2. ビジネス・キャリア Archive

ディテールを楽しむビジネス小説『EXIT 売却』

久しぶりに育児本以外の本を読みました(笑)、『EXIT 売却』。 著者から献本御礼。
「勝間和代渾身のMBA小説」という帯がついているそうですが、頂いたのは勝間さんではありません、著者の奈部真さん。 最近、量産されているいわゆるカツマー本ではなく、企業再生やM&Aディールの現場が丁寧に描写されたビジネス系エンタメ本として楽しめるので、先入観を除いてどうぞ〜

面白かったポイントは・・・
1. 弱冠29歳の主人公 小柳亜希子は世界的PE(プライベート・エクイティ)ファンドにヘッドハントされ、そのファンド下で経営再建中のPHS事業者に経営企画部長として成長戦略を率いることを命題に送り込まれるのですが、さまざまな事業ハンディを背負ったPHS事業で取りうる戦略をすべて吟味し、絞り込み、実行に落とし込んでいくプロセスを鮮やかに描いた第2章がとにかく面白い。

数年前にWillcomが通信業界の禁じ手、通話定額プランを始め、英Vodafoneから買収したソフトバンクがホワイトプランでWillcomの音声通話ユーザーを狙い撃ちにしたバトルを覚えている人には、舞台裏を目の前で明かされているようでグイグイ引き込まれます。 著者の奈部真さんがさすが元マッキンゼー、その後もIT企業の事業戦略にいた方なので、ビジネス小説の中でもかなりのリアリティを持って読めます。

→ 続きを読む

私が運転席に座るからあなたは後部座席ね

以前、『MBA女性の10年後』というエントリーで、MBAを取得した女性の半分が10年後は専業主婦になっている現状について書いたところ、「妻がバリバリ働き、夫が家庭をサポートするケースもある」というコメントを頂いたのですが、今まで私の身近にはいませんでした。

1. こちらこちらに出てくる中国人Yのように家事と育児は住み込みのフルタイムナニーにほとんど任せて自分も長時間働き高給を稼ぐケース(ただし少数派)
2. 夫の海外転勤などをきっかけに自分の仕事はうんとスケールダウンして育児を優先させるケース(乳幼児がいる年齢なので増えてきた)
3. 夫婦ともにワークライフバランスを目指しながら家庭と仕事を常にジャグリング・四苦八苦するケース
のいずれかしか知りませんでした(もちろん子どもがいない人は今まで通り働いている)。 また、シンガポールのようにメイドなどヘルパーが雇いやすい国に住んでいるとだいぶ事情は異なります(→『6家庭に1軒がメイドを雇う社会』)。

ところが、ついに見つけました、4. 自分が長時間働き高給を稼ぎ、夫が家事・育児をサポートするケース。 ロー・ファーム(法律事務所)でパートナーを目指すイギリス人L。
彼女はすぐ近所に住んでいる両親学級で知り合ったママ友達の1人(→『Yummy Mummyたちの集い』『Yummy Mummies' Babies』)。 ここで知り合った7人(+7人のベビー)は今も毎週欠かさず会っていて、最近は離乳食や仕事復帰、チャイルドケアなどに話題が移ってきました。 時が経つのははやいなー・・・出会ったときは全員臨月の妊婦だったのに。

→ 続きを読む

フランス仕込みのコンフィチュール

confiture_cherry.jpgMaison Ferber(メゾン・フェルベール)というフランスのコンフィチュール(ジャム)ブランドをご存知ですか?
「ジャムの妖精」と呼ばれるクリスティーヌ・フェルベールがつくる、季節の野菜や果物をふんだんに使った宝石みたいな綺麗な色合いのジャム。
日本では新宿伊勢丹で買えます→伊勢丹新宿店:メゾン・フェルベール

フランス・アルザス地方のニーデルモルシュという人口300人の小さな村にあるこのお店でマダム・フェルベールのもとでコンフィチュールを学び、続いてストラスブールのパン屋さんで修行をした高校時代の友人が、去年帰国し、Webショップを開きました。
Le fruit de l'aurore

彼女と私の出会いは高校1年の15の春、大阪の高校のバスケ部で3年間一緒に汗を流した仲。
大学卒業後、東京の洋菓子メーカーで商品企画をしていた彼女がパティシエになる夢を叶えるため会社を辞めて渡仏。 その後、滞在ビザの壁が高いフランスで何度もビザで苦労しながらパティシエ修行を続けていました。

→ 続きを読む

衣食足りて礼節を知る

時間が経ってしまったのですが、『チャイナ・ドリーム』『"泣かせる"夢を持つ人、持たない人』のエントリーを読み、ブログの中でお勧めしたNHKスペシャル『インドの衝撃』を観た任宜(にんぎ)さん(中国人で現在コンサルファームにお勤め)から感想として以下のようなメールを頂きました。

中国やインドの人々は非常に努力をしています。 それは非常にすばらしいし、日本のぬるい大学環境よりもずっと共感できます。
ただ、その源泉が「貧困からの脱出」「現在恵まれている人に追いつき、追い抜くこと」であり、そのパラダイムが彼らの力の源になっています。 それでは本質的に「家族」、「地域」、「国」という枠を抜け出すことはできません。 どこまでいっても「自分と自分の所属するコミュニティ」の向上に終止してしまいます。
それも悪くは決してないのですが、もう一つ目線を上げれるといいなと強く思います。 競争をして勝とうとすることが生物の性ですが、、、、、、

孔子の言葉に「衣食足りて礼節を知る」という言葉があります。 マズローの欲求五段階説じゃありませんが、ある程度満たされた人でないと、本当の意味で世界をリードするというのは難しいのかなと思います。
エネルギーをできるだけ節約することが生物の本能ではあるのですが、お腹一杯の先進国の恵まれたエリート諸兄には、是非世界とはどうあるべきかに思いを馳せてほしいと思います。


そして、
(先進国の)恵まれている人にしかできないことがあり、それに向かって本気で努力する者がいてもいいのではないか。 もし、そういう人に会ったことがあったら教えてほしい

とのことでした。

→ 続きを読む

就活中の学生へ - 3

『就活中の学生へ - 1』『- 2』と「私が今大学3年生ならこうする」というのを書きましたが、最終回はお得意の(?)disclaimer(お断り)です。

そのお断りとは、以前『業界の旬とキャリア相談』に書きましたが、個人のキャリアをそのままなぞってどうにかなる時代ではなくなってしまったので、「私の書くことを鵜呑みにしないにしないでください」というお話。 もちろん「そんなことわかっている」という人がほとんどなのでしょうが。

1. 選択には個人の価値観が強く反映されている

例えば、『統計を参考に個人のキャリアを決めてはいけない』に(i) ネットワーク、(ii) 自信、の2つを留学した価値だと書きましたが、「へ? そんなことに1,000 - 2,000万円の大金を使うわけ?」と思う人もいるかもしれない。
人生におけるさまざまな選択には個人の価値観が強く反映されてしかるべきなので、価値観の違う他人のマネをしてもハッピーになれないと思います。

シンガポールでロンドンに引っ越すとある友人に伝えたとき、「なんでロンドンなの?」と聞かれ、理由のひとつとして「友達いっぱいいるし」と答えたところ、「いや、友達のために引っ越さないでしょ」と言われて「ほう、そういうもんなのか・・・」と思いました。 でも、過去1ヵ月の間で充実していたこと・楽しかったことを思い出そうとすると、仕事の一場面はちっとも出てこず、special occasionでも何でもない気だるい土曜の午後、仲のいい友達と思いつきでやったBBQだったりする私は、そういうのも大事です。

「自分がどういう時に充実していると感じるか」という軸を入れないと納得のいく選択にならないと思います。

→ 続きを読む

就活中の学生へ - 2

さて、昨日書いた「統計や金銭価値だけを基に自分のキャリアを決めてはいけない」という路線を基本に、第一弾の続きです。

2. 自分のスキルや責任の幅が高速で伸びる会社で働く

「就職活動するなら・・・」というCREAさんの質問に答えると、若いうちから権限を与えられ、社外で活きるスキルが伸ばせて、なおかつ成長している業界の成長している会社、「会社の成長に従って自分も自然と成長できる」ような環境が理想。

大学院留学を目指すとしても、MBAの場合社会人経験が必須なので(最近アメリカの大学は新卒MBAもあるけど)、その間のキャリアや、新卒就職だけでなく転職の際の基準も同じです。

逆に避けるべきは、従業員の高齢化が進み、40歳以上の使えない中間管理職が大量にいて、何層もの意味のないヒエラルキーがあり(課長・課長補佐・課長代理・主務・主任・・・と延々続く、みたいな)、その人たちは保身のための社内政治に時間を捧げているため、膨大な量の仕事が数少ない若手に振ってきて若手は長時間労働により疲弊、若手に権限はなく上が詰まりすぎて出世の見込みもないような会社。

私の友人にも毎年就職人気ランキングに登場するような大企業に勤めていて、30過ぎても後輩が入らず、部署には中間管理職が溢れ、人員削減のため雪だるま式に膨れ上がる主要業務に加えて、派遣の事務職を減らしたことによる雑用の増加、度重なる組織変更・人事異動のたびに開催しなければならない歓送迎会の幹事・・・その他もろもろの業務で月の残業時間が恒常的に100時間超え、というケースも。

→ 続きを読む

統計を参考に個人のキャリアを決めてはいけない

昨日の続きですが、ちょっと横に逸れて、「統計を参考に個人のキャリアを決めてはいけない」「すべての価値を金銭価値に換算できない」というお話。

1. よく就職・転職情報誌に出てくる生涯賃金ランキング年収高額企業ランキングといった類の統計を参考に自分の進路を決めてはいけない。

これらのランキングは「現存する企業が現業態を保ったまま、現賃金体系を維持したなら」というあり得ない仮定に基づいた数字です。 企業の平均寿命が30年を切り人間の労働寿命より短くなっている世の中で(引退という概念すらなくなるかもしれない→『「老後」がなくなる日』)、今から就職して生涯賃金ランキングの数字通り受け取る人が果たしているのでしょうか?

年収高額企業ランキングの上位企業はひょっとして労働生産性に見合わない高年収の従業員、高額年金を約束したOBばかりを抱え、高コスト体質のために破綻したJALのような会社かもしれない。

この不況で希望就職先も「安定志向」が強まっているらしいですが(→就職希望企業人気ランキング)、「安定しているがスキルが身につかない」企業に就職して、その後の仕事人生、つぶれないこと・給料が減らないことをひたすら祈って暮らすのでしょうか?

この手のランキングは「ふーん」と眺めるか、むしろ「人のいない裏道をいこう」くらいに使うべきで、個人のキャリア選択に当てはめるのはほとんど意味ないです。

→ 続きを読む

就活中の学生へ - 1

こちらのエントリーにCREAさんからこんな質問をもらいました。

仮にla dolce vitaさんが今、大学生当時に戻れて就職活動をするなら、どんな業界を第一志望にお考えになりますか?

「私が今大学3年生だったらどうするか?」という視点と、就活を控えた大学生へのアドバイス、両方混じってしまうと思いますが何回かに分けて書いてみます。

1. 大学院留学をめざす
「就職活動をするなら・・・」という質問なのにいきなり何ですが(*注)、私が今大学3年生なら大学院留学を目指します、それもできるだけ自分が進みたい道のトップレベルの学生が集まる大学。 どんな分野であれ自ずからアメリカかイギリスになると思いますが・・・(→ Top 100 Universities
注:「就活中の学生へ」というタイトルなので、もちろんその話も近日中に書きますよー

以前『留学するなら大学? 大学院?』というエントリーで

「(英語圏でビザさえあれば)どこでも働いて食べていける」ようになるには、大学院より大学から留学した方がスムーズ

と書きましたが、それでも"Better late than never"(遅きに失してもやらないよりマシ)だし、分野によっては(理系とか)大学院からでも十分。

以下、私が大学院留学を目指すだろう理由。

→ 続きを読む

MBA女性の10年後 - 王道対策編

先週の『MBA女性の10年後』は紛れもない現実ですが、

このままキャリアを求めてがんばって行くことの不安とある意味先が見えてしまったような(がんばっても仕方ないのではないか)そんな思いにかられてしまいました。

というMaikoさんのコメントにあるように、20代女性の希望を打ち砕いてしまったかもしれないので、巷ではこの現状にソリューションっぽいものも議論されていることを紹介。

明るい話の前に、前エントリーに補足して現実の例を。
先週ランチしたINSEAD友達Y(→こちらに登場)。 米系名門投資銀行(ロンドンオフィス)のヘッドハントを受けNYからロンドンに引っ越してきたばかり、2歳半と1歳の2児をフルタイム・ナニーを駆使して育てながらウォールストリートのエクイティセールスという激務ポジションで生き残ってきた、私の友達の中では最もバリバリと音がするほどのキャリアウーマン。
彼女が言っていたひと言。

前職のファーム(同業同職種)では、パートナー(共同経営者)まで残った女性はたったの3人。 うち1人はレズビアン、1人は未婚、1人は旦那さんが専業主夫。 そのどれも私には当てはまらない。 先行き暗いわよね・・・

暗い現実はこのくらいにして、The Economistの同じ号からWomenomicsという記事(長いので、以下私の意訳)。

第一世代のキャリア女性は男性と同じ基準で評価されることを主張した。 "The sisters"として特別な扱いを受けるのではなく、誰よりも働き、頭が良くなることで人の先を行くことにこだわった(例:マーガレット・サッチャー元英首相、ヒラリー・クリントン米国務長官)。
ところが、最近のフェミニストの間では、男性のルールに従ってゲームをプレイしている限り女性は決して自らのポテンシャルを花咲かせることはできないと主張している。 「ガラスの天井」を破るだけでは十分ではなく、ビル自体に埋め込まれている「性差のアスベスト」を調査すること、つまり企業社会の構造やプロセスそのものに内在している性差別を根絶することが必要であると。

→ 続きを読む

MBA女性の10年後

ロンドンでの大きな楽しみがINSEAD友達とのキャッチアップ。 特に女友達はほとんどロンドンに集中しているので、積もり積もった話に花を咲かせるのが本当に楽しみ(昨日はそのうち1人目とランチしてきました)。

INSEADを卒業して5年半、20代後半だった私たちも30代前半~中盤に差し掛かり、結婚・出産と経る中でさまざまな選択をしなければならない難しい年代に差し掛かってきました。
新年号のThe Economistは"Women in the workforce"と題してとってもタイムリーな記事だったのでご紹介(The Economist : Female power)。

シカゴ大学ビジネススクールでは、MBAの10年後、子供がいる女性の卒業生のうち今も働いているのは半分だそう。 INSEADも状況は似ていて、11年前に卒業した友達に聞くと女性卒業生の半分は専業主婦だそうです(私は5年前卒業なので、まだ専業主婦は数えるほどしかいませんが、そろそろ出てきそうな雰囲気)。
記事では、思いっきりうなづける理由が説明されていました(拙訳)。

ひとつ明らかな問題は女性の大きくなる野心が満たされていないことだ。 彼女たちは出世の階段を昇るよう奨励されているにも関わらず、ミドル層は男性に占領され、トップ層は手が届かないものであることを思い知らされる。 フォーチュン500企業のトップのうち女性は2%だけ、FTSE100指数の企業のうち女性トップなのは5社だけ、アメリカで取締役に占める女性の割合は13%である。 戦略コンサルや銀行のトップ層は男性で占められており、アメリカとイギリスではフルタイム女性の平均年収はフルタイム男性の80%である。

→ 続きを読む

人生とはやりたいことを探し続けるプロセス

いよいよ今日荷物出して明日ロンドンに飛びます。
先週からヨーロッパを寒波が襲っていて大変なことになってますが・・・

新天地に発つに向けて自分を鼓舞するエントリーを考えていたのですが、やっぱりこれかなー?

