先週のThe Economistにアメリカの靴とアパレルのe-コマース会社Zappos.comの記事が載っていました。
The Economist : Keeper of the flame
CEOいわく「たまたま靴を売っているサービス会社」ということで類いまれなカスタマーサービスが評判なんだそう。 このサービスを支えるスタッフの指針となっているのが、Zapposの企業文化。 "Culture Book"という本を従業員全員が読みこなしていて、"deliver WOW through service(サービスを通じてWOWを伝えよう)"とか"create fun and a little weirdness(楽しさとちょっと変を作り出そう)"とか書いてあるんだそう。
採用面接も「一番好きなスーパーヒーローは誰? そしてなぜ?」とか「1から10の間で自分のラッキーさは何点?」とか、まあユニーク。
ちょっとMBAの授業で読んだ"cult-like culture(カルトのような文化)"というケースを思い出しました。 ある意味カルトと言えるほど強い企業文化で企業と従業員とを束ねている会社を扱ったもので、ディズニーが例として挙げられていました(日本だとユニクロやリクルートが強い企業文化を持つとして知られていますかね?)。
そして、強い文化を持つのは企業だけではありません、学校もしかり。
世界中いろいろあるのでしょうが、私の行ったINSEAD(MBAプログラム)は在校生・卒業生の愛校精神が(他の人から見るとおそらく)気味悪いくらいに強く、うちは夫婦ともに卒業生なので、相当ウザイと思われていると思います。
(ここから少々、宣伝入ります)
まず、受験者の50%がINSEAD一校しか受験しません(他校と併願しない)。 他の学校は知りませんがこの数字はおそらく突出して高い。
そして、(これは私の志望理由でもあったのだが)「どの卒業生も異口同音に"INSEADが絶対いい、生まれ変わっても(?)INSEADに行く"と言ったから」という志望理由が非常に多いのも特徴的。 実際、私も受験前にいろいろな学校の卒業生に話を聞きましたが、INSEAD卒業生の熱意・愛校心は際立っていました。
なぜこのような強力なカルチャーが生まれるのか考えてみました。
1. プログラムが短く体力的・精神的にハードなので、大きな達成感がある
INSEADのMBAプログラムは実質10ヵ月と非常に短くワークロードは膨大。 やりたいことが多すぎて常に寝不足、落第もあり得るので必死。 在学中は門外秘出(あまりに経験が強烈なので外部に漏らしてはいけないことになっている)の伝統的なイベントが数々行われ、これがさらに学生同士の結束感を強めます。 やり終えた後の達成感は大きく卒業式には世界中から家族が集まります。
2. 国際色豊かで(現在70ヵ国以上)マジョリティーの国籍が存在しない
以前も書いたのですが、特定の国出身の学生の比率が15%を超えないようになっていて、私はこれが一番大きいと思っています。
アメリカのビジネススクールはアメリカ人がマジョリティー、インターナショナルと呼ばれる学生もアメリカ育ちが多い、マイノリティーのアジア人同士で固まることが多い、という話はよく聞きますが、INSEADにはマジョリティーがいません。 全員がマイノリティーなので議論が多数派に支配されるということがなく、私にはこれが非常に心地よかった。
聞くところによると、アメリカのトップビジネススクール(名前は伏せます)は卒業生から「アメリカ人以外の比率をあまり増やすな」とプレッシャーがかかるそうです。 そりゃあ、非アメリカ人が増えるわけありませんね。
INSEADでは逆に特定の国籍が増えると即卒業生からクレームがくることでしょう。
かくもマインドセットが違うのか・・・
加えて最近では、現在のDean(校長)が卒業生との絆を強めることに熱心であり、卒業生を対象に各種イベント(例えばコチラ)があったり、Deanと話す機会があったりします。 最近では卒業生で昨今の金融危機で解雇された人を対象にヘッドハンターを囲んだネットワーキング会も開催されていました。
最終的にはビジネススクールの評価は卒業生の評価なので、この戦略は非常に正しい。
「私にできることは何かな?」と言うことで、受験生のインタビュー(面接)のインタビュアーを引き受けることにしました。 シンガポールに限られますが、受験される方は会うかもしれませんねー
・・・というわけで、いまだにカルトのような文化を引きずっています。 来月は卒業5周年の同窓会!
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- April 28, 2009 8:48 AM
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