シンガポールの少子化対策 - 政府の嘆きが聞こえる・・・

ガス料金の請求書に小冊子が同封されていました、タイトルは"MARRIAGE & PARENTHOOD PACKAGE"。 政府からのお知らせです。

日本の少子化問題も危機的状況ですが、シンガポールの出生率(女性1人あたりが一生に生む子供の数)は1.29人、中華系に限ると1.14人(2007年)。 人しか国力がないシンガポールにとって死活問題で、8月から施行された政府の緊急少子化対策を受けたもの。
AFPBB News:シンガポール、少子化対策予算を倍増
IPS:SINGAPORE:Population Decline - Enter the Matchmaker

同封されていた小冊子の中身はこんな情報でした(今回の施策では、それぞれ内容が拡充されています)。
*****************************************
■ GETTING MARRIED(結婚)
政府お墨付きのお見合いサービス。 さまざまなイベントやオンラインお見合いサービス(下の写真)など。
Social Development Service (SdS) LoveByte
LoveByte.jpg■ RAISING & CARING FOR CHILDREN(育児)
減税、働く母親の税控除額、出産ボーナス(現金で1 - 2人目はS$4,000、3 - 4人目はS$6,000)、保育所の増設、育児助成金

■ WORK-LIFE SUPPORT(仕事と子育て両立のサポート)
産休(有給)16週間(最初の8週間は雇用主が給与負担、次の8週間は政府が負担。 3人目からは政府が16週間分負担)
7歳以下の子どもがいる親は毎年6日間の育児休暇(有給)あり(最初の3日間は雇用主負担、次の3日間は政府負担)

■ HAVING CHILDREN(妊娠)
不妊治療を必要とするカップルは政府による治療費の補助あり
*****************************************
ちなみに、ほとんどの施策は「子どもがシンガポール人であること」が条件なので(産休除く)、私たちには適用されません・・・残念・・・

何ていうか・・・すごくないですか?この内容?
何がすごいって産休や育休、不妊治療に(雇用主に義務づけるだけでなく)政府が費用負担するところがすごい。

シンガポールは女性の社会進出が進んでいます。 「子ども産んだらやめるんでしょ?」的なセクハラ発言は誰もしないし、むしろ続けるのが当たり前。
親が近くに住んでいること(東京23区の広さしかないんだから、そりゃそうだ)、メイドが雇いやすいこと(近隣諸国から安価なメイド労働力を輸入している)、からシンガポールの家庭の育児は親とメイドに任せっきり。

その上、この手厚い補助ときているのに、子どもの数は増えない。

日本、南欧 → 女性の社会進出が遅れている → 働く女性の子育て支援環境が未成熟 → 少子化が深刻
アメリカ、北欧 → 女性の社会進出進んでいる → 働く女性の子育て支援環境整っている → 出生率高い
みたいなイメージがあるのですが、
シンガポールや香港のように、女性の社会進出が進んでいる → 働く女性の子育て支援環境整っている → なのに、少子化が深刻
っていうパターンもあるんですな。

いったいなぜなのか?
「女性は子どもを産み育てて一人前という伝統的な価値観が崩壊しているから」的な議論をする気はないのですが、経済的な理由だけじゃないですね、もはや。

日本の場合、「子どもが成人になる頃に明るい未来が描けない」というかなり悲観論もあるのですが、そういうわけでもないし。
・・・というわけで、実は私には解がありません。
周りにサンプル数(中華系シンガポール人の高学歴独身女性)が少ないのですが、さらに調査してみようと思います。

それにしても政府はこの施策を外国人の永住権保持者にも拡充してほしいもんだ。

Comments:5

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しん January 3, 2009 10:32 AM


発展途上国は出生率が高いと聞きます。理由として娯楽やエンターテイメント、
情報もないからすることが、それがメインになる傾向が多いと。

ジム・ロジャースの世界バイク紀行だったかな~、そこで、ロシアの例も出ていたかと思います。
子供は出来るけど、育てられないので中絶の問題、親のいない子供が出来る傾向にあると。
そういえば江戸の日本など子供多かったですね。
身近なところでもおばあちゃんの時代も子供多かったですね。