もうどれくらい前だろうか? 正確には覚えてないのですが、Steve Jobsが2005年にスタンフォードの卒業式で行ったスピーチを聞いたとき、涙が出て止まりませんでした。
その後、落ちこんだとき、自分を奮い立たせたいとき、スクラッチから考えたいとき、ことあるごとにこのスピーチを聞いてきました。
ビデオはこちら→YouTube : Steve Jobs Stanford Commencement Speech 2005
スピーチ英文と訳→Steve Jobsのスピーチ、山口訳

以前、『業界の旬とキャリア相談』というエントリーにも書いてますが、何度も噛み締めている箇所を引用(訳はH-Yamaguchi.netより)。

Your time is limited, so don't waste it living someone else's life. Don't be trapped by dogma -- which is living with the results of other people's thinking. Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice. And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.
あなた方の時間は限られています。 他の誰かの人生を生きて無駄にしてはいけません。ドグマにとらわれてはいけません。 それは他の人たちの思考の結果とともに生きることだからです。 他人の意見の雑音によって自分の内なる声が掻き消されてしまわないようにしてください。 そして最も重要なことですが、あなたの心や直感に従う勇気をもってください。 心や直感は、あなたが本当は何になりたいのかすでに知っています。 他のことは全て二の次です。

→ 続きを読む

留学するなら大学? 大学院?

最近話をした2人の友人の話。 年は10歳違うし、年収もケタが違うのですが、私には2人がダブって見えました。

  • 中国人Y(♀、36歳)
北京生まれ北京育ちの中国人。 高校卒業まで北京だったが、大学はイギリスへ(どこか忘れたけどオックスフォードとか英トップ5のどこか)。 大学卒業後は米大手会計事務所に会計士として就職し、ロンドンと香港で働く。 INSEAD(フランス)でMBA取得。 当時、「私はもう中国(大陸)には帰れないし、帰りたくない。 フェアな実力社会で自由な欧米式生活に慣れきっているし、下方婚志向でキャリア女性を好まない中国人と結婚できるわけがない」と断言していたのが印象的。

INSEAD卒業後は、英系投資銀行(香港オフィス)へキャリアチェンジ。 INSEAD同級生のスペイン人J(戦略コンサル、NYオフィス)と香港 - NYの遠距離恋愛開始。
勤務先の投資銀行を説得し5ヵ月後にNYオフィスに転勤成功、1年後にJと結婚。
NYアッパーウェストにある高級アパートに住み、2人の子供を育てながら(フルタイムナニー付)、今なおウォールストリートの(数少なくなった)投資銀行でキャリアの階段を駆け上る。

今年5月の卒業5周年同窓会(→『5年目の同窓会』)には2人の子供をナニーに預け、Jと出席。 私たちのロンドン引っ越し計画に「いいなー、私もロンドン住みたいなー」と言っていた・・・かと思うと、ある米系名門投資銀行(ロンドンオフィス)のヘッドハントを受け、家族と共に1月からロンドン暮らしだと言うメールがつい先日届いた。

→ 続きを読む

「老後」がなくなる日

数ヶ月前のThe Economist(6月25日号)は"Ageing populations"と題し、高齢化特集でした。
その中の記事のひとつ、"The end of retirement"は以下のような内容。

1900年代初頭に定年が65歳に設定された当時は、平均寿命と定年が非常に近く、政府支給の年金がもらえるのは短い期間であった。 ところが、今や退職後の「老後」はみんなのものになり、その期間が四半世紀を超える国も出てきた。 OECD各国政府の公的年金にかかる支出はGDPの7%にのぼり(1935年のアメリカではその比率は0.2%だった)、2050年には現在より倍増すると予測されている。
平均寿命の増加という本来なら喜ばしいことに起因することに加え、先進国で急速に少子化が進んでいること、ベビーブーマーという最も人口の多い世代が引退し始めたこと、がこの傾向に拍車をかけている。 1950年にはOECD各国の20 - 64歳人口7人に対し、65歳以上人口は1人であった。 この比率が現代は4 : 1になり、2050年までには2 : 1になると予測されている(以下略)。
(The Economist : The end of retirement

日本はOECD諸国の先陣を切って少子高齢化まっしぐらなのですが、この「親世代が満喫しているような老後がないかもしれない」という危機感は、とりわけ私の周りのヨーロッパ人は共有している気がします。

→ 続きを読む

薄い付き合い(weak tie)の威力

シリコンバレーのように強度なネットワーク社会ではstrong tie(職場の同僚など毎日一緒に過ごす濃い付き合い)よりweak tie(普段あまり会わない人との薄い付き合い)が大事という話はよく聞きます。 過去に『求職者の心構え』として書いたことあるし、渡辺千賀さんの『ヒューマン2.0 - web新時代の働き方(かもしれない) 』にもこうありました。

Mark Granovetterの著書『Getting a Job』によれば、職探しをした人の56%が個人的なツテで職を得、しかもその83%はあまりよく知らない「薄い付き合い(weak tie)」経由のものだった

週末、その典型的な例を目の前で見てしまったのでここに再現。

土曜の晩、Toastmasters(→『Toastmasters@シンガポール』)で知り合った香港人Sとその旦那さんフランス人Pの送別会BBQに行ってきました。 場所はSのコンドミニアムのプールサイド(シンガポールは暑いのでBBQは夜、コンドの共有スペースでやることが多い)。

→ 続きを読む

親切で優しい成功哲学

夫が最近はまっていて立て続けに本を買っている著者がTED(→『一流なウェブもの2つ』で紹介)で話していたので聞いてみました。
うーむ・・・ 深いなあ・・・

Alain de Bottonというスイス人の哲学者・作家が語る「親切で、優しい成功哲学」というスピーチです。
Wikipedia : Alain de Botton
すばる文学カフェ:アラン・ド・ボトン

スピーチはこちら(↓ 日本語字幕付き)

→ 続きを読む

はたらけ シンガポール

今日はこのブログも情報収集のために活用しながら見事、シンガポールで職を見つけ1月から新生活を始める本間さんのお話(『渡辺千賀のはたらけシリコンバレー』風にお届けします)。

本間さんと言えば『世界級ライフスタイルのための婚活』に登場したご夫婦(JTPAツアーでシリコンバレーで出会う)の奥さまの方です。

------------
JTPAシリコンバレーツアーに参加して以来、「30歳までに日本以外の国で働きたい」と思っていた。 ツアー中に会って、性格も夢も近い旦那さんと結婚したのが2008年9月。 2009年5月には『第2回 世界級ライフスタイルをつくる会@シンガポール』参加ついでに旦那さんとともにシンガポールを視察。 暮らしやすそうなシンガポールの環境に「ここだ!」と確信した。

帰国後、シンガポールの大手日系人材紹介会社の登録会兼相談会に参加し、シンガポールの仕事状況について話を聞きに行った。 事務職の給料はSGD2,500からなのに、家は安くてSGD1,500(=約10万円)からと聞いて、シンガポールの家賃の高さにびっくり(後に、もっと安い賃貸もあるとわかって一安心)。 さらに希望する出版関連の仕事はほとんどない!という現実を突きつけられて、「シンガポールで働くなら営業事務や一般事務で手を打つしかないのかな・・・」と、意気消沈。 いちおう人材紹介会社への登録だけはしておいた。

→ 続きを読む

好きなことを仕事にした人たち

週末はINSEADシンガポールキャンパスで卒業生を対象にしたイベントがありました。 内容的には去年の方が面白かったけど(去年の内容→1, 2, 3)、卒業生3人の"Off-the-Beaten-Track Alumni Stories"と題したパネルディスカッションが面白かったので、パネリストの経歴をご紹介。

1. Peter Schindler・・・オーストリア生まれ、スイス国籍、香港在住、ブログ→Blue China。 中国系マレーシア人の妻はオーストラリア国籍。
暗黒時代→ 大学:MITにてIT専攻、大学院:INSEADにてMBA、ITコンサルのアクセンチュアにて20年間勤務。
on_the_road_china.jpg昔から車を運転することが大好きでFormula 2などのレースに多数回出場。 2年前、夢を追いかけるため会社を辞め、NOKIAのスポンサーを受けて中国大陸横断21,000km走破の旅(上海→チベット)を実現(→Nokia Discover China Journey)。 旅終了後は、Luxury Driving Experience Ltd.という会社を立ち上げ、中国と近隣諸国をSUVで走り回るドライビング・ツアーを提供している。

→ 続きを読む

成熟国出身者のキャリア戦略

私が働いているのはいわゆる"ブティック系"の経営アドバイザリーファームで、現在のメンバーはイギリス人2人、スウェーデン人、私。 共通点は、先進国出身、投資銀行・コンサル・MBAというバックグラウンドで世界各地で10年以上の職務経験あり(大企業で働いていた時代も長い)。
そしてクライアントは本当にいろいろな業界から成りますが、経営者は欧米人で出身国で何年か働いた後、転勤など何らかのきっかけでシンガポールに来て「これからはアジアだぜ」と独立した、というSME(Small and Medium Enterprise)が非常に多い。 よって、経営者は欧米人ですが本社及びアジア統括会社はシンガポールです(すでにグローバル展開している企業もこれからの企業も)。

こういう環境にいてつくづく思うこと。

これは、先進国で受けた高度な教育や洗練された & グローバルに通用するビジネスのやりかたをフルに活用しつつ、すでに成長が鈍化した成熟社会(自分の出身国)ではなく、成長著しいアジア市場の勢いに乗ろうというキャリア戦略。
中国を目指す欧米人友達の話は『果たしてヤジ馬なのか歴史の証人なのか』に書きましたが、彼らは独身。 家族がいて子供の教育や生活環境を考えると確かにシンガポールはアジア市場をターゲットとする際、ベスト・オプション。

日本の高度成長期がそうであったように、右肩上がりの経済の中、企業の売上を拡大させるのはさほど難しいことではないのです。

→ 続きを読む

ブログ・レバレッジ

昨日、日本からシンガポールに帰ってきました。

初めにお詫び。
先日のブログに「緊急事態発生」と書いたきり、1週間ほど家族で信州の山奥の秘湯旅館(携帯電話は圏外・インターネットなし・「国際電話は麓の村に行ってくれ」と言われた)にいたので、ご心配のメールを頂いた方に返信ができず申し訳ありませんでした。 せっかくオフ会参加を希望してくださった方にも一人ずつお返事できず申し訳ありません。 予定を変更しての帰国は私の健康問題ではなくピンピンしていますのでご安心ください。

信州旅行後、実質2日半ほどの東京滞在は駆け足でしたが、ブログのおかげで以前はお会いすることが想像もできなかった人とお会いすることができました。

第1弾は、ビジネス書のカリスマ本田直之さん。 ブログやってよかった~、まさにブログ・レバレッジ。

本田さんは去年の暮れに突然「面白いブログですね」とメールを頂き、シンガポール在住のビジネス本著者である嶋津さんをご紹介頂いたり(→『達人の人脈術と感情術に学ぶ』)、非常に気さくな方なのですが、今回帰国が重なったので東京で念願の対面ランチ。

サーファーらしくこんがりと焼けた姿が、大雨の東京にあまり似合わず(笑)、カッコよかったです(←すっかりミーハー。 私、カッコいい人と話すと緊張するのである)。
いろいろブログの話やらして、アドバイスも頂いて、最新著の『意思決定力』まで頂戴しました。 本田さん、ありがとうございます!

→ 続きを読む

ポートフォリオのひとつとしての社会貢献 - 2

阪神・淡路大震災でボランティア・トラウマになってしまった昨日の続き。

大きな自己犠牲を伴わなくても社会貢献できる、ビジネスと社会貢献は両立する、ことが本当に腹に落ちるようになってきたのは、ごく最近のことです。

それはCSR(企業の社会的責任)という言葉が徐々に浸透し、実際に利益をあげることと社会貢献を両立している企業が出てきて、マザーハウスのように「企業が社会に貢献するなんて当たり前でしょ?」という会社が出てきて・・・
そんな背景の中で緩やかに、でしたが、「おっ、これは!」とピンときた出来事がありました。

今年の初め、めちゃ暗かったときのこと(→当時のことはこちら)、私の両親と夫の両親が揃ってシンガポールにやってきました(→写真)。 私の親はこういう時、そっとしておいてくれるのですが、夫の両親はめちゃくちゃ聞いてくるのですねー(苦笑)。

義父はオーストラリアの企業のCEOを歴任(日本企業のトップは生え抜きの傾向が強いが、欧米は経営者人材の雇用市場がある)、一線から退いた後はエグゼクティブ・コーチに転身していたので、義父から「一度、僕のコーチングを受けてみないか?」とのオファーがありました。
暗かった私は乗り気ではなかったのですが、夫の勧めもあり(彼もシンガポールで転職活動中受けたらしい)、近所のカフェで受けることにしました。

→ 続きを読む

ポートフォリオのひとつとしての社会貢献 - 1

最近、台湾、南太平洋、フィリピン、インドネシア(スマトラ)、インド南部と大災害が続きますね・・・
昨日のToastmastersではマニラ出身のフィリピン人が大洪水の惨状をプレゼンし、ヘイズごときで騒いでいるシンガポール(→『国境を越えた大気汚染』)に住める幸せをみんなで噛みしめました。

阪神・淡路大震災の起った1995年はボランティア元年と呼ばれていますが、私にとってはボランティア・トラウマ元年です。

1月17日未明、ただごとではない揺れに私も飛び起きましたが、あの揺れは奈良では震度4でした(神戸:震度7、大阪:震度6、京都:震度5、なのでどれだけ直下型であったかがわかります)。 家の中のものが落ちたり植木が倒れたりはしたものの、揺れがおさまり再び眠りに落ちた私。

当時、お気楽な大学1年生。 起きると家族はとっくに出かけており、テレビも見ず、友達と待ち合わせていた大学(京都)に向かいました(奈良ー京都間の電車は動いていた。 神戸はもちろんのこと奈良ー大阪間、大阪ー京都間は全日不通、というのは後から知った)。 待ち合わせていた友達(神戸在住)がいつまで経っても来ない、当時は携帯もない、おかしいなーと思いながら入った大学の食堂のテレビで初めてあの朝起ったことを知りました。

→ 続きを読む

オージーコーヒー、ロンドンを席巻(間近か?)

