資産設計戦略を見直し(持ち株も売却し)、現在は以下のようなアセットアロケーションにしています(→『世界全体の成長を信じる』、さすがに現金比率はもうちょっと多いかも)。
参考図書:『ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理』
現金:5%
債券:10%
株式:65%
不動産:20%
去年9月2日のこのエントリーで、
これから1年かけて4回に分けて投資実行すれば底は拾えるでしょう
と何気なく書いたらそのわずか12日後のリーマン・ブラザーズ破産法申請を機にブラック・スワンが世界中を席巻。 この間コツコツと計画通り投資実行していたので、本当に底が拾えてしまったようです(って、この1年で拾えたのよねー? いまだに一抹の不安)。
ところが、、、『ブラック・スワン』によると、このアセットアロケーションでは悪いブラック・スワンにさらされまくりではないか・・・(ブラック・スワンが訪れたとしても、レバレッジかけてなくてローンもないので資産が吹っ飛ぶだけですが)。
ナシームのお勧めは、
ポートフォリオの大部分はアメリカ短期国債のような超安全な資産に投資しつつ、残りの10-15%をあらん限りのレバレッジを効かせたハイリスクな資産に投資するという「バーベル」戦略
を取ることにより、悪いブラック・スワンによる破綻のリスクを避けながら、良いブラック・スワンを引いたときには大きく資産を増やすことができる、そうです。
実際、彼がアドバイスするファンドはリーマン破綻の前にアメリカ株を空売りして100%の利益を上げたらしいです(→池田信夫 blog:『ハイパーインフレはブラック・スワンか』)。
今までの経験から来る常識からかけ離れた思考が必要なので、どうしたらいいんだか、って感じですけどね(まあ、「資産運用とか言ってずに、ブラック・スワンがまた起きたら起きたで働け」ってことかもしれない)。
資産形成の話だけで長くなってしまったので、「果ての国」での生き方の続きは明日。
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on
- July 10, 2009 12:10 PM
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