すべては一杯のコーヒーから

今回のロンドン滞在でどうしても会いたかった友達がいます。
それはコーヒーショップで起業したオーストラリア人の友人N。

ビジネススクール同級生の彼は卒業後、ロンドンのサンドイッチ屋で飲食店経営を学ぶために半年間バイトしながら事業計画を練っていました。
以前にも書いたように(→『MBAの同窓会』)MBA卒業後というのは、投資銀行やコンサルなど高給プロフェッショナルのいわゆる「MBA職」につく人が多いので、皆と同じような職につきたい誘惑を退けながら起業の道へ進む(しかも修行のためサンドイッチ屋でバイト)ことは本当に勇気と固い意志がいることです。

彼に最後に会ったのは、まだコーヒーショップをオープンする前。
私のオーストラリア人の夫も「シンガポールで美味しいコーヒーを飲める店が少ない」と常々文句を言っていますが、同じくオーストラリア人のNも「ロンドン一美味しいグルメコーヒーを出す」使命に燃えていました(意外なことに、オーストラリアはカフェ文化が発達していて、シドニーやメルボルンの街のカフェではかなりの確率で美味しいカプチーノが飲めます)。

とはいえ、飲食店は初期投資が大きく廃業率が非常に高い業界。
彼のビジネスモデルはいきなり店舗を開くのではなく、既存ショップのスペースを借りてコーヒーのバリスタを派遣し、とびっきり美味しいコーヒーを提供するというもの。

Nがビジネスプラン・セールス・調達など担当、弟のAが技術習得・バリスタ養成など担当、妹のLがマーケティング・PRなど担当、と完全にファミリー起業です(彼らのお店→Taylor St.)。

今回会ったところ、ショップは3店舗に増えていて夏にはロンドンの中心地に初の自分たちのショップも出店するそうです。

タリーズ社長松田さんの著書『すべては一杯のコーヒーから』を読んで感動した私の中では完全にNと松田さんがかぶって見えます。

松田さんはグルメコーヒーのない日本で「ブランドが大事」といきなり銀座に出店して成功しましたが、すでに競争熾烈なロンドンでNに対し「City(金融街)に出店したら?」などと無責任なことは言えません。
本当にがんばって欲しいです。

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