オーストラリアのコーヒーは美味しい。

・・・と言って、どのくらい深くうなづいてもらえる人がいるか知らないけど、身内びいきを差し引いても、南ヨーロッパと比べても、相当美味しいのではなかろうか。

まず、エスプレッソ・マシンを使い蒸気による圧力でコーヒー液を抽出するイタリア系です。 「いや、コーヒーはやっぱブレンドだ(ドリップ式)」「朝はコピ(シンガポールの練乳入りコーヒー)に限る」と言う人は、コーヒーの種類が違うので比較対象としない、ということで。

taylor_st_cappucino.jpgイタリア移民の影響を濃く受けてエスプレッソ文化が早くから根付いた上に、オーストラリア流のアレンジ(ミルクを使ったコーヒーアートなど)が加わり、オーストラリアのカフェ文化発祥の地メルボルンでは、文字通り街角ごとのカフェで美味しいコーヒーが飲めます。 豆の挽き方、煎れ方、コーヒー抽出のしかたなどブラック部分(エスプレッソ)はもちろんのこと、ミルクのフォームのきめ細かさなどホワイト部分に対するこだわりもハンパなし。
よって、Starbucksなどのいわゆるアメリカのグルメコーヒーは流行らず(地元のチェーンもあることはあるが)、人々は相当味にうるさいです(よく知らないけど、ニュージーランドも同じ状況のよう)。

世界バリスタ選手権などにもオーストラリア人は頻出しており、バリスタになるための専門学校もいくつかあります。

→ 続きを読む

誰も雇ってくれないから起業する

海部未知さんブログの『金持ちをたくさん働かせる仕組み』に同感な点、2点目、編集して引用。

スタンフォードMBAという、いろんな意味で優位な地位にある人々は、オーバースペックのためにしばしば、普通の会社で普通に勤めあげることができなくなる。 でも、人脈とか箔とかスキルとかがあるので、たとえトラディショナルな形でのベンチャー起業ができなくても、自営をはじめるとか、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家などの形でかかわるとか、自分でなんとかすることがたいていはできる。

これを「誰も雇ってくれないから起業する」と表現されているのだが、私の周りにも山のようにいるので、実際はこんな悲観的な実感の人だけでなく、「他のオプションよりも、自分でやった方がいい」というベターなオプションを取ったという人も多いと思います。

この場合の「起業」とは、いわゆる狭義のベンチャー(VCの資金入れて、成長率10%以上、エグジットはIPOかGoogleに買われること、みたいな)よりも、フリーランス、小規模のプロフェッショナル・ファーム(ファンドやコンサルなど)を仲間と立ち上げる人の数の方が多い。

今でも仕事上のコンタクトを探すのにINSEADの卒業生データベースを検索することがありますが(こんなインターフェース)、卒業年次が古い人(= 年上の人)になればなるほど、自分の名を冠したプロフェッショナル・ファームのManaging Director(つまり自営)が多くなります。

→ 続きを読む

"泣かせる"夢を持つ人、持たない人

しばらく前からINSEAD受験生のインタビュアー(面接官)を引き受けています。

知らない方のためにMBAの受験プロセスを説明すると、テスト(TOEFL, GMAT)結果と書類(学歴・職歴など、受験エッセイ、推薦状)を基に学校が審査するのが第一次審査。 通過者はインタビュアーによる面接の第二次審査を経て、書類審査の結果もふまえ最終合否が決まります。 INSEADでは面接はすべて(受験生の住む国に住んでいる)卒業生が行います(学校によって異なる)。 よって、私が面接するのはシンガポールに住む受験生。

何人か面接していて、あることに気づきました。 この国には、a. "泣かせる"夢を持つ人、b. "泣かせる"夢を持たない人、の2種類の受験生がいるぞ・・・

a. "泣かせる"夢を持つ人
最も良い例が『チャイナ・ドリーム』の彼女。 詳しくはエントリーを読んで欲しいのですが、(高等教育を受ける人が珍しい)中国の農村からシンガポール大学の奨学金を得て出てきて、親への仕送りと自分の生活費のためにアルバイトをしながら大学を卒業。 初めは給料の低い仕事だったが、苦労して夜間の大学院に通い修士を取得。 INSEADでMBAを取ることでさらなる高みを目指して、最終的には中国の発展に貢献したい、という彼女です。

シンガポールにはアジア中から人が集まっています。 建設労働者・メイドなど単純労働者だけではなく、弁護士・会計士・企業のホワイトカラーにも「努力して勉強してやってきました」というマレーシア人・インドネシア人・インド人・中国人・・・etc.がたくさんいます。 そういう人は故郷に親兄弟も親戚もいて「将来は故郷の役に立ちたい」と"泣かせる"夢を持つ人が多い。 シンガポールに来るに至った顛末もとにかく内容だけで"聞かせる"。

→ 続きを読む

家庭の幸せと職場の幸せは分れない

ボルネオに行く直前、嬉しいサプライズがありました。
前世界銀行副総裁の西水美恵子さんのことを書いた『教育における重要な変化』に、ご本人からお礼のメールが届いたのです。
雲の上のようなキャリアの方でも、名前をアラートにかけて、パーソナライズなメールまで出されるのですねー、としばし感動。

で、本当に考えさせることが多い西水さんの過去の寄稿アーカイブを引き続き読んでいるのですが、その中で涙が出てしまったものを紹介。
『おねしょの教え』というタイトル、一部抜粋。

優秀な部下の成績が下がり、目に見えて元気がなくなっていくのに気付いた。
理由を聞くと、小学生の息子。 「成績が下がり、海外出張で留守する度に寝小便。 心配で仕事が手につかない」と嘆く。 仕事と家庭が両立せず、いっそ世銀を辞めようかと迷っていた。 母性本能か勘か、何がそう言わせたのかは知らないが、ふと思いついて「出張に連れていってみたら」と勧めた。 やる気があるなら旅費も出すと約束した。

→ 続きを読む

言語・文化アービトラージャー

「アービトラージ」という言葉は「サンクコスト」と同じく日本語で言われても(「アービトラージ」の日本語訳は「裁定取引」)うまく意味が伝わらないなー、と思っていたのですが、最近そのままカタカナで使う例をよく見かける気がするので(例:「国際的制度アービトラージ」)、そのまま使います。

元々は「同じ価値を持つ商品の価格差を利用して、利鞘を稼ぐ取引のこと」ですが、広義には「国内と海外、現在と未来、既知と未知、需要と供給、欲求と充足、価値と無価値、過剰と不足などのギャップを埋める行為」でほとんどの経済活動はアービトラージから生まれたとも言えます。

今日はそのうち言語・文化のギャップを埋める言語・文化アービトラージャー(アービトラージする人)に絞ります。
よく「英語屋なんて英語だけで仕事ができないからダメだ」とか「海外で働く日本人のほとんどは日本企業か日本人相手の仕事をしている」と言語・文化アービトラージャーをバカにする人がいるのですが、「一側面しか見てないし、批判のポイントずれてるなー」というのが率直な印象。

まず、言語・文化アービトラージャーの需要は相互依存を強める世界経済の中で加速度的に増していると思います。 いわゆる「仕事」(技術開発・セールス・マーケティング・経営、etc.何でもいいけど)にプラスαで対象市場の言語・文化を理解しギャップを埋められる人は業界問わず求められています。

→ 続きを読む

求職者の心構え

先週のエントリーでmegumeguさんからブログネタのリクエストがあったので、今日は「求職者の心構え」と題し、思うところを書きます(・・・と私がちんたら考えている間に、megumeguさんは採用内定されました。 おめでとうございます!)。

[ 初めにお断り ]
私は日本で2回転職していますが、2回とも人材紹介会社に登録したらすぐ紹介され面接を受けたらすぐ決まったという、余り参考にならない体験をしているので、下に書くことはどちらかというと去年から今年にかけてシンガポールで職を求める中で感じてきたこと、及び周りのケースを見てきた上での総括です。
私としては普遍的なことだと思っているので「日本では参考にならない」とか決め付けずにお読みください。
また人材業界のプロでもなんでもないので履歴書の書き方、面接の心構えなどは他のもっとふさわしい人に聞いてください。

1. 巷に出ている求人だけが企業の人材需要ではない

企業のウェブサイト・人材紹介会社・ヘッドハンター・・・etc.に出ているだけが企業の人材需要ではありません。
「こういう人が欲しいんだけど社内で探そうか、どうしようか?」という顕在化する前の需要、人材が必要ということさえ明確に認識されていない潜在需要。 人材紹介会社はフィーが高いしリスクもあるので採用は信頼する人の紹介に頼るという会社、求職者の熱意に押されて予定していなかったポジションをつくる会社・・・ 世の中にはこんなケースが溢れています。

→ 続きを読む

セクハラの境目

最近のlat37nさんのブログでlat37nさんが職場で「今日疲れてますね?」「アイラインまで、ブルーマンデーって感じですよ」と言われたことに対し、コメント欄で「職場でその発言はセクハラだ」とあったのを読みながら、セクハラについて思っていたことを少々。

結論から言うと、私は職場でこれ言われても気にならないでしょうねー、あくまで「私は」ですが。

新卒で入社した総合商社では部署初の女性総合職でした。
「彼氏はいるのか?」「痩せた?(太った?)」他あらゆる同類発言は日常茶飯事。 それでも、おじさま、おにいさま達の「部署初の女性だー♪ ちゃんと面倒見てあげなきゃ」的な面倒見の良さが痛いほど伝わってきたので、「あー、本気でよかれと思って言ってるんだろうな、この人たち」と思っていました。 だから「はいはい、あなたたちに面倒見てもらわなくても、ちゃんと自分で何とかやってますよ」と思っていたし、あんまり気になりませんでした(もちろん、しつこすぎるときはウザいと思ってたけど)。

一方、ある日連れていかれた某メーカー社長の接待の場で、接待相手の社長にチークダンスを強要されたとき、間に入ってとりなし諌めてくれなかった上司には帰りのタクシーの中で激怒しました。 部下を救わないのは明らかに管理者責任放棄である、と。

要はセクハラって受け取り手がどう思うかなんですよね。
嫌な人には何されても嫌なのである(チークダンスってのは誰にされても嫌なので、例が悪いけど)。

→ 続きを読む

日本のアートを世界発信! - Streetcanvas

以前『日本の魅力はデザインと品質』というエントリーで、

日本人の「神は細部に宿る」精神の究極の形は「デザイン」で、日本が今まで得意としてきた「モノづくり」よりもこちらの方が良さを活かせる気がする。
問題はそんなに産業として大きくないのと、それをどうやって世界とコミュニケートしていくか。

と書きましたが、同じ視点と問題意識で世界とコミュニケートする方法に解を与えた新しいコミュニティが誕生しました。

ハーバードビジネススクール(HBS)在学中の矢野莉恵さんと日本好きな外国人同級生2人が「日本のアート力」を世界発信していくために立ち上げた"Streetcanvas"

日本のアーティストと世界中のアート好きが集まるインターネットコミュニティ。 誰でも、無料で作品を投稿でき、世界中の人に作品を見せることができます。
随時Tシャツデザインコンテストを開催し、コンテストで高い評価を得た作品は、デザイナーズTシャツとしてロサンゼルスで製品化され、ネットを通して世界中で販売されます。
コミュニティメンバーはコンテストにデザインを投稿するだけではなく、審査員として好きな作品に投票・コメントしたり、デザインスクールで世界中のアート好きと交流することが出来ます。
(詳しくは莉恵さんブログ→『莉恵の地球儀』

→ 続きを読む

どうすればプレゼンは上手くなるのか・・・

一昨日Singtel(シンガポールNo.1携帯事業者)、昨日Salesforce.com(米クラウドコンピューティングトップ企業)と続けてイベントに参加してきました。 参加者400-700人くらいと似たような規模、両方とも新サービスの発表と似たような目的だったのですが、Singtelに比べSalesforce.comのプレゼンの上手さに感心、2日続いたので余計そう思ったのでしょうが。

今まで数多く企業のプレゼンを見てきましたが、正直上手い人は10%以下(はい、自分のことは完全に棚にあげています)。 700人どころか50人以上の前でプレゼンしたことないし)。
よく「アメリカ人はプレゼンが上手い」と言う人がいますが、アメリカ人でも下手な人はたくさんいて(自分のことは棚にあげておいて、笑)、ただ上手い人は抜群にズバ抜けて上手い。 特に、ベンチャーキャピタリストなどの前で、(企業が)生きるか死ぬかのプレゼンをしつくしてきた、急成長テクノロジー企業のトップの人は本当に上手いなー、と感心しきり。

Salesforce.comのイベントでは、President & Chief Adoption OfficerのPolly Somner(女性)も非常に上手かったのですが、Chief Marketing OfficerのKendall Collinsのプロダクト・デモ(ライブ)が圧倒的に楽しめました。 若いなー、と思って帰ってLinkedInで調べたら、やっぱり30代半ばでした。 こんな人です、プレゼンじゃなくてインタビュー(→YouTube : Kendall Collins, Salesforce.com

