『グローバル富裕層争奪戦』に「シンガポールの人口4.6mil.人中、外国人は22%を占め、1mil.人。」と書きましたが、当然の結果として労働人口に占める外国人の比率も高いです(下、社会実情データ図録「諸外国の外国人労働者」より)。

諸外国と比較してもズバ抜けて高い。
そして日本では、「外国人労働者」というと「日本人がやりたがらない3Kの仕事に従事」というイメージですが、シンガポールでは(データはないものの)外国人のうちかなりの人数が高学歴・高度スキル人材です。
身近な職場でのチーム員の国籍はこんな様子。 一応、マネジメントから順に並べてみました。
- 夫が勤める英系戦略コンサル:インド人、イギリス人、オーストラリア人(夫)、スウェーデン人、中国人
- 私が最近一緒に仕事をした米系VC:オーストリア人(米国グリーンカード保持者)、イラン系アメリカ人、ロシア人
- 友人が勤める米系戦略コンサル:シンガポール人、ドイツ人、フランス人、インド系アメリカ人
上記すべて欧米系のプロフェッショナル・ファームですが、ここに出てきた人全員(20 - 40代)、駐在員ではありません。 現地就職ではなく母国・第三国などから社内異動で移ってきた人も多いのですが、駐在員手当というものはありません(会社によっては引っ越し代が支給されたりする程度)。 グローバル一律の給与体系なので「現地給与」というものもなく、「(シンガポールは母国より個人所得税が低いので)手取りは逆に多くなった」、と喜んでいる人も多い。
プロフェッショナル・ファームではなく事業会社ではさすがにもっとシンガポール人が多いのですが、ジュニア・ミドルレベルでは本国や第三国から社内異動してきた外国人に駐在員手当などないのは同じ、現地採用でも給料は同じです。 職歴20年以上くらいのシニアポジションにならないと駐在員手当は出ないんじゃないかなー? 最近は。
理由は簡単。 駐在員手当など出さなくてもチャンスがあるところには人が集まる、からです。
駐在員向け各種手当というのは昔、通信手段も交通手段もまだまだ発達していなかった時代に「右も左もわからない新任地(多くは発展途上国)に飛ばされ、1年に1回しか母国に帰れず、友人との連絡も途絶え、一家揃ってかわいそう」、な状況を少しでも緩和するために設けられたものですが、そんなかわいそうな任地はほとんどなくなってしまいました。 よって、香港やシンガポールはもちろんのこと、北京でも世界中から人が集まり出し駐在員手当は(ミドルポジションまでは)どんどんなくなっているのだそうです。
物の移動が容易になって製造業が国際分業し(→製造拠点の中国への移転)、通信の発達でサービス分野でも世界はフラット化し(→インドへアウトソース)、最後に人の移動で賃金もフラット化し、世界の中で自らにとっての最適地に人は流れていくのでしょうか?
翻って日本企業。
『最近、本気で憂えること』で書いたように、総合商社や都銀などでは現地採用と駐在員の待遇は天と地ほどの差があり、駐在員手当は以前よりは削減方向にあるもののいまだ住宅手当、家族の渡航費用、子供の学校費用補助、場合によっては社有車などフルに支給され「海外赴任は貯金のチャンス」と公言する人もいます。
この手当は「駐在員(ほとんどの場合、男性)の配偶者(奥さん)が働けなくなり家計収入が減るための生活補助」との意味合いもあると思うのですが、上記のように駐在員手当がなくても外国に働きに行く人たちはどうしているのか?
もちろん、配偶者も働くのです。
私の周りの外国人カップルも夫婦揃って企業勤めのケースもあれば、奥さんがエステティシャン、ドキュメンタリー映画プロデューサー、英語の先生、など手に職系で、シンガポールに引っ越してきても母国と同じ仕事を続けています。
日本企業の場合、現在のような二重人事体系を続けていても競争力がなくなる一方なのは以前書いたのですが、単純に駐在員手当だけを削減してしまうと、
赴任期間中はシングルインカムになる→手当が出ないのに家族がついていくと家計が苦しくなる→それを避けるため単身赴任が増える
という結果になるのかもしれないので、一筋縄ではいかなさそうです。
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on
- December 4, 2008 3:34 PM
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