国籍と人種と民族と・・・

すでにネタとしてブログなどで出尽くされている感がありますが、ノーベル賞の物理学受賞者について日本のメディアでは日本人3人と報道されているのに、外国メディアでは(ノーベル財団の発表でも)米国人1人、日本人2人とされていることが話題になっているそうです。

私にとって、米国籍を取得された南部さんは、
国籍(nationality)= アメリカ
人種(race)= 東アジア人(モンゴロイド系というのだろうか?)
民族(ethnicity)= 日本民族
使用言語(language)= 英語 + 日本語
と非常にクリアなんですが・・・

当のご本人も国籍法改正論まで飛び出す過剰反応にさぞかしビックリなことでしょう(頭脳流出問題が絡んでいるためですが)。

日本は大多数の国民の国籍、人種、民族、使用言語が単一である、という希有な国なので、ときどき(というか頻繁に)国籍と民族(or 人種)を混同した表現を見かけます。

私自身がもっとも言われて違和感がある(そのため自分ではほとんど使わない)表現が「国際結婚」。
国籍の違う人同士の結婚を指す言葉なので、本来の意味で使われる場合はいいのですが(例:国際結婚では、役所に届け出る書類の数が多い)、ほとんどの場合、文化の違いを指していたり(例:国際結婚は文化が違うから大変でしょう?)、言いたいことそのものが意味不明だったり(例:憧れの国際結婚)します(最後の例では、国籍の違いがなぜ憧れにつながるのか意味不明、笑)。

これは私の感覚的なもので統計などに基づいていませんが、世界では「国籍」よりも「民族」、次に「人種」間の違いの方が、結婚では重視されているような気がします(そのため、「国際結婚」を直訳したinternational marriageなる表現は聞いたことがない)。

インド人(この場合、国籍ではなく民族を指す)はどこの国にいてもインド人と結婚する傾向があることは『シンガポールでインド人について考える - 2』で書いたとおり。
私の友人(シンガポール人)で、お父さんがシンガポール人とタイ人のハーフ、奥さんがインドネシア人という人がいるのですが、よく聞いてみると、お父さんは中華系シンガポール人と中華系タイ人のハーフ、奥さんは中華系インドネシア人でした。 「さまざまな歴史の局面で東南アジア中に散った中華民族がシンガポールに一同集結」みたいな感じでそれぞれの家族が経験してきた大河ドラマを聞きたかったりする。

その上、これだけ物・人・情報が行き来する時代になると、世界を飛び回っている一部の層の生活様式・価値観は驚くほど似てきていて、これはこれで本来の民族などに根ざした文化よりもさらに強固な固有の文化・生活様式を形作ってきている気がします。
私と夫も「文化が違うから大変でしょう?」などと言われても、同じ物を食べ、同じ雑誌・本を読み、同じ学校を卒業し、友人まで共通なので、何が大変なのか思いつく方が大変。

このように、国籍、人種、民族、文化など白か黒か、○か×か、で割り切れないのが人であり、「南部さんは日本人か?」論争も、日本人がこの手の言葉の使い方にもう少し敏感になる契機になればいいな、と思っています。

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