→ 続きを読む

Blastbeat - 高校生の音楽ビジネスプロジェクト

ブログを通して知り合ったAKさん(英オックスフォードMBA留学中)が、とある社会事業プログラムに関わっているのでお知らせ。

Blastbeatというアイルランド発の高校生向け社会事業プログラム。
高校生が「ロックコンサートの企画・運営」を通じてビジネスとは何かを学び、利益の一部を慈善事業に還元することで社会問題への気づきを促すもの。 創業者のRobert Stephensonは若者に音楽ビジネスを起業させて無気力や非行の解決に取り組もうと立ち上げました。 アイルランドで大成功を収めた後、南アフリカ、イギリス、アメリカに展開しています。

百聞は一見にしかず。 この南アフリカの高校生の姿を見てみてください。 ほとんどアフリカ語で何を言ってるかわかりませんが、興奮と情熱が伝わってきます。

→ 続きを読む

「果ての国」に生きる - 2

昨日の続き。
ブラック・スワン(= ほとんどありえない事象、誰も予想しなかった事象)が現れやすくなったこれからの時代の身の振り方を考えます。

昨日は1.家計の資産形成、しか書けなかったので、今日は他の側面も考えてみることにトライ。

2. 個人のキャリア
本書では「月並みの国」の住人と「果ての国」の住人の例を以下のようにあげています。

月並みの国・・・歯医者、コンサルタント、マッサージ師、など。 一定の時間で面倒を見られる患者やお客の数は限られるため、稼ぎが何倍にもなったりはしない。
果ての国・・・アイデア人間。 作家、起業家、など。 本を100冊売るのも、1,000万部売るのも、書くことにかける労力は変わらない。 うまくいけば(= 良いブラック・スワン)自由時間がたっぷり取れるが、「果ての国」の性質上、一握りの人間がすべてを得る(Winner takes all)。

『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』的に言うと、「月並みの国」の住人がE(employee = 従業員)やS(self-employed = 自営業者)であり、「果ての国」の住人がB(business owner = ビジネスオーナー)やI (investor = 投資家)でしょうか。

ただ、この点については、キャッシュフロー・クワドラントのことを書いた頃から私の考えも変わり、自分の好きなことをするのが結局一番幸せなのかな、と思います。 結果、それがE(employee = 従業員)やS(self-employed = 自営業者)であっても、夫婦という単位や資産運用など別のところでリスク分散すればいいかと。

→ 続きを読む

オープン・イノベーション時代の企業のあり方

先月、『北海道ベンチャーキャピタル』というエントリーを書いたところ、代表の松田さんは、3月に東京でお会いした外村さんのお知り合いということで、メールで松田さんに紹介して頂きました。
いやー、ブログに書いてみるもんですね。 外村さん、ありがとうございます!

今日はその北海道ベンチャーキャピタルの松田さんから「オープンイノベーションのためのベンチャー投資」というレポートを教えて頂いたので紹介。

「オープンイノベーション」は社内のアイデアに頼るだけでなく、社外のアイデアをも上手く使い、企業の境界線を越えて、研究開発や事業化を進めることで、新たなマーケットを創出するということである(『HVCビジネスレポート:オープン・イノベーションへの期待』より)。

open_innovation.jpgアメリカやヨーロッパは、過去20年、オープン・イノベーションを進めたが故に、大企業の競争力は増し、ベンチャーにとっても大学にとっても活性化の源泉となっているそうです、三方Win-Win(右図はオープン・イノベーションによる研究開発のイメージ図)。 一方、日本は内製化にこだわり、外の新しい技術に重点を置いてこなかった、と。

私が驚いたのはHVCレポート『欧米企業のオープン・イノベーションへの取組』にあった独化学品大手BASFや米製薬大手Merckの例。 研究開発が生命線の製薬業界、最近また大型買収が続き再編の動きが加速していますが、Merckは外部の技術を取り入れることにも非常にどん欲です。

→ 続きを読む

シンガポール大学生の人気業界

先週のThe Straits Timesにシンガポールの大学生の就職志望業界ランキングが載っていました。
シンガポールという国をよく現している気がします。

1. 銀行・金融
2. 政府・公務員
3. 航空・旅行
4. エンジニアリング
5. 監査・会計・税務

不況はほとんどこの順位に影響を与えていないそう(また、A-levelと呼ばれる成績上位の学生によるランキングも上記と同じ)。

金融がトップにくるのは、アジアの金融センターとしてあらゆる金融機関(銀行・保険・ファンド)が集まり仕事の数自体が多いことと、給料が多いことの相乗効果。
政府が2位にくるのは、シンガポールのトップレベルの学生は政府が青田狩りをすること(後述)、給与レベルも高く若手の抜擢もありやりがいもある(らしい)こと。
あらゆる多国籍企業のアジア・太平洋本社が集まるハブなのですが、「業界」というくくりでは目立ったものがないので、上記のような結果になるのかー

比較として、リクルートが毎年発表する日本の大学生就職志望企業ランキング(志望業界ランキングがないので)。(NIKKEI NETより)

1. JR東海
2. JR東日本
3. 全日本空輸(ANA)
4. みずほFG
5. 三菱UFJ信託銀行
6. 三菱東京UFJ銀行
7. 東京海上日動火災保険
8. NTT DoCoMo
9. 三井住友銀行
10. ベネッセコーポレーション

今は旅客運輸と金融が人気があるようですね。

→ 続きを読む

企業の競争相手が個人になる時代

書かれてからだいぶ日が経ってしまったのですが、ズキューン!ときた記事。
シリコンバレー在住の江島健太郎さんという方が書いた『LingrとRejawサービス終了のお知らせ』というCNETブログ。

失礼ながら江島さんのこともLingrもRejawも何も知らなかったし、今も知らないけれど、3年間育ててきたサービスを終了し会社を解散することになった原因をまだ混乱の最中にいるであろう当事者が冷静に分析しパブリックにするという、あまり見かけない内容。

その謙虚で冷静な態度にも感銘を受けたのですが、それ以上にズキューン!ときたのが今回の敗因分析の以下の箇所。

私が得た教訓は「究極の少数精鋭はひとり」「プロパー指向という贅沢は軌道に乗ってから」といったあたりです。(中略)

この分野では「企業の競争相手が個人になる時代は目の前まで来ている」ということです。 スタートアップ企業を作って数名で作るのと、一人の個人が副業で立ち上げるのとでは、最終的に出てくるモノの差がだんだんなくなってきており、単に「かかるコストだけが100倍違う」ということになりかねない、と思うのです。

もちろん『フラット化する世界』『フリーエージェント社会の到来』などを読んで「個人のグローバル化」「個人の時代」なんて言葉は頭で理解しているけど(ブログにもいろいろ書いてます、こちらこちらなど)、やっぱり実際に挑戦した人から(ブログを通して)「4人というのはやはり大所帯だった」と聞くのとはインパクトが違います。

→ 続きを読む

優秀な外国人を求める企業募集

シンガポールに引っ越して来て以来、5年も前に卒業したINSEADとの距離が近くなりました。 卒業生を対象にシンガポール・キャンパスで開催される各種イベントに顔を出していたら(→こちらこちら)、そのうち学校から声がかかるようになり、今では受験生のインタビュアーもやってます。
今日は学校のCareer Service(就職課)から頼まれたので、みなさんにもお願いです。

ビジネススクールの就職課は業界ごとに担当者がおり、企業との関係構築、学校の宣伝、オンキャンパスリクルーティング(企業がキャンパスに来て行う説明会・面接)開催、インタビュー(面接)アレンジ、などあらゆる側面から学生(そして卒業生)の就職活動の支援を行います。

企業との関係構築は長期に渡り、まず企業が在校生・卒業生のレジュメ(履歴書)を閲覧しどのようなスキル・経験を持つ学生がいるかを把握、サマー・インターンやフルタイムで企業・学生双方が条件を含め合意したら学生が就業開始、「去年雇ったINSEAD卒業生のパフォーマンスがいい」ということになれば継続的に企業が雇うようになり、複数名募集するようになればキャンパスに来て説明会・面接を行うオンキャンパスリクルーティングに発展します。

伝統的にMBAを雇うコンサルや投資銀行以外にも、若干名でも継続してINSEAD生を雇う企業は着実に増えており、学生と企業双方の希望を聞きながらマッチングさせるのが就職課の仕事。 2007年、INSEAD生の就職先企業はこちらをご覧ください。

→ 続きを読む

日本のベンチャーよ、世界を目指そう

渡辺千賀さんに続いて(→こちら)、梅田望夫さんまで「あー、言っちゃったー」です。

残念に思っていることはあって。 英語圏のネット空間と日本語圏のネット空間がずいぶん違う物になっちゃったなと。

日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編) (1/3)
日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編) (2/3)
日本のWebは「残念」 梅田望夫さんに聞く(前編) (3/3)

IT Mediaのこの記事、読んだ瞬間、「また炎上するだろうなー」と思っていたら案の定ネット上でバッシングされている模様。 池田信夫さんも取りあげてました(→『梅田望夫氏の開き直り』

気になったので梅田さんの記事で触れられていた『ウェブはバカと暇人のもの』を斜め読みしてしまった。 普通に読み物としては面白かったです(ブログをやっている身としては「ブログは一般人のどうでもいい日常」にドキッとした、笑)。

私自身は英語圏のネット空間も日本語圏のネット空間も必要と適正に応じて使い分けていて「物は使いよう」「ネットはあくまで道具」だし、ブログでいいことたくさんあるので「バカと暇人のもの」とはあんまり思っていないのですが、反応を見ていると、梅田さんが言わんとしているところと全然違うところに反応している人が多いことに気づきました。

「日本発でいいものができないってのか?!」
という趣旨で、ちょっと前の「日本はダメだ論」にすり替えられてしまっているものが多いような。
梅田さんの真意については海部未知さんの感覚が近いです(↓)。
Tech Mom from Silicon Valley:梅田氏と「アテネの学堂」

→ 続きを読む

5年目の同窓会

先ほどフランスから帰ってきました。
初夏のフランスはベストシーズンで周りにつられてさんさんと降り注ぐ太陽の光を浴びていて気がついたらすっかり焼けてしまいました。 赤道直下のシンガポールではこんなことしないんですが・・・ 太陽のありがたみが違うんだな、質まで違う気がする。

今回は出発前のこちらこちらに書いたようにINSEAD卒業5周年の同窓会+プロヴァンス地方ドライブ旅行。

まずは同窓会の話を。

HBS(ハーバードビジネススクール)で伝統である学期最後の授業で教授が生徒に送るメッセージを集めた『ハーバードからの贈り物』という本にあった、

自分の実績と収入を、自分自身の目標や成功の基準ではなく、同級生の実績や収入と比較することになるのだ。

から「同窓会には行くな」という教授からのメッセージに考えさせられた話を『MBAの同窓会』というエントリーに書きました。
そのことを再び書いたエントリー『友人の昇進』に、渡辺千賀さんからStanford MBAでは
意外に「そんなにはうまくいってないひと」「ふつうなひと」の方が出席しがちな気がします。 とっても成功している人(個人資産二桁million $以上って感じかな?)はまず来ません。

とコメントをもらったので、同窓会で繰り広げられる人間模様にますます注目していました。

結果は、、、
「他人と比べる」ような雰囲気は皆無でした。
全くなし、誰も仕事の話なんてしていない、ゼロ。

→ 続きを読む

友人の昇進

週末、友人の昇進サプライズパーティーに招かれました。
今まで誕生日パーティー、歓迎会、送迎会、婚約パーティー、いろいろ行ったけど、昇進パーティーってのは初めて(本人が企画したものではなく、同僚が企画したサプライズだったけど)。 ひょっとしてこれからもっと招かれたりするのかしら?

彼は私と同い年のフランス人。 留学時代のハウスメイトで、唯一マジ喧嘩をした相手であり、親友であり、留学後はお互い母国に帰ったのになぜか2人ともほぼ時期を同じくしてシンガポールに引っ越しました。
MBA前にプライベートエクイティー(PE)という珍しい経歴で(普通、PEってのはMBA後の憧れの就職先であり、新卒そこらのペーペーは滅多に入れない)、頭がスーパー良くて私はよく勉強を助けてもらったのだが、MBA後はあっさりマッキンゼーへ(彼の場合、PE出身なので年収ダウン)。
その後みるみる昇進して5年経たないうちにジュニアパートナーになったというめでたいお話。

私の非日本人友達の中では断トツのワーカホリック。
ワークライフバランスの「ワ」の字もなく、シンガポールから1泊3日ニューヨーク出張(飛行時間19時間!)とか、日曜の夜行便でシドニーへ飛び金曜の夜行便でシンガポールに帰ってくるプロジェクトを2カ月間とか、3日間寝てない、とか・・・ で、同じシンガポールにいるのに滅多に会えないです。

「昇進するまで(彼女に)プロポーズできない」という名言を吐いたことも(そういや、昇進したし、プロポーズするんだろうか?)。

→ 続きを読む

東京発Genkiiなベンチャー

土曜はunConferenceというテクノロジー・ベンチャーが集まるコンファレンスに参加。
今まで何度も海外のコンファレンスに行ったことはあるけど、よく考えるとスタートアップだけが集まるコンファレンスに参加するのは初めて。

梅田望夫さんが

シリコンバレーでは技術者・ギークが主役でVC(ベンチャーキャピタル)やコンサルタントは脇役。 特に20-30代のギークが主役で40-50代は脇役。(SVJENより)

と言っていたが、本当にまさにその通りで、脇役な私は若いギークたちのエネルギーを洪水のようにたっぷり浴びてきました。

以前、シンガポール人は起業家魂がないと書きましたが(→『シンガポールで起業したい人へ』)、シンガポールはこういうアジアの起業家を集めたハブ的な機能にはぴったりかも。
シリコンバレーからScott Rafer(過去、MyBlogLog.comのCEO(Yahoo!に売却)、FeedsterのCEOを歴任。 今はLookery.comのCEO、Mashery.comの共同創業者でボードメンバー、Delivr.comの会長)をKeynote Speakerとして呼び、スタートアップ(→参加企業リスト)も合計10ヵ国から。 最近のベンチャーは創業当初からグローバル展開するので、すでに数カ国にチームが散らばっているベンチャーも多くありました。

目玉はスタートアップがVC etc.投資家兼審査員の前で行うエレベーターピッチ。
何とこのエレベーターピッチに日本からベンチャーが登場!

