昨日の話、「フランスって国はルール作りが上手だなー」の続きです。
この理由は私はフランスは基本的にエンジニアが作っている国だからだと思います。
より正確に言うと理工系の教育を受けたエリートが作っている国。
フランスは超学歴社会で、グランゼコールと呼ばれるエリート養成機関出身者がフランス社会上層部を占めます。
Wikipedia : グランゼコール
なかでも理工系のグランゼコールのうちPolytechniqueと呼ばれる有名校出身者が出世し、ゴーンさんもPolytechnique出身。
フランスの上位200社の大企業では、社長の50%はENA(国立行政大学校)とPolytechnique(国立理工科大学校)の出身者である(日仏経済情報:『台頭する新たな産業エリート群像』より)。
なんだそうです。
話はちょっとズレますが、どういうバックグラウンドを持つ人が社会を作っているか、という点からいろいろな国を見ると興味深く、ちょっと前のThe Economistに国のトップ(大統領、首相、総主席etc.)のバックグラウンドは国によって大きく異なる、という記事がありました。
The Economist : There was a lawyer, an engineer and a politician...
右のグラフにフランスは載っていませんが、フランスはENA(国立行政大学校)というエリート養成機関出身者が大統領・首相になるケースが多くサルコジは例外。
アメリカは法曹界出身者が非常に多いのは何でだろう?(オバマも弁護士出身)とか、いろいろ考えさせられて面白いのでぜひ原文でどうぞ。
話は戻って、フランスはこのようなエンジニアの教育を受けたエリートたちが、しゃかしゃかシステムを作っている国なのでルール作りが上手なんだと思います。 メートル法作ったのもフランスだし(今でもマイル表示なのってアメリカとイギリスくらい?)。
そして、私は長らくテクノロジーのビジネスサイドにいるので、フランス人エンジニアってのは世界中どこでもいるイメージ。
シンガポールでもいっぱい出会います、フランス人エンジニア。 イギリス人エンジニアとかはあまり出会わないので、やっぱりフランスってエンジニアが多いんでしょう(詳しいデータはありませんが)。
金融工学に進んだ人も多いらしく、ロンドンのシティは金融危機前はフランス人の金融工学出身者で溢れ返っていたという噂。
また、フランスはルールを作るだけでなく、国際標準にするのが上手。
これを上手というかゴリ押しというかは人によるが、とにかくその余りある話力・饒舌な舌を駆使して、あれよあれよと自国の代表メーカーの技術を国際標準に押し上げる手腕はあっぱれです。
私は野村総研が「日本のガラパゴス化現象の例」としてあげた4つの分野のうち(下記リンク参照)、2つも海外進出を現場でやったことがあるのですが(4つのうち2つ経験した人はなかなかいないと思う)、日本のメーカーだってみすみす海外勢の攻勢を指をくわえて見ていたわけではないのです。
未来ナビ:「ガラパゴス化」する日本
ただ、それぞれの技術の世界に国際標準化の団体があるのですが、ここでのロビイング活動が極めて政治的で欧米勢にはかなわない、日本人の常套句「よい技術であれば売れる」は全く通用しない世界なのです。
i-mode生みの親の夏野さんも以下のようにおっしゃってますが、ドコモで苦労されてたので本当に実感なんでしょう。
標準化のプロセスでは、必ずしも優れている技術が標準になるとは限らない。(中略)
民主主義的なプロセスで決めていくので、そのプロセスはきわめて政治的になる。海外メーカーは大きな予算と人員を割いて標準化のプロセスに積極的に関わっている。(中略)
標準化会議中は、議長も投票で選ばれるし、毎晩のようにパーティーや個別会合が開かれ、さながらワシントンの外交ロビイング活動のようである。
こういう活動も日本のビジネスマンは苦手である。
(夏野剛のネオ・ジャパネスク論:『日本の携帯電話メーカーは本当に世界で通用しないか』)
そして、こういう世界では嬉々として力を発揮するのがフランス人なのでした。
・・・というな内容を、私がフランスへ出発する直前に「会いませんか?」と連絡をくれたパリ郊外在住のブログ『フランスの日々』のSophieさんとパリで話しました。 理工系の研究員兼Ph.DのSophieさん、私が大学生の頃はそんなキャリアがフランスにあるなんて考えもしなかったな(そもそも理系じゃなかったけど)。
穴場かもしれませんね、日本人少なくて。
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on
- June 3, 2009 3:21 PM
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