今の時代、やることいっぱいあって、そちら方面だけに集中することないのかも。
みんな、私生活を計画的に行っていこうがするけど、子作りや結婚など生き物(人)の営みの
強いところは、効率的、計算どおりにはいきにくいものなのかも。動物的要素が強いかと(笑)
人間も動物、生き物ですからね。 なんて思ったりしました。

la dolce vita Author Profile Page January 3, 2009 8:58 PM

(過去のコメントは以下)

snowbees September 27, 2008 5:18 AM
<ロシア:徹底した少子化対策>
http://veritas.nikkei.co.jp/features/03.aspx?id=MS3Z1000I%2010092008
石油成金のロシアも、泣き所は人口減少なので、子供二人目から年間の育児手当として、¥105万を支給すると。一方、「高齢者」民主主義の日本では、財源不足を理由に、お得意の問題先送りか?

la dolce vita September 27, 2008 3:05 PM
>snowbeesさん
ロシアも人口減少中ですね。 105万円という金額はたしかに英断ですが、金額の過多で勝負しようとするとお金欲しさの貧困層ばかり子どもを産むんじゃないか?という疑問(昔シンガポールでは大卒女性だけに奨励金を出すという優遇政策を取っていたのですが、さすがにこれはなくなったらしい。ただし上述のお見合いサービスは大卒男女しか参加資格がないようですが)。
日本もロシアもシンガポールも、「生みたい」と思えるような社会にする、という地道な努力しか結局解決策はないと思うのですが。

la dolce vita Author Profile Page January 3, 2009 9:14 PM

>しんさん
>みんな、私生活を計画的に行っていこうがするけど、子作りや結婚など生き物(人)の営みの強いところは、効率的、計算どおりにはいきにくいものなのかも。
逆に計画するようになったから、子供が少ないんだと思いますけどね。 「なぜ結婚するのか?」とか「なぜ子供を生まなければいけないのか?」とか考えるからなのかも、昔の人にとってはそんなこと当たり前で考えこむような対象ではなかったのに。

なみぃ December 7, 2009 2:22 PM

はじめまして。
私も同じく外国人の夫と一緒にシンガポールPRとしてこちらに暮らしております。

以前は同じようにPRにも子供に対する支援があったそうなのですが、国民からPRにも支援があることに対して不満が寄せられたため、PRに対する支援がのきなみ削られたそうです。

私もこれから子供を考えているので、これからシンガポールにずっといるのであれば、夫か私か、どちらかがシンガポール国籍を取得してしまったほうがいいのではないか と思いますが、国籍を捨てるのって、嫌なものです。

PRへの支援をなくして彼らをシンガポール国民に”加入”させることがシンガポール政府のねらいなのだと思います。


ところで産休は子供がシンガポール人でなくても16週間もらえるんですか?これも子供がシンガポール人でないと16週間ではなく、Employment Act に指定されている12週しかもらえないと思ったのですが。

la dolce vita Author Profile Page December 8, 2009 9:11 AM

>なみぃさん
はじめまして、コメントありがとうございます。

>以前は同じようにPRにも子供に対する支援があったそうなのですが、国民からPRにも支援があることに対して不満が寄せられたため、PRに対する支援がのきなみ削られたそうです。
国民にはNational Serviceなど義務も伴うので(PR第2世代もあるけど)、「PRは権利だけ享受して義務は果たさないのか」という言い分はわかります。 まあどこで差をつけるかなので、子育て支援は差をつける理由を正当化しやすいとこなのかな、と思いますが。

>ところで産休は子供がシンガポール人でなくても16週間もらえるんですか?
ブログ中に
>ちなみに、ほとんどの施策は「子どもがシンガポール人であること」が条件なので(産休除く)、私たちには適用されません・・・
って書いてますが・・・

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