→ 続きを読む

北海道ベンチャーキャピタル

第1回シンガポールオフ会で出会ったYさんはプロのリサーチャー(市場調査)なのですが、最近、何と仕事中に読んだ記事の中で、私が興味を持ちそうな記事をスキャンして送ってくれるようになりました。
めっちゃくちゃ嬉しいんですが、プロにこんなことしてもらって申し訳ないなー・・・

その中で今日はビビッときた記事を紹介。

『斜陽・北海道を立て直せ! ベンチャー投資で地域再生』という週間東洋経済(4月25日版)の記事。

北海道ベンチャーキャピタルという北海道という地域密着型のVCを設立した松田一敬さんの話。
今回の世界的大不況で日本経済全体が沈んでしまったので目立たなくなっているのかもしれないが、地方財政が中央に依存し、自立できないまま構造的に落ち込んでいってしまう地方問題は、大きな問題のひとつで、ヒデも地方活性化をテーマのひとつに掲げていましたね(→『ヒデの新たな挑戦』)。

記事で初めてこのVCの存在を知ったのですが、ベンチャーキャピタルという手法を使って、道内企業を育成し経済的な自立を目指すという試みは、中央からの補助金に頼りハコモノを作る従来型の「村おこし」と比べると、すごくしっくり納得のいくもので、「あー、なんで今までこういうのなかったんだろう?」と思ったのでした(私、完全に門外漢なので、単に知らないだけかも。 他の地方にも例があれば教えてください)。

→ 続きを読む

シンガポールで起業したい人へ

シンガポールで起業しよう!って人がどのくらいいるかわかりませんが、シンガポールには多くの起業支援プログラムがあります。 主にSPRINGというイノベーション推進政府機関が実施しているので、そこからいくつか紹介。

  • EntrePass・・・シンガポールで起業・会社設立したい人のためのビザ。 同様のビザは他の国にもあるのですが、イギリスでは20万ポンド投資する予定であることを証明するなど条件があるのに比べ、条件が遥かに緩いのが特徴。
  • SPRING SEEDS・・・スタートアップのシードマネー(起業時の資金)をSPRING : 他の投資家 = 2 : 1の割合で政府が投資するプログラム。
  • Business Angels Scheme・・・政府指定のエンジェル投資家団体から投資を受けるスタートアップは、SPRING : エンジェル = 2 : 1の割合で政府の投資が受けられるプログラム。
  • Enterprise Investment Incentive・・・スタートアップに投資する投資家は、S$3mil.まで投資損金を課税所得から控除できる。

他にもいろいろありますが、これだけ政府が熱心にスタートアップを育てようとしているところは他にないのでは?

→ 続きを読む

目の前のお金に惑わされない法

直球なタイトルですみません。

「夫婦2人で同時期にMBA留学→海外就職を計画しているが、かなりハードルが高そうである。 結局、留学のためにした借金返済を優先し日本に帰ることになっちゃうのかな?」と悩んでいるブログ読者がいるので、そういうケースの対処法です。

もっと平たく、目の前に本質的に自分の求めているものではないが待遇がいい話がある、どうしよう?っていうときの対処法だと思ってお読みください。

私にもこの点に関しては苦い経験があります(昨日書いた「どうせ痛い思いをするなら早めにしよう」という基本行動方針が守れず安易な道を選んでしまった例)。

MBA留学は(学校によって大きく異なるが)1年制で1,000万円、2年制で1,500 - 2,000万円という巨額の費用(学費 + 生活費)がかかります。 私が行ったINSEADは1年制だったのですが、留学が終わる頃には必死で貯めた貯金が底をついていました。
しかも、プログラム後半は多くの企業が学校にリクルーティングに訪れるためプログラム終了前に卒業後の職が決まっている同級生が続出し、非常に焦る時期。
私も周りの雰囲気に飲み込まれるように、フランスにいながら日本の転職エージェントに履歴書を送ってしまい、すぐ仕事の紹介を受けました。 そして、すぐ内定。

自分は本当は何をやりたいのか考える余裕もないまま内定を得てしまい、ヨーロッパでの就職活動もそこそこに帰国。 日本で他も見て回ろうと思うものの、数ヶ月前に内定が出た会社にはもはやあまり待ってもらえない。 しかも、「そこそこ」興味もあり、「なかなか」待遇もよかったのがよくなかった。 帰国後の私は貯金も底つき、東京の友人宅に居候しながら就職活動をしていたので、もう待ってもらえない、ところまできて、結局契約しました。

その会社では、いろいろ素晴らしい経験もできたのですが、やっぱり「もっと違うやり方があったろうに」とは今でも思います。

→ 続きを読む

日本のアンドリュー・ロイド・ウェバー

先週アンドリュー・ロイド・ウェバー(イギリスの著名ミュージカル作曲家)の代表作CATSを見に行ったと書いたら、タイミングよく(自称)日本のアンドリュー・ロイド・ウェバーの友人からメールがきました。

彼の名は大野裕之、ニックネームはチャーリー。
大学のクラスメイトです。
変人の多い我が学部の中でも群を抜く奇才で、高校生のときにロンドンミュージカルに心酔。 出会った大学1年のときにはもう「日本のアンドリュー・ロイド・ウェーバーになる」と豪語しており、在学中に「劇団とっても便利」というとってもふざけた名前の劇団を立ち上げました。
日本のチャップリン研究第一人者(だからニックネームはチャーリー)として「徹子の部屋」にも出ています。

もっと彼の変人ぶりを知りたい方はこちら(↓)。
劇団とっても便利:大野裕之

今回のメールは新しいミュージカルのお知らせだったのですが、主演はかの有名な小柳ルミ子さん。
「若い男に恋をしてしまうすっかり忘れ去られた大女優の役」をルミ子さんが演じるんだそうです・・・

唖然・・・ハハハ、そんなのってありなんだ・・・これは誰の案? →チャーリー?

→ 続きを読む

グローバル標準Expatモデル

『絶滅寸前? 駐在員手当』というエントリーは密かな反響を呼んだので、もうちょっと補足します。

Expat(Expatriateの略)は日本語で駐在員と訳されますが、いわゆる駐在員手当のない人も含み「外国人の(ちょっと高給)ホワイトカラー」くらいの意味です。 シンガポールに住む私の友人はほぼ全員これ。 ヨーロッパ、アメリカなど他地域のオフィスから転勤してきた人もいますが、駐在員手当がある人はたしかいなかったような・・・

Mercerという世界最大の人事コンサルファームの下記コラムに最近のExpat benefit(Expatの福利厚生)のトレンドが載っています。
MERCER : Expat benefits: Achieving parity in a global arena

関連部分を要約します。

トラディショナルなExpat benefitは数年の海外勤務後、母国に帰ることを前提にしたものであるのに対し、次のような最近の傾向に伴い企業もモデル修正を迫られている。
「グローバル放牧型」の従業員が急激に増加している。 彼らはさまざまなプロジェクトで国から国へと移動する。 プロジェクトの数、頻度、その性質により、彼らはすぐに就職した国とのつながりを失ってしまうので、就職国の福利厚生パッケージ(年金、健康保険、など)をキープしておくことに意味がなくなってしまう。

そして、この「グローバル放牧型」従業員増加への対策として、
従業員のポジションと業務上ニーズによってExpat benefitをフレキシブルにレビュー・対応させている。 特定の業務上ニーズ(例えば新規事業立ち上げなど)によってプロジェクトが生じ、特定のスキルを持った人が必要な場合やグローバル・リーダーを育成するといった企業目的を達成したい場合などは、企業も転勤をサポートする必要を認識し、より充実した手当が与える。 一方、若手がキャリア開発のため多地域で職務経験を積む場合には、企業から出る手当は多くはない。

→ 続きを読む

海外就職における「個人の力」

昨日が日本人の海外就職における「日本の力」だったので今日は「個人の力」の話。

梅田望夫さんの「自分の力と時代の力」講演録にはこうあります。

非常に能動的で積極的で勉強しようと思っていて、一生懸命生きようと思っている人たちにとっては、その人生を助けてくれる道具がものすごく充実していて「自分の力」の増幅装置になる。 かりに「時代の力」が衰微していても、ミクロに見れば、いろんなオポチュニティが目の前にあるわけだから、そういうところを「自分の力」でこじあけていける。

この「個人の力(梅田さんは「自分の力」と書いていますが)の増幅装置が充実している」という点については、私がINSEADを卒業したわずか5年前に比べてもそうなってきている、と感じます。

その話の前に、増幅装置はあくまで増幅するためのものであり、もともとが小さければ増幅幅も小さいです。
『勝間和代の日本を変えよう』に、

いま日本で年収1,000万円もらっている人がアメリカで就職しても10万ドルもらえない

とあって、その通りだな、と思いました。 これは英語が完璧に使えるとして、スキル・学力・ノウハウがそのままの前提での話です。

日本は就職した企業(日本企業の場合、多くが新卒入社)の業界とその企業の業界内での位置、プラス年齢でほぼ年収が決まるので、大手企業で課長レベルになれば(都市銀行・証券、総合商社は課長にならなくても30代前半で)年収1,000万超えますが、その中で、アメリカじゃなくてもヨーロッパでもシンガポールでも10万ドルの価値がある人は少数だと思います。

→ 続きを読む

海外就職における「日本の力」

最近めっきり更新が減って寂しい梅田望夫さんのブログですが、『「自分の力と時代の力」講演録』というエントリーにあった「時代の力」と「自分の力」の捉え方が私が今までひしひしと感じてきたことと非常に近いので経験を重ね合わせながらご紹介します。

とてもいい講演録なので、ぜひ全文読んでください、なのですが、以下関係部分だけ要約です。

梅田さんがシリコンバレーに移住した1994年は3つの「時代の力」が渦巻いていて、「時代の力」に押されるようにやってきた。
1つめは世界経済の状況。
2つめは「日本の力」(80年代後半はジャパン・マネーが席巻し、日本という国や日本企業の力をバックに、大きな仕事をして人脈を作ったりすることができた)。
3つめは「技術や産業の力」(ITは昔に比べ成熟し、時代の力は弱まっている)。

昔に比べ、これからシリコンバレーに移住しようとしている日本人を取り巻く「時代の力」は総じて弱まっている。

3つの「時代の力」が弱まっているという話は納得ですが、1.は全世界的に当てはまるし、3.はIT産業に特化した話なので、日本人が海外で就職したいときに、2.「日本の力」がどう変化してきているかについて私が実際感じてきたことを。

日本で生まれ育った日本人の海外就職(アシスタント職ではなく、メインストリームを対象)にはいろいろなパターン・タイミングがあります。
1. 大学から海外でそのまま現地就職(続いてMaster, PhDなど取得した場合もここに含む)
2. 日本で就職し数年経った後に大学院留学し、現地(または他の国で)就職
3. 日本企業から海外駐在し現地で転職
4. 日本で働いた後、自力で海外に渡り就職

その他にもありますが、私が一番詳しいのは2.のケースでMBA取得直後にそのまま海外で職を見つけるケース(私自身は2.ではなく4.)。

→ 続きを読む

「世界級」的に読むサバイバル・キャリア術

本田直之さんの『本田式サバイバル・キャリア術』を読みました。

え???
本田さん、私の心を読んだ???

っていうくらい最初から最後までうなずき通しでした。 出てくる本もほとんど私が影響を受けた本ばかりだし。

私たち世代は盛田昭夫さん、松下幸之助さんの伝記読んでも感銘は受けるがピンとはこない。 大前研一さん、石倉洋子さんのキャリアもそのままマネしても通じない(通訳とマッキンゼーがお2人の共通点)。 本田さんあたりまで年齢が下がってようやくそのまま参考になるんじゃないでしょうか?

このブログで今までに書いたことと非常に重なる部分が多いので、本の内容をブログ記事と重ね合わせながら紹介します。

まず、「私は不況が好きです」というギョッとする文章から始まるこの本。
私自身は不況は好きではありませんが、今までのキャリアの中で起ったことで一番ラッキーだったと思っていることは新卒で入社した会社が経営不安に陥ったことです(私が辞めた後、その会社は同業他社と合併)。 あの出来事がなく何となく安定した会社に入社していたら今の私はなかったと思います(その経緯は→『米金融、未曾有の危機』に)。

→ 続きを読む

不況で従業員のロイヤリティを高めた会社

世界中で雇用情勢は厳しさを増すばかりですが(って、こんな部外者みたいな口ぶりの私ももろに影響を受けているんだが)、暗い話は聞き飽きたと思うので、こんな会社もあるよ、ってお話。

ある業界に特化した戦略コンサルファームの話で全世界に200人くらい従業員がいます。
コンサルファームや弁護士事務所、会計事務所はプロフェッショナルファームと呼び、パートナーシップという会社形態を取ることが多く、給料をもらう従業員と利益を分けるパートナー(共同経営者)からなり、この会社も例外ではありません。

このファームがすごいのは、売上など経営に関わる情報が広く社員に共有されていること。
イントラネットで全世界のオフィスのセールス状況、プロジェクトの金額、各レベルのコンサルタントのチャージャビリティ(*1)の目標と実績値がほぼリアルタイムで公開されており、毎週サマリーがE-mailで送られてくるので、全員が会社の売上推移を把握しています。
*1・・・コンサルファームはプロジェクトで働いた時間あたり報酬をクライアントに請求するため、勤務時間のうちどれだけクライアントに請求(チャージ)できたかを示すチャージャビリティが重要な指標。

全社の売上なんて、上場企業の社員であれば業績発表時に初めて知り、未上場企業の社員であれば正確なところは知らなかったりするのが普通だと思うので、この透明度の高さは驚き。

→ 続きを読む

「中国人・インド人は起業家魂がある」の嘘

シンガポールに来て以来、思っていたこと。 反論歓迎。

よく「中国人とインド人は起業家魂(Entrepreneurship)があるけど、日本人は・・・」のような言われ方をすることがありますが、私は人種・民族と起業家魂には全く相関性がないと思っています。

なぜなら中国人、インド人で溢れているのにも関わらず、Entrepreneurshipがない場所があるから。 それは、ここシンガポール。

シンガポールの産業構造は大きく分けて3層構造。
1. 多国籍企業のアジア・パシフィック本社
2. 政府系企業(Government Linked Company = GLCと呼ばれ、シンガポール航空、Singtelなどシンガポール主要産業の中枢を司る)
3. (主に中華系の)家族経営の中小企業

『300人待ちの幼稚園』に書いたように幼少期からの教育競争は熾烈ですが、言語の習得(英語と中国語)に非常に力点が置かれており、上記1.と2.(両方とも大企業)に職を得て成功することがよし、とされており、親が子どもに期待するのも「いい職につく」こと。

起業の形には、"Opportunity driven"(いわゆるベンチャー・ビジネス)と"Necessity driven"(海外で中華レストランを経営する中国人など、仕事がないから必要に迫られ自営するもの)に分けられますが、シンガポールはそのどちらも少ない、という点で日本と同じ。

→ 続きを読む

海を渡った日本人画家

kazumasa_rose.jpg私の高校時代からの友人が銀座に画廊をオープンしました(右は応接室に飾ってあった、中川一政の「薔薇」)。
高校は大阪、大学は京都、就職してからは東京、と同じ場所にいて、彼が新卒就職した会社を辞め画廊の見習いになってからの苦労を見ていたので、ひとまずオープンに漕ぎ着けられて私も喜んでいます。
本当におめでとう。

銀座の中の銀座にある画廊を訪ねると、いつものとおり(いつも以上に)絵に対する想いを語ってくれました。

彼が扱うのは1900年代初頭に活躍した画家による日本の近代洋画。
「なぜその時代のその絵なの?」という私の問いに
「純粋にいい絵だと思うから」というまっすぐな答え。

江戸時代後期から明治時代にかけて日本が200年の鎖国から覚め、西洋のものが次々と入ってきた頃、当時、日本画を描いていた画家は全く技法も表現も異なる西欧の洋画にひどく衝撃を受けたんだそうです。
そのうち「どうしても自分の目で確かめ技法を身につけたい」という熱い想いを押さえきれない画家たちが自力でヨーロッパ(多くはフランス)に渡り始めます。

→ 続きを読む

岩瀬さんと生命保険

東京ではライフネット生命保険の副社長、岩瀬さんのオフィスにお招きされお会いしました。
知っている人も多いと思いますが、こちらにも書いたように東大(在学中司法試験合格)、BCG、リップルウッド(投資ファンド)、HBSの成績上位5%という輝かしいキャリアの持ち主。
Wikipedia : 岩瀬大輔

同年代の岩瀬さんはMBA留学時期はかぶっていないのですが(彼は2004 - 2006年、私は2003 - 2004年)、ハーバード留学記の頃ちらちらブログを読んでおり、卒業後どうするのかな?と思っていたら、ネット生保立ち上げということで度肝を抜かれました。
そして、『ヒーローリスト公開』というエントリーに「死ぬまでにぜひ会ってみたい人」と書いたら、ご本人からメールがきた、という嘘のような本当の話。

lifenet.jpgいろいろ個人的な話もしてお土産に本も頂いて、その日ちょうどオフ会だったのでライフネット宣伝用のパンフレットも頂きました。
そしてオフ会でパンフレットを配ろうとすると、皆さん、あんまり生命保険には関心がない、知らない、のですねー。 新卒の会社に通っていた生保レディに契約させられそのまま○年・・・とか。

・・・ということで、ちょっと生保のお話。

→ 続きを読む

究極のキャリアドリフト

Happenstanceというブログ経由で川井 拓良 さんという方のインタビュー記事を読みました。
この人のキャリアを読んで絶句・・・すごすぎます・・・

日本の中学卒業 --> NZのマオリ族の高校入学 --> 南ア共和国の高校卒 --> モスクワ国立大学入学 --> モンゴル国立大学入学 --> 英国リーズ大学卒 --> 英国オックスフォードロースクール卒(奨学金) --> ベルギー・ルーベン大学院卒(奨学金) --> 国際弁護士

モンゴルあたりまでの経緯が抱腹絶倒なので、ぜひインタビュー記事を読んでください。
それにしても、失業率100%のマオリ族の村の高校でマオリ語で授業とか、モスクワから日本に鉄道で帰る道中で途中下車したウランバートルの空にひとめぼれって・・・

シンガポールは幼少から競争社会であり3歳で3つの塾通いは当たり前、インドでも中国でも幼少期からの競争は激しくなるばかり。
一方、私自身は小学校で一番好きな科目が体育。 夏は水泳部、秋から春はバスケットボール部、大会前だけ陸上部と3部兼部していて、まともに勉強したのは中学3年の高校受験が初めてというクチだったので、子どもは外で遊ぶべし、と思っており、川井さんのインタビューは素晴らしく希望を与えてくれるものでした。

そして、この方のキャリアは最近よく聞く「キャリア・ドリフト」というやつではないでしょうか?

→ 続きを読む

業界の旬とキャリア相談

最近書いた『インドITエンジニアに見るデジャブ』というエントリーへのコメントで、マネックス社長の松本さんによる就活大学生に向けた次のメッセージを紹介してもらいました(CREAさん、ありがとうございます)。

もし今僕が就活生だったら、絶対投資銀行なんか入らないけどな。
実際僕がそこへ入ったのは投資銀行業界が栄えてきて10年くらいしたときで一番勢いがあった。
そこからもう20年経った今、もう外資金融の伸び時期はもう終わっている。
成功して盛り上がった後に相乗りするのは時代遅れ。

極めて納得、そしてどんな業界にも旬があるのは事実。

そして思い出したこと。
最近まで続いた好景気の中で欧米トップビジネススクールの学生に人気だったのは、プライベート・エクイティ(PE)、ベンチャーキャピタル(VC)、ヘッジファンド。 これらの業界は非常に狭き門なので多くの友人たちは、あくまで通過点として投資銀行や戦略コンサルに入っていきました(そして、思惑通り、数年後に転職する人多し)。
以前このエントリーで紹介した『Ahead of the Curve: Two Years at Harvard Business School』ではハーバードビジネススクール(HBS)の学生が本当にやりたいことなのか熟考せずに給料と待遇、知名度で就職先を決めていくさまが克明に描かれていて、私の(一部の)同窓生の姿とかぶりました。

現在は彼らのうち、職を失ったか苦境にある人も多いのですが、PE、VC、ヘッジファンド他の業界のバブル終焉し旬が過ぎたのか、同じ形で復活するのか、どう変容していくのか、私にはわかりません。 それぞれ異なる性質の業界であり、(例えば日本ではVCにとって投資対象案件そのものが少ない、など)国ごとの違いも大きいので一概には言えないし。

→ 続きを読む

ロンドンで懐石料理レストラン

いまいちシリーズ化していない起業家応援シリーズですが(ブログの右下のTag Cloudで'起業家'をクリックすると、私の友人起業家たちの話が読めます)、今日はロンドンで日本食レストランをオープンした日本人女性のお話。

私が渡辺彩子さんを知ったのはINSEADの卒業生ニューズレター(↓)。 そう、INSEADの先輩です。
INSEAD : Meet Ayako Watanabe MBA'96D - Founder, Saki Bar & Food Emporium, London

2006年にレストラン激戦地のロンドンで本格日本食(懐石)レストランSaki Bar & Food Emporiumをオープンし、あまたあるレストランの中から数多くの賞を受賞しています。
'The UK Best Dishes Award'
'Best Seat in the House'

海外で成功している高級日本食レストランの経営者ってNOBUの松久信幸さんとか、Tetsuya'sの和久田哲也さんとか、シェフ出身で「料理の腕がよく、経営もわかる」人だと思っていたのですが、なんと彩子さんはINSEAD卒業後、ITコンサルのアクセンチュアに勤務すること6年。
思わず「ニューズレター見ました!」とメールしてしまいました。

→ 続きを読む

インドITエンジニアにみるデジャブ

インドのよかったところはインド国内の英字新聞や英字雑誌が多いので、インド視点のニュースが生で手に入るところでした(空港・ホテル、何かと待たされる国なので、読む時間はたっぷりあり)。

私たちの滞在中、一番大きな経済ニュースはITアウトソーシング大手Satyamの決算粉飾でしたが(下記)、私が一番注目したのは週刊誌Business Today(だったかな?)に載っていたITエンジニアの大量失業の記事。
REUTERS : Accounting scandal at Satyam could be India's Enron

過去数年間にInfosysやWiproなどインドIT大手の勃興、欧米系IT大手の相次ぐインドへの進出により、200万人以上とも言われるITエンジニアを生み出したインドIT産業が世界不況により業績悪化しており、(今まで需要が供給に追いつかなかった)ITエンジニアを初めてリストラしている、との話。
その記事は初めての危機に直面した若手ITエンジニア(そして広くは高等教育を受けた若い知識産業従事者)に向けて書かれており、「これからは今までのようにジェネリックなスキルだけではいけない。 より高度で成長分野の知識・スキルを身につけて他者と差別化をはかろう」と結ばれていました。

→ 続きを読む

企業が学生に夢を与えるひとつの方法

私が学生の頃、会社ってどんなことをするところなのか想像もつきませんでした。 毎日、朝早くから晩遅くまで会社員は同じ場所に通い続けていったい何をしているのかと・・・
今は当時に比べるとインターンなどを通して就職する前にある程度仕事を体験できる機会が広がってきたようですが、私たちの頃なんて大学3年も半ばになると自動的にリクルートから電話帳の2, 3倍はありそうな重さの情報誌が届いて、企業から会社案内が送られてきて・・・ 部屋の片隅にできたパンフレットの山を見ながら「これ読んで選べって言われても・・・」

OB訪問をするまで(サークルの先輩やバイト先の社員を除くと)社会人との接触もなかったし、ましてや大企業のトップなんて見たこともありませんでした。
日本の企業と大学はお互い不可侵であるという協定でもあるのかな?

・・・なんて思ったのはINSEADでGlobal Leader Seriesというイベントに参加したとき。 Global Leader Seriesというのは、INSEAD MBA学生が世界の著名なビジネス・リーダーをキャンパスに招いて、カジュアルな雰囲気で学生の前でリーダーシップについて語ってもらおうというイベント。

こちらに過去のスピーカーが載っていますが、2002年には当時Renault CEOのゴーンさん、2003年は当時GEのCEO Jeff Immelt、という錚々たる顔ぶれ。

→ 続きを読む

正社員の雇用安定がない世界から見て

またもや古い話ですが、去年の大晦日は夫のINSEADクラス同窓会 & 新年カウントダウンがシンガポールで開かれました。

集まった約50人のうち、半分以上はヨーロッパから休暇ついでにやってきていたのですが、再会を喜び近況報告をしていても、ついつい話題は不況の話に。
『MBAの同窓会』で書いたように、MBAという自己投資の成功の証は卒業後の進路なので、ついついお互いの地位・給料を値踏みしたりといったことが起こりがちなのですが、さすがにこの環境下、アグレッシブな雰囲気は身を潜め(雇われ人の中では最も高給取りのインベストメント・バンカーの職が真っ先に危うくなったからですが)、お互いにいたわり合う空気が漂っていました。

それにしても、シンガポール在住者に比べ、ヨーロッパ在住者の暗さが際立っていました。
シンガポールも不況ですが、「アジアは今まで毎年高成長してきたのが、2009年はゼロになるだけで2010年になればまた成長軌道にのるだろう」という楽観的な人が多いんですが、ヨーロッパ(特にイギリス)在住者は悲観的でしたねー

世界的に企業が雇用調整を進めているため、金融以外でもレイオフの話をちらほら聞きました。 不採算部門ごと、支店閉鎖のため、当該部署・支店の人員を全員クビにしたり(一応、「本社のある○○に移らなければ解雇」などオプションも与えられるらしいが)、人件費が高いシニア・ミドルもバッサバッサと斬られるので、もはや「大企業の正社員だから安泰」「高学歴・MBAだから安泰」は全くない世界です。

→ 続きを読む

松田公太さんの新たな挑戦

皆さま、お悔やみ・励ましの言葉をありがとうございます。
祖母のことはまだ辛いですが、今日は嬉しいものを見つけました。

tullys.jpgタリーズです。 それもうちのすぐ近くで。

私はもともとスタバよりタリーズが好きだったのですが、タリーズジャパン創業者松田公太さんの『すべては一杯のコーヒーから』を読んで以来、ますますタリーズ・ファン、松田さんファンでした。 その松田さんが去年出された『仕事は5年でやめなさい。』の最後に「2008年はタリーズコーヒーインターナショナルをシンガポールに設立し、アジア展開する」とあったので、非常に楽しみにしていました。

私が今日近所に見つけたのは、シンガポール2号店でした。

→ 続きを読む

異端児こそサバイブしなければならない

私の高校時代の友人には大学の博士課程まで進んだ人が多いです。
大学時代の友人は修士か学士卒業の後、民間企業に就職しているのですが、なぜか高校時代の友人がやたらと高学歴です。

私自身はアカデミックとは程遠いのですが、彼ら(彼女たち)とは頻繁に会うのでポスドク(ポストドクターの略、博士課程の後)の就職難は直接聞いて知っていました(以下、関連記事)。
asahi.com : 博士、漂流 国策で急増、狭い就職口

一方で「GoogleのエンジニアはPh.D.(博士号)ばかり」という噂もある中で(→Google日本法人社長が否定しています)、なぜドクターは日本では活かされないの?という疑問もありました。

そんな中、面白いビデオをYouTubeで発見。
"i-modeの父"元NTTドコモの夏野剛さんが「博士のサバイブ法」と題し、Ph.D.交流会なるもので講演されたときのビデオだそう(9つに分かれています、下記はその1)。 夏野さんを知らない人はいないと思いますが、一応経歴はコチラ

→ 続きを読む

私の周りのフリーエージェント達

今日はクリスマス。
みなさま、いかがお過ごしでしょうか?(日本ではクリスマス・ディナーをクリスマスイブに食べるのですが、本場(?)ではクリスマス・デー(25日)の、しかも昼にクリスマス・ディナーを食べるのです。 うちは昨日まで夫が働いていたので前日に準備できず、夜に食べることにしましたが) 日本では休日ではないので、普通に出勤でしょうか?
以前の宣言通り、Christmas Turkey(七面鳥)にチャレンジ中。
でも焼くのに3時間かかって今まさにオーブンの中なので、写真は明日にします。

上海で再会した友人の話を。
上海在住アメリカ人Aとカナダ人Zの話は以前『MBA同級生に見る「フリーエージェント社会の到来」』というエントリーに書いたのですが、今回は彼らの生活ぶりをつぶさに見てきました(AとZの経歴を前のエントリーから以下引用)。 私たち3人は留学時代、(後2人を加えて5人で)家をシェアしていたので、半分家族みたいなもん、今回の上海でも家に泊めてもらいました。

A(生粋アメリカ人)は卒業後ボストンコンサルティンググループ(LAオフィス)で2年ほど戦略コンサルタントをしていましたが、2年後に独立。 職を持たないまま上海に渡り今はフリーのコンサルタントとしてアメリカ企業から常時2つほどのプロジェクトを請け負っています(すべて紹介で受注)。

Z(アメリカ在住経験の長いカナダ人)は卒業後Intel China(上海)であるプロダクトラインの事業戦略を行っていましたが、こちらも2年ほど働いて独立。 Aと同じくフリーのコンサルタントとして中国に進出するアメリカ企業(Intel時代のクライアント含む)に中国進出のアドバイスをしています。

以下、4つの側面に分けてヒアリング結果です。

→ 続きを読む

内定取り消しは"known unknown"

日本の景況感が急激に悪化しているとのこと。
新卒学生の内定取り消し、自動車メーカー数千人削減、といったニュースが次々と飛び込んでくるのですが、私は7月以来日本に帰っていないので、肌身で感じられないのですが、実際どうなんでしょう?

私が今まで肌身で感じた最大の不況はやはり拓銀と山一証券が破綻した1997年。 当時、大学4年生だった私は同級生の内定が取り消されるのを見て「エラい時代に就職になってしまったなー」と思ったものです。 かろうじて内定取り消しもされず就職した会社は、その数年後、同業他社と再編合併となりリストラが起ったことは以前書きました

内定を取り消された学生は気の毒だとは思いますが、別に就職できたからといって将来安泰が約束されている訳でもないし、「内定取り消さざるをえないような会社は経営不安なのだから、早めにわかってよかったのでは?」と思ってしまいます(この点は『問題は内定取り消しより新卒偏重では』の記事に極めて同意)。

ところで、新卒学生の内定取り消しにせよ、正社員で人員整理の対象になったにせよ、人件費の変動費化が進むアメリカはもちろんのこと日本でももはや"unknown unknown"ではなく"known unknown"では?
つまり、自分の内定が取り消される、人員整理の対象になる、という将来はその事実が起る直前までは不明(unknown)なのですが、不明である(ありうるかもしれない)ということは既に知っていた(known)では?ということです。

→ 続きを読む

二重言語をどう活かすか

『日本語が亡びるとき - 英語の世紀の中で』を読んで感じた3点目。

3. 二重言語をどう活かすか

たまに、「今回の金融恐慌で米国型資本主義は凋落した、アメリカの時代は終わりだ」的な論調が目につくのですが、アメリカという国の運命と英語の世紀が続くことの間にすでにあまり相関関係はないと思います。 英語が「普遍語」になって使われ出した時点で、すでに英語を母語とする国の手を(完全にではなくとも)離れてしまった言語ではないかと。

世界で英語を話す人口が一番多い国がインドであることは以前こちらに書きましたが、10年後には中国になると言われています(→YouTube : Did You Know 2.0)。
もちろんすべてが数の論理ではないのですが、これからは彼らが話す英語を理解することも必要になると思うことは『これからの時代の伝わる英語』に書きました。

そして、こんな時代になってしまって実は気の毒なのは英語を母語として生まれた人たちだと思っている私。
『Native English Speakerの危機』に書いたように、ヨーロッパではすでにだいぶ前から、そしてアジアでも英語 + α(多くの場合、対象となる市場の現地語)のマルチリンガルであることを求人で求められるようになっており(当然、文化的背景がわかるということ込み)、英語しか話せないmonolingual(単一言語)な人は、言語ではない他のスキル・経験で圧倒的な競争優位を持つことを求められます。

→ 続きを読む

絶滅寸前? 駐在員手当

『グローバル富裕層争奪戦』に「シンガポールの人口4.6mil.人中、外国人は22%を占め、1mil.人。」と書きましたが、当然の結果として労働人口に占める外国人の比率も高いです(下、社会実情データ図録「諸外国の外国人労働者」より)。
foreign_worker.jpg
諸外国と比較してもズバ抜けて高い。

そして日本では、「外国人労働者」というと「日本人がやりたがらない3Kの仕事に従事」というイメージですが、シンガポールでは(データはないものの)外国人のうちかなりの人数が高学歴・高度スキル人材です。

身近な職場でのチーム員の国籍はこんな様子。 一応、マネジメントから順に並べてみました。

  • 夫が勤める英系戦略コンサル:インド人、イギリス人、オーストラリア人(夫)、スウェーデン人、中国人

  • 私が最近一緒に仕事をした米系VC:オーストリア人(米国グリーンカード保持者)、イラン系アメリカ人、ロシア人

  • 友人が勤める米系戦略コンサル:シンガポール人、ドイツ人、フランス人、インド系アメリカ人

上記すべて欧米系のプロフェッショナル・ファームですが、ここに出てきた人全員(20 - 40代)、駐在員ではありません。 現地就職ではなく母国・第三国などから社内異動で移ってきた人も多いのですが、駐在員手当というものはありません(会社によっては引っ越し代が支給されたりする程度)。 グローバル一律の給与体系なので「現地給与」というものもなく、「(シンガポールは母国より個人所得税が低いので)手取りは逆に多くなった」、と喜んでいる人も多い。

→ 続きを読む

ガラパゴス化する日本

日本を代表する産業といえば自動車と電機。
私も電機業界にいたことがある者として、最近の業界再編には注目しています。 ところが、国内企業同士の合併による規模の追求だけではもはや未来はない、という事実を突きつけた本を読みました、その名も『ガラパゴス化する日本の製造業』

日本がガラパゴス化しているという指摘は、以前ブログでも紹介した『パラダイス鎖国』という言葉とともに、最近よく聞くようになっていましたが、ガラパゴス化している個々の業界について、ここまで深く考察されたものを読んだのは初めて。 勉強になりました。

日本の家電・電機製品市場はシーズンごとに新機能を搭載したハイエンド製品をこれでもか、これでもか、と送り出すオタッキーな市場。 ところが、世界は、機能は「そこそこ」でも安くて使い勝手のよい製品がよく売れる、というマスな市場(もちろんハイエンド・マーケットも存在するが、機能よりデザインやユーザビリティに重点が置かれる)。

言われてみると、我が家もそこそこ製品で溢れ返っています。
テレビ・・・SONYのブラウン管。
DVDプレーヤー・・・LGの50ドルくらいの安物。
冷蔵庫・・・Samsung。 普通の冷蔵と冷凍機能のみ。
キッチン家電・・・TEFAL、Delongui、KAMBROOK。 機能は単純、見た目重視。
洗濯・乾燥機・・・Brandt。 聞いたことない、フランス製らしい。
携帯電話・・・Sony Ericsson。 見た目で選んだ、機能に興味なし。
パソコン・・・MacBook 1台、VAIO 2台
一眼レフデジタルカメラ・・・Canon 2台
プリンター・・・Canon

アパートについているものや、夫が買ったものが多いですが、特に不満はありません。 この中で「絶対、日本製じゃなきゃダメよね」と言って買ったのは一眼レフデジカメのCanonくらいじゃなかろうか?

→ 続きを読む

グローバル富裕層争奪戦

シンガポールを拠点としグローバルに投資するベンチャーキャピタルのマネージング・パートナー(ベンチャーキャピタルを立ち上げたトップ)の方と話していた時に、シンガポール政府のEDB(= Economic Development Board、経済開発庁)と移民局が共同で推進しているGlobal Investor Programについて詳しく教えてもらいました。

Global Investor Programとは世界中から投資家、起業家、企業家トップの資本・ビジネスをシンガポールに誘致するプログラムで、移民政策と密接に連携しています。
やはり話題になっているのは、一定金額以上投資すれば永住権の取れる点でしょうか。 以下の条件を満たせば本人と家族に永住権申請資格があります(EDB : Permanent Residence for Investorsより)。
< 2010/3/4 > Global Investor Programは2009年9月に大幅に下記より条件変更されています。 最新の情報はEDBサイトでお確かめください。

1. Invest at least S$1 million in a new business startup or expansion of an existing business operation or

2. Invest at least S$1.5 million in a new business startup, expansion of an existing operation, approved Singapore-incorporated venture capital fund or Singapore-incorporated foundation or trust that focuses on economic development or

3. Invest at least S$2 million in a new business startup, expansion of an existing operation, approved Singapore-incorporated venture capital fund or Singapore-incorporated foundation or trust that focuses on economic development. Residential property can be purchased with not more than 50% of the investment amount.

→ 続きを読む

外資系戦略コンサル vs. 投資銀行

週末なので、閑話休題。 くだらないけど、面白い"Damn, It Feels Good to be a Banker"。
かなり偏った人(業界人及びMBAホルダー)にしか面白くないかも。

ウォール街で働く若手コンサルタント(McKinsey, BCG, Bain, Accenture)と若手インベストメントバンカー(Goldman Sachs, Morgan Stanley, Merrill Lynch, Blackstone, Lazard)が路上でラップのリズムにのせて罵倒し合うビデオで、同名の本『Damn, It Feels Good to Be a Banker』の宣伝だとか。

歌がラップでスピードが速いので歌詞ものせておきます(→コチラ)。
業界の人ならわかる専門用語(jargon)満載(five forces3Cなど)で、くすりと笑えるのでは?

→ 続きを読む

Quality of (Traveler's) Life

今日からいつものブログに復帰です。
先週末から連続4日間、ブログ復元に没頭したところタイピングのしすぎでひどい肩こりになってしまい、昨日夫に肩のマッサージの仕方を教えました。
白人って肩が凝らないんでしょうか? 肩のマッサージをしたこともされたこともないので、ツボが分からないらしいのですが、力があるのでやり方さえ覚えたら強力な戦力になるのではないか、と期待しています。

先週のこのエントリーlat37nさんから「シカゴGSBも東京キャンパスを検討したものの、成田と都内が遠すぎて断念」というコメントを頂きました(ごめんなさい! コメント消えてしまいました)。

最寄りの空港の使い勝手が良いか、サービスの質が安定して高いか、は出張の多いビジネスマンのQuality of Life(生活の質)に直結します。
私の夫(頻繁にマレーシア日帰り出張する)いわく「チャンギ空港(=シンガポールが誇る国際空港)が今のチャンギじゃなかったら、ボクのQuality of Lifeはもっと惨めなものになってたと思う」。 過去1年で出張32回という時点で十分惨めだと思うが、それは置いておいて・・・

changi_airport.jpg世界のベスト・エアポート賞を何度も総なめにしたチャンギ空港はシンガポール国内のトラベラーのQuality of Lifeに大きく貢献しています(シンガポールはどちらの方向へ向かっても車で30-40分で海なので、ある意味国民総トラベラー)。

東洋経済オンラインに熱い記事(↓)が載っていましたが、やはり特筆すべきは「飛行機利用のためにかかる所要時間の短さ」。
<<対決! 世界の大空港1>>シンガポール・チャンギ 世界最強の眠らぬ巨獅子、人口の8倍呼び込む実力

→ 続きを読む

It's all about OB...

私がINSEADにMBA留学をして得たもののNo.1は一生ものの友人と卒業生ネットワークだということは以前のブログで書きましたが(→コチラコチラ)、「学校で学んだことはどうなんだ?」と聞かれると「OB(= Organisational behaviour、組織行動学)が重要だということ」でしょうか。 学校で「OBを学んだ」のではありません、「OBが重要だという事実に気づいた」のです。

組織行動学と訳されるOBの授業が私はINSEADに入った頃、大がつくほど嫌いでした。 「組織の中の処世術」としか思えず、「あえてMBAで習うことかー?」と思っていました。
INSEADはハーバードと同じくケース・スタディが多いので、30ページもあるケース(とあるイタリアの会社で、Fabrizio、Maurizio、Antonio・・・と同じような名前の重役10人くらいが出てきて、マーケティング部長Marioはセールス部長のStefanoと仲が悪く、でもStefanoは社長のFabrizioの高校時代の後輩で、会社の業績が悪化しているのに組織が紛糾寸前でどうしましょう?みたいなの)を読んだ後、クラスでああだ、こうだ、と議論するのです。
「そんなの時と場合によるんじゃないのー?」としらけきっていた私。

また、ある日のOBの授業では、事前に渡された指示書に従ってチーム内で、企業A 3名と企業B 3名に分かれて代理店販売契約だか何かの契約交渉をするロールプレイングを実施。
企業A担当の指示書には「自信に満ち溢れた態度をとり、すべての質問に対し独断で回答し、言葉は断定口調、質問は詰問口調・・・」みたいなことが書いてあり、企業B担当の指示書には「声は小さく、質問されたら質問にはすぐ答えずまず自分たちでひそひそ集まって相談し、その上で"社に持ち帰って検討する"と回答・・・」などと書いてありました。
そのロールプレイングをチーム内で実施した後、クラス内でAだった人はどう感じたか、Bだった人はどう感じたか、を議論。 授業の最後で教授が「Aはアメリカ人がよく取る行動、Bは日本人がよく取る行動」と種明かし。
この授業は「文化によって行動パターンも組織論理も異なるので、文化背景を理解しよう」というのがポイントだったらしいのですが、授業の最中、種明かしの前にだんだん筋書きが読めた私は激怒。 授業の後で教授に対して「教えようとしている意図はわかるが、文化的ステレオタイプ(しかもかなりネガティブな)をあえて助長するような教材を選ぶのはどうかと思う」と抗議しました。 「まあ、ちょっとステレオタイプだけどねー」とさらっとかわされたけど。

そんなわけで、数十あるMBAのクラスの中でOBの成績は最低でした(抗議は関係ないと思う、クラスの議論に参加しなかったのが理由)。

→ 続きを読む

ソフト・パリと魅惑のインド

昨日とがらっと異なり、ローテクなベンチャーのお話。
『果たしてヤジ馬なのか歴史の証人なのか』『すべては一杯のコーヒーから』に書いたように、INSEAD同級生の中には起業し始めた友達も多いのですが、ハイテクではなくローテク・ベンチャーの方がむしろ多い。

(ここから先は18歳以下の読者はご遠慮ください、笑。)
soft_paris.jpg最近聞いた中で一番面白かったのが、フランス人女性が立ち上げたSoft Paris(←ロゴをクリックするとwebsiteに飛びますが、人のいるところでブログを読んでいる方は注意しましょう)。 いわゆる「オトナのおもちゃ」(女性向けオンリー)をマルチレベル・マーケティングで販売するビジネスです。
マルチレベル・マーケティングとは販売組織がピラミッド構造をしており、上位販売員が下位販売員を勧誘しトレーニングするシステム(日本では一般的に「マルチ商法」と呼ばれ悪徳商法の一部と勘違いされがち)。
Wikipedia : 連鎖販売取引

簡単に説明すると、Soft Parisの商品に興味のある女性グループを誰かの家に集めてホームパーティーを開き、そこで販売員が商品の紹介をする、といういわゆるホームパーティー商法です。
2年前に始めたのが、すでに販売員が200名になり、フランスで(自社を含め)3社いる中で現在業界(?)2位。 トップとの差を縮めつつあるそうです(そもそも、そんな市場調査、どこで得るのかしらん?)

すごいところにマーケット・ニーズ見つけるなー・・・彼女、INSEADの前職は弁護士だったんですけどね・・・
「抑圧された主婦層が多いマーケット」が狙い目で、日本で展開したい人がいればぜひ提携したいので連絡ください、とのことでした。 ご興味ある方はぜひContactページからご連絡ください。

→ 続きを読む

Red Herring 100 Asia

私は、起業家という人種が好きなので、今日と明日、2日続けて応援ブログです。
red_herring.jpgRed Herringという雑誌をご存知ですか?
シリコンバレーにある出版社(雑誌とWeb)で、そのRed Herring社が毎年選ぶ"Red Herring 100"は世界を変える可能性を秘めた革新的なベンチャー企業100社に与えられ、ベンチャー企業の登竜門とも言える名誉ある賞です。

"Red Herring 100 Asia"はそのアジア版。
このたび、今年の"Red Herring 100 Asia"のファイナリスト200社が発表されました。

ふーんとリストを見ていると、何と前職の同僚が会社を辞めて社長に就任したベンチャーの名が。
残念ながら仕事上もプライベートもほとんど絡みがなかったのですが、Red Herring Asiaのファイナリストになっているとは!
本番は12月。 受賞できるといいですね!

去年のRed Herring 100 Asiaの受賞企業(→コチラ)の顔ぶれを見てみると、中国とインドが圧倒的に多い(やっぱり・・・ 今さら驚かない)。

→ 続きを読む

セカンドチャンス、あげますか?

夫の勤めるコンサルファームでは長い間ビジネスアナリストを探していました。 ビジネスアナリストとは新卒か第二新卒くらいの下っ端で調査・分析業務が主。 ひたすら検索、Excel、PowerPointマシーンと化しその長時間労働のためか、ターンオーバーが激しい職種であります。
consultant_career.jpgコンサルタンティングファームの一般的な呼称は左の通り("LIBER : 戦略コンサルタント"より)。

応募は多数あるものの、論理的思考力が高く(面接ではケースインタビューと呼ばれる特定のビジネスケースを想定したディスカッション形式のインタビューが実施される)、さらに高度なQuantitative(数量的)能力を兼ね備えた若者はなかなかおらず、数回にわたる面接実施後、内定を出したとしても同スペックの人材を求める投資銀行に高給を提示されて逃げていく、と嘆いていました(投資銀行がなくなる前のお話)。

最近、夫の勤めるファームも昨今の経済環境下、全社的に採用が一時凍結されたのですが、8ヵ月前に内定を出したAくんからメールがきたそうです。
Aくんはこのコンサルファームと同時に欧州系銀行の投資銀行部門からS$8,000という新卒としては破格の給料を提示されており(ボーナス入れると年収800万円超え)、「家庭の事情で出張が多い仕事はできない」と内定を辞退してきたとのこと。
私はそれを聞いた時点で「家庭の事情って・・・25歳・独身やないかい!」と突っ込んだのですが、儒教思想(家族、特に年長者を大事にする)が根強く残る中華系シンガポール人の間では「家庭の事情(親が病気がち、とか)」は伝家の宝刀なのか、よく聞く退職理由だったりします。

→ 続きを読む

「おまかせ」の落とし穴

先日のブログで、シンガポールで新しい美容師さんに行ったところ、仕上がりは「まあまあ」と書きましたが、この「まあまあ」は美容師さんの落ち度ではありません。 70%くらいは「自分は何者でこういう風に見られたい」と最初に伝えなかった私の落ち度です。

女性の方には強く同意してもらえると思うのですが、自分に合う美容師さんを見つけるのはヘアサロン天国の東京でさえ至難の業です。
ヘアスタイルはファッションと同じく自分が何者なのかを視覚的にもっとも手っ取り早く伝える手段なので、ヘアサロンも女性のタイプ別に細かくセグメントされています。 女性がどこのクラスターに属するかを知るには、普段どういう女性誌を読んでいるかでわかります(このブログを読んでいる方は女性誌なぞ読まず、日経新聞とかThe Economistとか読んでいそうですが、笑)。 よって、ヘアサロンでの待ち時間にスタイリストのアシスタントが持ってくる女性誌は「自分がどう見られているか」を図るもっともよいバロメーターです。

Elasticというブログに『女性ファッション誌の分類』という素晴らしい分析があったのでマッピングを貼っておきます。
women_magazine.jpg20 - 30代のキャリアウーマン(←という言葉は好きではないが、通りがよいので使用)にとって重要なのは、「仕事という場(TPO)をわきまえたヘアスタイル」であって「自分という個性の発揮」や「合コンでのモテ髪」ではないので、マッピングの中ではちょうど真ん中(つまりどちらの極端でもない)、OggiBAILAにあるようなコンサバヘアになります(マッピングは若者向け雑誌しかカバーされていませんが、キャリア系ファッション雑誌は年齢が上がるにつれ、DOMANIGraziaPreciousGRACEとなる)。

数多くあるヘアサロンの中から自分のクラスターに一致したところを探し出し(もちろん立地条件、価格も重要)、さらに気の合う美容師さんを見つけ出す、という地道な努力を世の多くの女性は行っているのです(違います?)。 それでも引っ越したり、行きつけのヘアサロンをいつもの美容師さんが辞めてしまったらゲームオーバー。 プロセスのやり直しです。

→ 続きを読む

ウェブカレ・・・

今まで外国人の友人からは「一番親しい日本人である」という理由でいろいろなことを頼まれてきました。
ありがちなのが、「今度、東京に行くんだけどレストランのお薦め教えて」「京都で旅館に泊まりたい」など旅行系。

義父(夫のお父さん)からは「30年前のロンドン留学時代のクラスメイト(日本人)と10年前から音信不通になってしまったので探してほしい」と、私を興信所か何かだと勘違いしているのでは?と思われるような依頼も(アルファベットの名前から漢字を類推し、当時在籍していた会社名と組み合わせてググッたら何と発見できてしまいました。 そして電話をかけてご本人を確認しメルアドをゲットして義父に連絡。 興信所いらず)。

今回の依頼は上海でベンチャーキャピタルを経営する友人から。
「日本で"ウェブカレ"とやらが大ブームらしいので、使ってみて感想を教えてほしい」

はいはい、おまかせあれ。
で、ウェブカレ

9月10日にオープンした"乙女のための2次元恋愛シミュレーションSNS"とのことで、20代女性を中心に人気らしい。
舞台は私立の高校。お菓子作りが趣味の生徒会長、勉強が苦手なバスケ部員、女子生徒に人気の国語教師、けんかの強い問題児 - という4人のキャラ(下)から自分の"彼"を選び、"彼"やSNSの他のメンバーと一緒に学園生活を送るというシミュレーションで、SNSならではの機能もついています。
webkare.jpg

興味のある方はコチラ(↓)
ウェブカレってなに?

→ 続きを読む

Factory for unhappy people - 不幸な人の製造工場

『ハーバード留学記』の著者でライフネット生命保険副社長の岩瀬さんのブログ、及びThe Economostの書評を読んで以来、ずっと読みたかった『Ahead of the Curve: Two Years at Harvard Business School』を読み終わりました(2つの書評 ↓)。
生命保険 立ち上げ日誌:本当の『ハーバード留学記』(ついに発売!)
The Economist:Factory for unhappy people

著者は元Daily Telegraph(英)のジャーナリストでHBS(に限らずビジネススクール)には珍しく「いわゆるビジネス」の経験を持たないため、(ある意味)正常な精神とイギリス人らしい皮肉、的確な筆力で、25歳そこらの若者が「世界中のすべての問題をキミたちが解決できる、世界を変えるのはキミたちだ」と吹き込まれ、米国資本主義の担い手として巣立っていく様子と、HBS-wayに戸惑いその意味を問う自分の姿を描いています。

私も「メーカー→INSEAD MBA→総合商社」、というMBA前も後もコンサルでも投資銀行でもなくMBAでは「マイナー」なキャリアなため、著者がHBSで直面した戸惑い、疑問、感動、心境の変化が、まるで4-5年前のINSEADにいた頃の私を見ているようで読みながら随分入り込んでしまいました。

かなりランダムですが、読後の感想です。

→ 続きを読む

Native English Speakerの危機

現在、世界で英語を話す人口が一番多い国はどこでしょう?

アメリカ?

ブー!
答えはインドです。
インドの人口は10億人を越え、うち少なくても30%は英語を第二外国語(もしくは第三外国語)として話せると推定されるため、インドの英語人口は3億5千万人を超えるのだとか。
guardian.co.uk : Subcontinent raises its voice

ついでに夫に前から気になってたことも聞いてみました。
「世界中のみんなが自分の母国語である英語をしゃべってくれるってどんな気分?」

するとある程度予想されていた答えが返ってきました。
「つまらない、少なくともちっとも嬉しくはない」

理由としては、
1. 誰もが英語を話せるので、外国語をあえて学ぼうというモチベーションが続きにくい
2. 他の国に行って現地の人に当然のように英語で話しかける自分がとてもarrogant(横柄)に思える
3. 誰もが英語がわかるので内緒話ができない
などなど。

なるほどねー
10年ほど前までは「Native English Speakerって生まれつき英語が話せるんだから得だ」(正確には生まれてから数ヶ月後からだが)と思う人が多かったような気がするけど、最近はあまりに誰もが英語を話すので逆に「えっ?英語しか話せないの?」に変わってきたような気がします。

→ 続きを読む

漂流し始めた金融移民たち

私たちには、バンカーの友達が多いので、あちらこちらから解雇・リストラの噂が聞こえてきています。

REUTERS:米リーマンとメリルの「激震」、金融業界の雇用に衝撃波

もともと人的流動性の高い業種なので、ロンドン→ニューヨーク→香港、とマーケットを移動することは珍しくもないのですが、数週間ほど前にTemasek(シンガポール政府系投資会社)にいる友人と話したところ、ロンドンとニューヨークから大量に履歴書が送られてきている、と言っていました。 

余談ですが、今回のバンカメによるメリル買収でてっきりテマセックは大損したのかと思いきや、$1.5bil.の売却益とか・・・ 随分投資効率のよい買い物でしたね・・・
Bloomberg:Temasek May Reap $1.5 Billion Gain From Merrill Lynch Takeover

今回の金融業界再編でバイサイドにとっては優秀な人材を確保するチャンスという見方がありますが、彼らもそんなに大量に受け皿はありません。 『景気とMBA』に書いたようにMBAを取りに行く人がいたり、中国人やインド人の中にはこれを機会に故郷に帰る人もいるようです(故郷は中長期的には間違いなく成長するので)。 金融業界から流出し始めた人々が落ち着くまでしばらくかかりそうです(その間に現在の金融業界地図は元の面影がないほど塗り替えられているのでしょう)。

友人の1人(ヨーロッパ系ユニバーサルバンクのM&A部門)は、「(まだ)クビにはなってないけど、去年の年収のうち65%がボーナスだったけど、今年はボーナスなし」と嘆いていました。
まあ、「去年の年収( = 7,000万円)が、ベース分だけ( = 2,500万円)になっちゃった」というレベルの話なので、ちっとも同情はしていないですが、このようにハイリスク・ハイリターンのcyclicalな仕事についている、という認識に立った上で急なダウンサイドに対応できるような生活設計をするべきなんだ、と思います。

→ 続きを読む

米金融、未曾有の危機

昨日から今日にかけて米金融業界は米証券4位のリーマン・ブラザーズが破産法適用申請、同3位のメリルリンチがバンカメに救済合併され、保険大手のAIGも資産売却を余儀なくされるという未曾有の出来事が続発しています。

REUTERS:米リーマンHD、連邦破産法第11条の適用を申請
REUTERS:米バンカメがメリル買収を発表、500億ドル相当の株式交換で

投資銀行/証券会社はMBA後の人気就職先なのでそれぞれの会社にもれなく友達がいます。 リーマンとメリルリンチにもそれぞれ1人ずつ仲のいい友人がいるのですが、さすがにこういうときに電話はできないですね。 頃合いを見て様子を聞いてみようと思っています。

日本は1997年に証券4位の山一証券と地銀大手の北海道拓殖銀行が破綻していますが、米国では6ヵ月の間に証券3位から5位までが一斉に破綻・救済合併されるという状況のため衝撃の大きさが知れるというもの。

このニュースを朝からおろおろと見ながら思い出すのは新卒で入った会社のこと。
私は1998年4月に新卒入社という、山一証券に就職内定していた同期が内定を取り消されたのを間近に見ている世代です。 この就職氷河期時代に何を考えていたのか総合商社とマスコミしか受けないという無謀な就職活動の結果(強くお勧めしません、笑)、当時9社あると言われていた総合商社のうち下位にいる商社に就職しました。

その新卒就職先であった商社は不採算部門の売却などを経た後、同じく下位にいた総合商社と経営統合し現在に至ります。

→ 続きを読む

書斎と化したスタバの行方

Starbucksが揺れています。

7月2日に米国内の店舗600店を閉鎖することを発表。
IBTimes:米スターバックス、米国内の600店舗を閉鎖
IHT:Starbucks closing 600 underperforming stores in the U.S.

すると、すぐにSave Our Starbucks(私たちのスタバを救え)というサイトが立ち上げられ、存続運動が起きているとか。
イザ!:わが街の